↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
姉妹レンタル  作者: なんなん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
221/417

誰かと選ぶ未来

第∞+3世界。


未来の木の向こうに現れた扉。


【第四の歴史――誰かと選ぶ未来】


悠真たちは、その扉をゆっくり開いた。


その先に広がっていたのは、広大な草原だった。


しかし、不思議なことに草原には道が一本もない。


ノノが周囲を見回す。


「道が……ないね」


「うん」


ミチも首をかしげる。


すると、空から一枚の白い葉が落ちてきた。


葉には文字が浮かんでいる。


【未来は、一人では完成しない】


その瞬間、草原に二つの光が現れた。


一つはミチの光。


もう一つは――悠真の光だった。


二つの光の間に、細い道が伸びる。


ミチが驚く。


「僕の未来と、悠真さんの未来がつながった……?」


記録者が答える。


「二人の選択が重なったことで、新しい可能性が生まれました」


アカリが別の場所へ歩く。


すると、アカリの光から新しい道が伸びた。


シンも歩く。


オボロも歩く。


キボウ、レイン、ユラ、アオ、アス、ミライ、キオク、イマ、トキ、ハジメも続く。


それぞれの光から道が伸びていく。


やがて――。


すべての道が草原の中央で一つにつながった。


そこに、小さな町が現れた。


家。


広場。


図書館。


展望台。


そして、未来の木。


ハジメが目を輝かせる。


「新しい町ができた!」


記録者が記録する。


【第四の歴史――共同選択による町の誕生】


ミチは町を見つめながら言った。


「僕一人だったら、こんな町にはならなかった」


悠真が笑う。


「だから『誰かと選ぶ未来』なんだね」


すると町の中央に大きな時計が現れた。


時計の針は動いていない。


文字盤には、


【次に何をする?】


と書かれている。


アカリが笑う。


「また選択だね」


ミチが時計の前に立つ。


「じゃあ、今度はみんなで決めませんか?」


全員が頷いた。


町に何を作るのか。


どこへ道をつなぐのか。


どんな場所にするのか。


誰が住むのか。


いろいろな意見が出る。


けれど、なかなか一つに決まらない。


すると悠真が言った。


「全部作ればいいんじゃない?」


「全部?」


「未来を一つに決めなくてもいい。みんなの希望をつなげていけばいいんだよ」


その言葉に、時計が動き始めた。


カチッ。


カチッ。


カチッ。


町が大きく広がっていく。


図書館から森へ。


森から海へ。


海から空へ。


空から、まだ見ぬ場所へ。


記録者の本に、新しい文章が刻まれる。


【第四の歴史――未来は、一つに決める必要はない】


その直後。


町の中心に、見たことのない建物が現れた。


看板には――


【未来相談所】


と書かれている。


ミチが首をかしげる。


「未来相談所……?」


扉がひとりでに開く。


中には誰もいない。


ただ、机の上に一冊の本が置かれていた。


表紙には、


【まだ未来を選べない人へ】


と書かれている。


ミチが本を開こうとした瞬間――。


ページの向こうから、小さな声が聞こえた。


「……僕の未来も、誰かが決めてくれるの?」


全員が顔を見合わせる。


本の中に――誰かがいる。


そして、その声の主はまだ、この世界の住民として登録されていなかった。


未来の木が大きく揺れる。


新たな葉が芽吹いた。


そこには、


【第五の歴史――未来を選べない者】


と刻まれていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。