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笑顔を運ぶ馬車

数日後。


悠真たちは、新しい町へ向かう準備をしていた。


荷物は机や本棚、絵本、おもちゃ、お菓子作りの道具など盛りだくさん。


「これじゃ車に入りきらないね。」


美咲が困ったように言う。


その時、理事長が笑顔で言った。


「実は、皆さんへの贈り物があります。」


ガラガラ……。


倉庫の大きな扉が開くと、そこには立派な白い馬車があった。


「わあ!」


あかりが目を輝かせる。


「かわいい!」


ひかるは馬車の中をのぞき込む。


本棚や折りたたみ机が収納できるように工夫されていて、まるで動く「みんなのリビング」だった。


「これは『スマイルキャラバン号』です。」


理事長は誇らしげに説明する。


「町から町へ笑顔を届けるために作りました。」


「ありがとうございます!」


悠真たちは深く頭を下げた。



---


翌朝。


六人はスマイルキャラバン号に乗り込み、新しい町へ出発した。


途中、小さな橋の近くで困っているおばあさんを見つける。


「どうしました?」


悠真が尋ねると、おばあさんは困った顔で答えた。


「荷物が重くて、一人では運べなくてね。」


「任せてください!」


さくらと美咲が荷物を持ち、ひまりは手押し車を押す。


あかりはおばあさんを笑わせるために楽しい話をし、ひかるは水筒のお茶を差し出した。


「ありがとう。本当に助かったよ。」


おばあさんは何度も頭を下げた。



---


夕方。


ようやく新しい町に到着した。


町の人たちは、馬車を見て集まってくる。


「何のお店ですか?」


「本屋さん?」


「遊び場?」


悠真は笑顔で答えた。


「どれでもあります。」


「ここは、誰でも気軽に集まれる場所です。」


子どもたちは歓声を上げ、大人たちも興味深そうに見守る。


スマイルキャラバン号の扉が開き、新しい「みんなのリビング」が始まった。


しかし、その様子を少し離れた場所から見つめる、一人の少年がいた。


腕を組み、どこか警戒した表情を浮かべている。


「……こんなの、どうせ長続きしない。」


少年はそうつぶやくと、静かにその場を立ち去った。


悠真たちは、まだその少年の存在を知らなかった。

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