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姉妹レンタル  作者: なんなん


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住民の扉

巨大な扉――『住民』。


悠真たちは、その前に立っていた。


「この扉を開けたら……新しい住民が生まれるのかな?」


ノノが尋ねる。


カイは魔導書を開いた。


「おそらく。ただし、どういう住民になるかは、僕たちの選択次第みたいだ」


「また選択……」


ミオが扉を見る。


「この世界では、本当に何もかも自分たちで決めるんだね」


ユラが静かに頷いた。


「だからこそ……怖いんです」


ホシがユラを見る。


「怖い?」


「はい。私たちが間違った選択をしたら、この世界の住民たちが困ってしまうかもしれません」


その言葉に、悠真は少し考えた。


そして扉に手を置く。


「だったら、一人で決めなければいい」


「え?」


「みんなで相談して決めればいいんだよ」


扉が淡く光った。


『共同選択を確認』


カチッ。


巨大な扉が開いた。


その向こうには、何もない巨大な空間が広がっていた。


中央には、三つの光が浮かんでいる。


『生まれ方』


『役割』


『自由』


アカリが首をかしげる。


「三つ?」


シンが説明する。


「新しい住民を、どういう存在として生み出すかを決めるんだろう」


オボロが『自由』の光を見る。


「役割を最初から決めてしまえば、自由がなくなるかもしれない」


キボウも頷いた。


「じゃあ、役割は自分で決められるようにしようよ!」


レインが嬉しそうに空を飛ぶ。


「それがいい!」


悠真は『自由』の光に手を伸ばした。


しかし――


「待って」


ホシが止めた。


「自由って……何でもできるってこと?」


「そうだと思う」


「じゃあ、誰かを困らせることもできるの?」


全員が黙った。


それは、この世界で初めて突きつけられた難しい問題だった。


ミオがゆっくり話す。


「自由には、責任も必要なんじゃないかな」


シンも続けた。


「自分で選べる。でも、他者の選択も尊重する」


「それなら……」


悠真が光に触れた。


『自由――採用』


次に『役割』。


「役割は、生まれたときには決めない」


『役割――未設定』


そして最後に『生まれ方』。


ユラが尋ねる。


「どんな方法にしますか?」


悠真は仲間たちを見る。


「この世界に必要になったとき、その存在自身が生まれるのはどうかな?」


アカリが笑う。


「必要な未来が生まれるってこと?」


「うん」


悠真は頷いた。


「誰かに命令されて生まれるんじゃなくて、その世界が必要としたときに、自分自身の未来を持って生まれる」


三つの光が一つになる。


――ゴォォォン!


世界全体が大きく揺れた。


空に無数の光が現れる。


『住民システム――確定』


『生まれ方:未来による発生』


『役割:自由』


『選択:本人』


そして――


『第∞+1世界、第一住民群の発生条件を設定しました』


「第一住民群……?」


カイが驚く。


その瞬間、地平線の向こうに小さな町が現れた。


家。


学校。


図書館。


工房。


公園。


そして、町の中央には大きな時計塔。


しかし――


誰もいない。


「まだ住民はいないみたい」


ノノが言う。


するとホシが笑った。


「でも、町はもうあるよ」


ユラも微笑む。


「いつか、ここに誰かが来るんですね」


悠真は頷いた。


「うん。僕たちが決めるんじゃない。その人が来る未来を待とう」


その瞬間。


時計塔の針が動き始めた。


カチッ。


カチッ。


カチッ。


そして時計の文字盤に、新しい数字が浮かぶ。


『住民誕生まで――』


『あと1日』


「えっ!?」


全員が時計を見上げる。


ホシが目を輝かせた。


「明日、この世界に新しい人が生まれるんだ!」


しかし、時計の下にはもう一つの文字があった。


『第一住民の誕生と同時に、世界の過去が決定されます』


悠真の表情が変わった。


「……過去も?」


第∞+1世界は、未来だけではなく――


まだ存在していなかった「過去」までも、これから生み出そうとしていた。

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