第四の鍵
きずなの船の中央に浮かんだ、小さな羽根。
それは白く輝きながら、ゆっくり回っていた。
ノノが近づく。
「これが第四の鍵?」
アカリが頷く。
「たぶん……。」
ノアが羽根に手を伸ばす。
しかし――。
スッ。
羽根はノアの手をすり抜けた。
シンも触ってみる。
やはり触れない。
悠真が手を伸ばす。
すると――。
ふわっ。
羽根が悠真の手のひらに乗った。
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■ 羽根に刻まれた文字
羽根が光る。
そこに文字が浮かび上がった。
『きずな』
ノノが目を丸くする。
「きずな……。」
カナタが言う。
「それなら、第四の鍵は……。」
アカリが答える。
「誰かと誰かをつなぐ力。」
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■ 四つの鍵
三つの扉が再び輝く。
第一の鍵
可能性
第二の鍵
存在
第三の鍵
始まり
そして――。
第四の鍵
きずな
悠真は四つの言葉を見つめる。
「これを使えば、何かが開くんだ。」
シンが頷く。
「でも、どこを?」
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■ 船の地図
その瞬間、操舵室の地図が勝手に広がった。
今まで見たことのない場所が表示される。
無数の世界の外側。
さらにその外側。
そして――。
地図の一番端に、小さな点。
そこには、
『原点』
と書かれていた。
ハジメが驚く。
「原点……?」
トワが時計を見る。
「時間がありません。」
「原点まで行くには、通常なら何千年かかるでしょう。」
ノノが笑う。
「通常なら?」
トワも笑う。
「きずなの船なら、もっと早いです。」
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■ 原点へ
きずなの船が加速する。
第∞世界を抜ける。
無数の世界を横切る。
未来迷路。
にじの世界。
これまで旅してきた世界。
すべてが後ろへ流れていく。
悠真は窓の外を見る。
「こんなにたくさんの世界を旅してきたんだな。」
ノノが笑う。
「まだまだ行ってない世界もいっぱいあるよ!」
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■ 不思議な現象
突然、船が揺れた。
ゴゴゴゴ……!
レインが翼を広げる。
「何か来る!」
前方から巨大な光の波が迫ってきた。
ハジメが叫ぶ。
「避けられない!」
悠真は羽根を握る。
すると――。
ノノが悠真の手を握った。
カナタも。
ユメも。
アカリも。
ノアも。
シンも。
みんながつながる。
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■ きずなの力
羽根がまばゆく輝く。
光の波が船を包む。
しかし――。
船は壊れない。
むしろ光の中を、ゆっくり進んでいく。
アカリが驚く。
「第四の鍵は、攻撃する力ではありません。」
「つながることで、世界そのものを安定させる力なんです。」
悠真が笑う。
「だったら、これなら大丈夫。」
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■ 原点
やがて光が消える。
船の前に、一つの小さな星が浮かんでいた。
星なのに、周囲には何もない。
世界もない。
時間もない。
ただ一つだけ存在している。
原点。
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■ 四つの扉
船が原点に近づく。
すると四つの扉が現れた。
「可能性」
「存在」
「始まり」
「きずな」
四つの扉が一つずつ開いていく。
最後の扉が開いた瞬間――。
その先にあったのは、
小さな部屋。
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■ 小さな部屋
ノノが首をかしげる。
「原点って、こんなに小さいの?」
部屋の中央には、古い机。
机の上には一冊の本。
カイが近づく。
「本……?」
表紙には何も書かれていない。
悠真が本を開く。
最初のページは真っ白。
次のページも。
その次も。
最後のページまで――。
何も書かれていない。
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■ 最初の一文字
悠真が最後のページをめくる。
すると突然――。
一文字だけ浮かび上がった。
「は」
ノノが驚く。
「『は』?」
さらに文字が増える。
「は」
「じ」
「め」
そして――。
「はじめまして」
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■ 誰への言葉?
カナタが周囲を見る。
「誰が書いたんだ?」
アカリが本を見つめる。
「分かりません。」
ノアがページに触れる。
すると文字が変化する。
『あなたたちへ』
悠真が息をのむ。
「僕たちに?」
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■ 本の中から声
本が光る。
そして――。
声が聞こえた。
「ここまで来てくれて、ありがとう。」
ノノが驚く。
「誰?」
声は答える。
「私は、まだ生まれていません。」
シンが眉をひそめる。
「まだ生まれていない?」
「そう。」
「あなたたちがこれからすることによって、私は生まれます。」
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■ 未来からの手紙
ハジメが気づく。
「これは未来から届いた手紙……?」
トワが首を横に振る。
「未来ではありません。」
「未来そのものが、まだ存在していない。」
カイが呟く。
「じゃあ、この本は……。」
アカリが答える。
「これから生まれる未来が、今の私たちに送っている手紙。」
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■ 最後の一文
本のページがどんどんめくれていく。
最後のページに、新しい文章が現れる。
『四つの鍵を集めた者へ。』
その下に――。
『世界を一つにするか、すべてを分けるか。』
そして最後に、
『選ぶのは、あなたたちです。』
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■ 二つの道
部屋の奥に、二つの扉が現れる。
一つは――。
白い扉。
もう一つは――。
黒い扉。
ノアが尋ねる。
「どちらが正しいの?」
アカリは答えない。
シンも答えない。
レインも黙っている。
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■ 悠真の決断
悠真は二つの扉を見つめる。
ノノが隣に立つ。
「悠真は、どうしたい?」
悠真はしばらく考える。
そして――。
「どっちか一つを選ぶんじゃない。」
全員が悠真を見る。
「世界を一つにすることも、分けることも。」
「どちらかだけじゃなくて――。」
悠真は羽根を握る。
「みんなが自分で選べる世界にしたい。」
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■ 原点が揺れる
その瞬間。
原点全体が大きく揺れた。
ゴゴゴゴゴ……!
白い扉と黒い扉が消える。
代わりに――。
第三の扉が現れた。
扉には、こう書かれている。
『選択』
アカリが驚く。
「新しい可能性が生まれた……。」
ノアが悠真を見る。
「あなたが作ったの?」
悠真は首を横に振る。
「みんなで作ったんだよ。」
ノノが笑う。
「そうだね!」
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■ しかし、原点の外で
その頃。
原点のさらに外側。
誰も存在できないはずの場所に――。
一つの影が立っていた。
影は悠真たちを見つめる。
そして静かに笑う。
「なるほど。」
「四つの鍵だけでは足りないと思っていた。」
影の手には――。
もう一つの鍵。
その形は、
黒い羽根。
影が呟く。
「第五の鍵――『記憶』。」
そして黒い羽根が輝いた。




