裏世界への門
七色のドラゴンは、悠真たちの前に立っていた。
巨大な翼。
虹色に輝く鱗。
そして、深い青色の瞳。
ノノが恐る恐る尋ねる。
「あなたは……この世界の守り神なの?」
ドラゴンは静かに答えた。
「私はレイン。」
「この世界が生まれたとき、最初に目覚めた者だ。」
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■ 裏世界
レインが虹色の門を開く。
門の向こうには――。
真っ暗な階段が続いていた。
ハジメが覗き込む。
「かなり深い。」
トワが時間を調べる。
「この階段……。」
「下へ行っているようで、実際には時間を越えています。」
カイが驚く。
「時間を越える階段?」
レインが答える。
「裏世界は、表世界とは違う。」
「ここでは――。」
「生まれる前のものが眠っている。」
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■ 地下へ
悠真たちは階段を下りる。
一段。
二段。
十段。
百段。
いつまで経っても終わらない。
ノノが数える。
「300……301……302……。」
すると突然――。
「……あれ?」
階段の番号が、
302
から、
1
に戻った。
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■ 何度も繰り返す階段
ノノが驚く。
「また最初に戻った!」
ミライが気づく。
「ここは未来迷路と似ている。」
トワが首を横に振る。
「違います。」
「これは未来ではありません。」
「可能性の階段です。」
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■ 選ばれなかったもの
ハジメが説明する。
「この世界が作られるとき――。」
「たくさんの可能性が生まれた。」
「でも、その中から一つの世界だけが表世界になった。」
悠真が聞く。
「じゃあ、残りは?」
レインが答える。
「裏世界に眠っている。」
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■ 無数の卵
階段の先に広い空間があった。
そこには――。
無数の巨大な卵が並んでいた。
赤い卵。
青い卵。
金色の卵。
透明な卵。
中には――。
まだ生まれていない生き物たちが眠っている。
ノノが目を輝かせる。
「すごい……!」
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■ 生まれなかった生き物
レインが言う。
「これらは、この世界では生まれなかった可能性。」
「もし別の未来を選んでいたら――。」
「この子たちは表世界で生きていた。」
カイが本に記録する。
「つまり、裏世界は『もしも』の世界なんだ。」
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■ 一つの卵
そのとき。
奥から――。
ドクン。
大きな音が響いた。
悠真が振り返る。
巨大な黒い卵。
表面に七色のひびが入っている。
レインの表情が変わった。
「……あれは。」
ハジメが尋ねる。
「何?」
レインは答えない。
もう一度――。
ドクン。
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■ 黒い卵
カイが本を開く。
しかし――。
何も書けない。
「記録不能……。」
ゼロスも年代記を開く。
ページが真っ白になる。
トキが時間を調べる。
「この卵だけ、時間が存在しない。」
悠真がレインを見る。
「何が入ってるの?」
レインは静かに答えた。
「この世界が選ばなかった、最後の可能性。」
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■ 卵が割れる
突然――。
パキッ。
亀裂が広がる。
ノノが後ろへ下がる。
「生まれる……!」
レインが翼を広げる。
「全員、下がれ!」
卵が大きく割れる。
そして中から――。
小さな手が出てきた。
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■ 生まれたのは……
現れたのは――。
ドラゴンではなかった。
人間の子どものような姿。
白い髪。
小さな角。
そして、胸に七色の星。
その子はゆっくり目を開けた。
「……ここ、どこ?」
ノノが驚く。
「子ども?」
レインが答える。
「そう。」
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■ 名前のない子
子どもは自分の名前を知らなかった。
ハジメが尋ねる。
「名前は?」
「……ない。」
悠真が言う。
「じゃあ、名前をつけよう。」
ノノが考える。
「レイ?」
カイが言う。
「ナナ?」
ミライが笑う。
「ユメはどう?」
子どもは少し考えて――。
「……ユメ。」
嬉しそうに笑った。
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■ ユメの力
ユメが立ち上がる。
その瞬間――。
裏世界の卵が一斉に光った。
ドクン!
ドクン!
ドクン!
無数の卵が動き始める。
レインが驚く。
「これは……。」
ハジメも驚く。
「ユメが、可能性を目覚めさせている。」
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■ 裏世界が変わる
眠っていた卵が次々と輝く。
中から小さな光が飛び出す。
それは――。
まだ生まれていない未来。
まだ選ばれていない可能性。
まだ名前のない夢。
ユメが笑う。
「みんな、起きて。」
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■ レインの決断
レインが悠真を見る。
「この子を、表世界へ連れて行くのか?」
悠真は頷く。
「うん。」
レインが尋ねる。
「危険かもしれない。」
「それでも?」
悠真は答える。
「生まれた可能性を、最初からなかったことにはしたくない。」
レインは目を閉じる。
そして――。
大きく頷いた。
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■ 表世界へ
虹色の門が開く。
悠真たちはユメとともに地上へ戻る。
すると――。
にじの世界の空が変わっていた。
虹が七本。
太陽が二つ。
海が輝いている。
そして、森の奥から――。
無数の小さな生き物が出てきた。
ハルが驚く。
「新しい友達がいっぱい!」
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■ 世界が選び直す
ハジメが気づく。
「この世界は、ユメをきっかけに――。」
「選ばれなかった可能性も受け入れ始めている。」
トワが頷く。
「表世界と裏世界の境界が消えつつあります。」
カイが不安そうに言う。
「それって、大丈夫なの?」
そのとき――。
レインが空を見上げる。
「……分からない。」
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■ 空に現れたもの
空に巨大な文字が浮かんだ。
『可能性、増殖中』
悠真が驚く。
「増殖?」
文字がさらに変化する。
『世界数:∞』
ミライが叫ぶ。
「世界が増え続けてる!」
ハジメが言う。
「このままでは――。」
無数の世界が生まれ始める。
一つ。
十。
百。
千。
そして――。
数え切れないほどの世界。
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■ レインの言葉
レインが言う。
「これが、にじの世界の本当の力。」
「この世界は――。」
「可能性を生み続ける世界。」
悠真が尋ねる。
「じゃあ、どうすれば止められる?」
レインは首を横に振る。
「止めてはいけない。」
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■ 次の冒険
レインは悠真を見る。
「可能性を止めるのではなく――。」
「すべての可能性を安全につなぐ必要がある。」
カイが驚く。
「そんなことできるの?」
ハジメが笑う。
「私たちなら、できるかもしれない。」
ノノも笑う。
「じゃあ、やってみよう!」
ユメも小さく手を上げる。
「私も行く。」
悠真が頷く。
「もちろん。」
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■ 新たな旅へ
きずなの船に新しい仲間――。
ユメが乗り込んだ。
レインは巨大すぎるため、船の外を飛ぶことになった。
ノノが笑う。
「レインは船より大きいもんね。」
レインが少し困った顔をする。
「……仕方ない。」
きずなの船が出発する。
その後ろをレインが飛ぶ。
そしてユメは窓から、無数に生まれていく世界を見る。
「こんなにたくさん……。」
悠真が答える。
「これから、どんな世界になるかは誰にも分からない。」
「だから――。」
「見に行こう。」
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■ しかし、そのとき
世界間時計が突然鳴る。
ピピピピッ!
画面には――。
『未知の世界、発生』
その下には、見たことのない表示。
『第∞世界』
ハジメが驚く。
「∞……?」
トワが呟く。
「無限の世界。」
そして通信機から――。
あの「観測者」の声が聞こえる。
『そこへ行ってはいけません。』
悠真が聞く。
「どうして?」
しばらく沈黙。
そして観測者が言った。
『第∞世界には、これまでのすべての世界を知っている存在がいます。』
カイが尋ねる。
「誰なんだ?」
観測者の声が震える。
『あなたたちが生まれる前から、あなたたちを知っている存在です。』
通信が切れる。
悠真たちは前方を見る。
そこには――。
無限に広がる世界への門。
その中央に、巨大な文字が浮かんでいた。
『第∞世界』
悠真は静かに言った。
「……行こう。」
きずなの船は、無限の世界へ向かって進み始めた。




