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姉妹レンタル  作者: なんなん


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173/417

裏世界への門

七色のドラゴンは、悠真たちの前に立っていた。


巨大な翼。


虹色に輝く鱗。


そして、深い青色の瞳。


ノノが恐る恐る尋ねる。


「あなたは……この世界の守り神なの?」


ドラゴンは静かに答えた。


「私はレイン。」


「この世界が生まれたとき、最初に目覚めた者だ。」


---


■ 裏世界


レインが虹色の門を開く。


門の向こうには――。


真っ暗な階段が続いていた。


ハジメが覗き込む。


「かなり深い。」


トワが時間を調べる。


「この階段……。」


「下へ行っているようで、実際には時間を越えています。」


カイが驚く。


「時間を越える階段?」


レインが答える。


「裏世界は、表世界とは違う。」


「ここでは――。」


「生まれる前のものが眠っている。」


---


■ 地下へ


悠真たちは階段を下りる。


一段。


二段。


十段。


百段。


いつまで経っても終わらない。


ノノが数える。


「300……301……302……。」


すると突然――。


「……あれ?」


階段の番号が、


302


から、


1


に戻った。


---


■ 何度も繰り返す階段


ノノが驚く。


「また最初に戻った!」


ミライが気づく。


「ここは未来迷路と似ている。」


トワが首を横に振る。


「違います。」


「これは未来ではありません。」


「可能性の階段です。」


---


■ 選ばれなかったもの


ハジメが説明する。


「この世界が作られるとき――。」


「たくさんの可能性が生まれた。」


「でも、その中から一つの世界だけが表世界になった。」


悠真が聞く。


「じゃあ、残りは?」


レインが答える。


「裏世界に眠っている。」


---


■ 無数の卵


階段の先に広い空間があった。


そこには――。


無数の巨大な卵が並んでいた。


赤い卵。


青い卵。


金色の卵。


透明な卵。


中には――。


まだ生まれていない生き物たちが眠っている。


ノノが目を輝かせる。


「すごい……!」


---


■ 生まれなかった生き物


レインが言う。


「これらは、この世界では生まれなかった可能性。」


「もし別の未来を選んでいたら――。」


「この子たちは表世界で生きていた。」


カイが本に記録する。


「つまり、裏世界は『もしも』の世界なんだ。」


---


■ 一つの卵


そのとき。


奥から――。


ドクン。


大きな音が響いた。


悠真が振り返る。


巨大な黒い卵。


表面に七色のひびが入っている。


レインの表情が変わった。


「……あれは。」


ハジメが尋ねる。


「何?」


レインは答えない。


もう一度――。


ドクン。


---


■ 黒い卵


カイが本を開く。


しかし――。


何も書けない。


「記録不能……。」


ゼロスも年代記を開く。


ページが真っ白になる。


トキが時間を調べる。


「この卵だけ、時間が存在しない。」


悠真がレインを見る。


「何が入ってるの?」


レインは静かに答えた。


「この世界が選ばなかった、最後の可能性。」


---


■ 卵が割れる


突然――。


パキッ。


亀裂が広がる。


ノノが後ろへ下がる。


「生まれる……!」


レインが翼を広げる。


「全員、下がれ!」


卵が大きく割れる。


そして中から――。


小さな手が出てきた。


---


■ 生まれたのは……


現れたのは――。


ドラゴンではなかった。


人間の子どものような姿。


白い髪。


小さな角。


そして、胸に七色の星。


その子はゆっくり目を開けた。


「……ここ、どこ?」


ノノが驚く。


「子ども?」


レインが答える。


「そう。」


---


■ 名前のない子


子どもは自分の名前を知らなかった。


ハジメが尋ねる。


「名前は?」


「……ない。」


悠真が言う。


「じゃあ、名前をつけよう。」


ノノが考える。


「レイ?」


カイが言う。


「ナナ?」


ミライが笑う。


「ユメはどう?」


子どもは少し考えて――。


「……ユメ。」


嬉しそうに笑った。


---


■ ユメの力


ユメが立ち上がる。


その瞬間――。


裏世界の卵が一斉に光った。


ドクン!


ドクン!


ドクン!


無数の卵が動き始める。


レインが驚く。


「これは……。」


ハジメも驚く。


「ユメが、可能性を目覚めさせている。」


---


■ 裏世界が変わる


眠っていた卵が次々と輝く。


中から小さな光が飛び出す。


それは――。


まだ生まれていない未来。


まだ選ばれていない可能性。


まだ名前のない夢。


ユメが笑う。


「みんな、起きて。」


---


■ レインの決断


レインが悠真を見る。


「この子を、表世界へ連れて行くのか?」


悠真は頷く。


「うん。」


レインが尋ねる。


「危険かもしれない。」


「それでも?」


悠真は答える。


「生まれた可能性を、最初からなかったことにはしたくない。」


レインは目を閉じる。


そして――。


大きく頷いた。


---


■ 表世界へ


虹色の門が開く。


悠真たちはユメとともに地上へ戻る。


すると――。


にじの世界の空が変わっていた。


虹が七本。


太陽が二つ。


海が輝いている。


そして、森の奥から――。


無数の小さな生き物が出てきた。


ハルが驚く。


「新しい友達がいっぱい!」


---


■ 世界が選び直す


ハジメが気づく。


「この世界は、ユメをきっかけに――。」


「選ばれなかった可能性も受け入れ始めている。」


トワが頷く。


「表世界と裏世界の境界が消えつつあります。」


カイが不安そうに言う。


「それって、大丈夫なの?」


そのとき――。


レインが空を見上げる。


「……分からない。」


---


■ 空に現れたもの


空に巨大な文字が浮かんだ。


『可能性、増殖中』


悠真が驚く。


「増殖?」


文字がさらに変化する。


『世界数:∞』


ミライが叫ぶ。


「世界が増え続けてる!」


ハジメが言う。


「このままでは――。」


無数の世界が生まれ始める。


一つ。


十。


百。


千。


そして――。


数え切れないほどの世界。


---


■ レインの言葉


レインが言う。


「これが、にじの世界の本当の力。」


「この世界は――。」


「可能性を生み続ける世界。」


悠真が尋ねる。


「じゃあ、どうすれば止められる?」


レインは首を横に振る。


「止めてはいけない。」


---


■ 次の冒険


レインは悠真を見る。


「可能性を止めるのではなく――。」


「すべての可能性を安全につなぐ必要がある。」


カイが驚く。


「そんなことできるの?」


ハジメが笑う。


「私たちなら、できるかもしれない。」


ノノも笑う。


「じゃあ、やってみよう!」


ユメも小さく手を上げる。


「私も行く。」


悠真が頷く。


「もちろん。」


---


■ 新たな旅へ


きずなの船に新しい仲間――。


ユメが乗り込んだ。


レインは巨大すぎるため、船の外を飛ぶことになった。


ノノが笑う。


「レインは船より大きいもんね。」


レインが少し困った顔をする。


「……仕方ない。」


きずなの船が出発する。


その後ろをレインが飛ぶ。


そしてユメは窓から、無数に生まれていく世界を見る。


「こんなにたくさん……。」


悠真が答える。


「これから、どんな世界になるかは誰にも分からない。」


「だから――。」


「見に行こう。」


---


■ しかし、そのとき


世界間時計が突然鳴る。


ピピピピッ!


画面には――。


『未知の世界、発生』


その下には、見たことのない表示。


『第∞世界』


ハジメが驚く。


「∞……?」


トワが呟く。


「無限の世界。」


そして通信機から――。


あの「観測者」の声が聞こえる。


『そこへ行ってはいけません。』


悠真が聞く。


「どうして?」


しばらく沈黙。


そして観測者が言った。


『第∞世界には、これまでのすべての世界を知っている存在がいます。』


カイが尋ねる。


「誰なんだ?」


観測者の声が震える。


『あなたたちが生まれる前から、あなたたちを知っている存在です。』


通信が切れる。


悠真たちは前方を見る。


そこには――。


無限に広がる世界への門。


その中央に、巨大な文字が浮かんでいた。


『第∞世界』


悠真は静かに言った。


「……行こう。」


きずなの船は、無限の世界へ向かって進み始めた。

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