↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
姉妹レンタル  作者: なんなん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
171/417

物語世界

きずなの船は、未来環の外側へ向かって進んでいた。


目の前に現れたのは――。


巨大な本。


宇宙空間に浮かぶ、一冊の本だった。


表紙には大きく、


『物語世界』


と書かれている。


ノノが驚く。


「本が世界なの?」


ハジメが頷く。


「たぶん、ここが『観測者』のいる場所。」


---


■ 本の中へ


きずなの船が本の表紙に触れる。


すると――。


パラッ。


ページが開いた。


その瞬間、船ごと本の中へ吸い込まれていく。


「わあああ!」


ノノの声が響く。


そして――。


ドン!


船が着地した。


---


■ 文字でできた世界


外へ出ると、そこには不思議な景色が広がっていた。


山も。


川も。


街も。


全部が文字でできている。


空には文章が流れている。


道路には文字が並んでいる。


木には――。


「木」という文字がたくさん書かれている。


ノノが笑う。


「変なの!」


---


■ 自分たちの物語


突然、空から巨大なページが落ちてくる。


そこには――。


悠真たちの名前が書かれていた。


『悠真』


『ノノ』


『カナタ』


『ヒカリ』


『ソラ』


『トキ』


『トワ』


『ハジメ』


『ミライ』


そして――。


これまでの旅が、すべて文章になっている。


---


■ ノノが読む


ノノがページをめくる。


そこには――。


「最初の冒険……。」


「アオゾラ世界……。」


「第−100世界……。」


「時の王……。」


「はじまりの世界……。」


ノノが目を丸くする。


「全部書いてある!」


カナタが言う。


「誰かが、ずっと僕たちを見ていたのか?」


---


■ 観測者


そのとき――。


ページの上に人影が現れた。


白い服を着た人物。


顔は見えない。


その人物は言う。


「そうです。」


悠真が尋ねる。


「あなたが観測者?」


「はい。」


---


■ 観測者の仕事


観測者は説明する。


「私は世界を観測し、記録する存在です。」


「世界が生まれる。」


「人が出会う。」


「冒険が始まる。」


「そして、物語になる。」


ノノが聞く。


「じゃあ、私たちの物語も?」


「はい。」


---


■ 書かれた未来


悠真はページを見る。


そこには、まだ起きていない出来事まで書かれていた。


『悠真たちは、次に○○へ向かう。』


ノノが驚く。


「これ……未来まで書いてある!」


ミライもページを見る。


「私の未来も……。」


トワが眉をひそめる。


「なら、未来は決まっているということですか?」


観測者は答える。


「いいえ。」


---


■ 本に書かれていないもの


観測者がページを閉じる。


「ここに書かれているのは、可能性です。」


「実際に何が起こるかは――。」


「あなたたちが決めます。」


悠真が少し安心する。


「じゃあ、自由なんだ。」


---


■ しかし問題が


観測者は続ける。


「ただし、一つ問題があります。」


「この世界の外側には――。」


「物語を終わらせようとしている存在がいます。」


カナタが尋ねる。


「また敵?」


観測者は頷く。


「名前はありません。」


「ただ、目的だけがあります。」


---


■ 物語の終わり


観測者が一冊の黒い本を取り出す。


表紙には――。


『完』


と書かれている。


「これを開かれると、物語は終わります。」


悠真が聞く。


「終わったら、どうなる?」


「世界は消えません。」


「ただ――。」


観測者は答える。


「未来が一切生まれなくなります。」


---


■ 終わらない物語


ノノが言う。


「それなら、絶対に開かせちゃダメ!」


観測者が頷く。


「その通り。」


「だから、あなたたちをここへ呼びました。」


悠真が驚く。


「僕たちを?」


「はい。」


---


■ なぜ悠真たちなのか


観測者は言う。


「あなたたちは、これまで何度も決められた未来を変えてきた。」


「時間を止める世界。」


「未来迷路。」


「可能性世界。」


「そして――。」


「『無』。」


「どんな場所でも、あなたたちは新しい道を作った。」


---


■ 黒い本


突然――。


世界が揺れた。


遠くの空が黒く染まる。


巨大な黒い本が開く。


ページから黒い文字が飛び出す。


『完』


『完』


『完』


無数の文字が世界を覆っていく。


---


■ 物語を終わらせる力


文字に触れた場所から、世界が止まっていく。


街。


山。


川。


空。


すべてが「完」の文字に包まれる。


ミライが叫ぶ。


「未来が消えていく!」


トキが時間の力を使う。


「止める!」


しかし、文字は時間の外側にある。


トワも力を使う。


それでも止まらない。


---


■ 悠真の作戦


悠真は考える。


「この世界では、文字が力を持っている。」


カナタが言う。


「だったら、別の文字を書けばいい。」


ノノが目を輝かせる。


「新しい物語を書くの?」


悠真が頷く。


「そう。」


---


■ 新しい一文字


ハジメが白い光を集める。


悠真がその光に手を伸ばす。


そして――。


空中に一文字を書く。


『続』


その文字が輝く。


黒い「完」の文字が、一つ消える。


---


■ 仲間たちも


ノノが続く。


『笑』


カナタ。


『友』


ヒカリ。


『夢』


ソラ。


『旅』


トキ。


『時』


トワ。


『守』


ハジメ。


『始』


ミライ。


『未』


無数の文字が空へ舞い上がる。


---


■ 世界が変わる


「完」の文字が次々と消えていく。


その代わり――。


新しい文章が生まれる。


『まだ終わっていない。』


『次のページへ進む。』


『新しい未来を選ぶ。』


世界が再び動き始める。


---


■ 黒い本の正体


黒い本が閉じる。


そして、その表紙から――。


一人の人物が現れた。


観測者と同じ姿。


しかし服は黒い。


観測者が言う。


「彼は――。」


「終幕者。」


終幕者は悠真たちを見る。


「物語は、終わるべきだ。」


悠真が答える。


「終わる物語もある。」


「でも――。」


「終わりを決めるのは、君じゃない。」


---


■ 終幕者の迷い


終幕者は黙る。


ノノが尋ねる。


「どうして終わらせたいの?」


終幕者は答える。


「物語が続けば、必ず悲しいことが起こる。」


「失敗も。」


「別れも。」


「苦しい未来も。」


「だから、何も起こらない『完』が一番いい。」


---


■ 悠真の答え


悠真は言う。


「確かに、悲しいことはある。」


「でも、楽しいこともある。」


「新しい出会いもある。」


「やり直すこともできる。」


「だから――。」


「最初から全部終わらせる必要なんてない。」


終幕者は悠真を見る。


---


■ 「続」の力


悠真が書いた一文字。


『続』


が、終幕者の黒い本へ飛んでいく。


黒い本の表紙が白く変わる。


そこに新しい文字が浮かぶ。


『次』


終幕者は驚く。


「私の本が……。」


観測者が笑う。


「あなた自身が、新しいページを選んだのです。」


---


■ 終幕者の名前


黒い服が白く変わっていく。


終幕者は、自分の名前を思い出す。


「……カイ。」


「私の名前は、カイ。」


ノノが笑う。


「じゃあ、カイも仲間になれば?」


カイは驚く。


「私が?」


悠真が頷く。


「新しい物語を書くなら、仲間が多いほうが楽しいよ。」


カイは少し考えて――。


笑った。


「……そうだね。」


---


■ 新しいページ


観測者が巨大な本を開く。


最後のページ。


そこには何も書かれていない。


悠真が尋ねる。


「これは?」


観測者は答える。


「まだ誰も書いていない未来です。」


ノノが目を輝かせる。


「じゃあ、これから書けるんだ!」


観測者は頷く。


---


■ 旅はまだ続く


悠真たちは本の世界を後にする。


新しく仲間になったカイも船に乗り込んだ。


これで仲間はさらに増えた。


ハジメ。


トキ。


トワ。


ミライ。


カイ。


ノノが笑う。


「また大所帯になったね!」


カナタが苦笑する。


「船、ちゃんと入るかな?」


悠真が笑う。


「大丈夫。」


「きずなの船は、仲間が増えるほど広くなるから。」


---


■ 最後の一行


物語世界を離れる直前。


観測者が悠真に一枚の紙を渡す。


そこには、たった一行。


『本当の物語は、ここから始まる。』


悠真は紙を大切にしまう。


そして前を見る。


世界間回廊の先に――。


今まで見たことのない巨大な光が現れる。


カイが驚く。


「これは……。」


ハジメが答える。


「新しい世界が生まれている。」


その世界の名前は――。


『新生世界』


しかし、そこから届いた最初の通信は――。


『助けてください。』


さらに続く。


『この世界には、まだ誰も名前をつけていません。』


悠真は仲間たちを見る。


「じゃあ――。」


「最初の名前を、一緒に決めよう。」


きずなの船は、新しく生まれた世界へ向かって進んでいった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。