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姉妹レンタル  作者: なんなん


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未来の悠真

第−100・∞世界。


きずなの船は、無数の未来が重なった巨大都市へ入っていった。


同じ街なのに――。


道路の先には別の未来。


ビルの窓を覗けば、また別の未来。


空を見上げれば、さらに別の未来。


ノノが驚く。


「未来がいっぱい……。」


ミライは小さく頷いた。


「ここが、未来迷路の最深部。」


---


■ 中央塔


都市の中心には、巨大な塔がそびえていた。


塔の高さは、雲よりもはるか上。


その最上階に――。


一人の青年が立っていた。


悠真と同じ顔。


しかし、今の悠真より少し大人びている。


その人物は静かに振り返った。


「来たんだね。」


悠真が尋ねる。


「君は……未来の僕?」


青年は頷いた。


「そう。」


---


■ 未来の悠真の名前


青年は自分を、


「ユウ」


と名乗った。


「ここでは、みんなからユウと呼ばれている。」


カナタが尋ねる。


「どうして僕たちを呼んだ?」


ユウは答える。


「呼んだのは僕じゃない。」


「この世界そのものだ。」


---


■ 未来が集まった理由


ユウは巨大な窓を開く。


外には無数の未来。


ある未来では悠真たちが平和に暮らしている。


別の未来では、宇宙を旅している。


また別の未来では、姉妹レンタルが巨大な組織になっている。


さらに別の未来では――。


誰もいない。


ユウが言う。


「ここには、選ばれなかった未来が全部集まっている。」


---


■ 捨てられた未来


ノノが聞く。


「選ばれなかった未来って?」


「例えば――。」


ユウが一つの光を指差す。


「悠真が旅に出なかった未来。」


別の光。


「カナタと出会わなかった未来。」


さらに別の光。


「姉妹レンタルが存在しなかった未来。」


無数の未来が浮かぶ。


ノノが少し寂しそうに言う。


「こんなにたくさんあるんだ……。」


---


■ 消えない未来


悠真が尋ねる。


「選ばれなかった未来は、消えるんじゃないの?」


ユウは首を横に振る。


「消えない。」


「一度生まれた可能性は、完全には消えない。」


「だから、ここに集まっている。」


トワが呟く。


「なるほど……。」


---


■ 未来の問題


しかし、ユウの表情が曇る。


「問題は――。」


「未来が増えすぎたこと。」


未来同士がぶつかり始めている。


街の景色が何度も変わる。


道路が消えたり現れたりする。


建物の形まで変化する。


ミライが叫ぶ。


「このままだと、未来同士が混ざってしまう!」


---


■ 「最後の未来」


ユウが言う。


「そのために、一つだけ未来を残す必要がある。」


悠真が驚く。


「また未来を一つ選ぶの?」


「そう。」


「ここでは、どうしても避けられない。」


---


■ 三つの候補


ユウが三つの巨大な光を呼び出す。


一つ目。


『すべての世界を統合する未来』


二つ目。


『すべての世界を完全に分離する未来』


三つ目。


『すべての世界を自由につなぐ未来』


ノノが言う。


「また三つ……。」


---


■ ユウが選んだ未来


ユウは三つ目を見る。


「僕は、これを選ぼうとした。」


悠真が尋ねる。


「じゃあ、どうして選ばなかったの?」


ユウは黙る。


そして――。


「怖かったから。」


---


■ 未来を選ぶ怖さ


ユウは続ける。


「未来を一つ選ぶということは、他の未来を選ばないということ。」


「僕には、その責任が持てなかった。」


「だから、全部を残そうとした。」


カナタが気づく。


「その結果、未来迷路になった。」


ユウは頷く。


---


■ 悠真の答え


今の悠真は三つの未来を見る。


そして言った。


「僕なら、未来を一つにしない。」


ユウが驚く。


「でも、それじゃ世界が壊れる。」


「なら、未来を選ぶんじゃなくて――。」


悠真は世界間時計を取り出す。


「未来同士が共存できる仕組みを作る。」


---


■ 可能性の橋


ハジメが力を使う。


白い光が未来と未来の間に伸びていく。


トキが時間を安定させる。


トワが未来の流れを整理する。


カナタが世界間回廊をつなぐ。


ミライが未来迷路の道を案内する。


仲間たちが次々と力を合わせる。


---


■ ユウも加わる


ユウは少し迷ったあと――。


今の悠真の隣に立つ。


「僕も手伝う。」


悠真が笑う。


「ありがとう。」


二人の悠真が同時に時計へ手を置く。


すると――。


無数の未来が一本の巨大な輪になる。


---


■ 「未来環」


未来は消えなかった。


一つに統合もされなかった。


それぞれの未来が独立したまま――。


必要なときだけ互いにつながる。


ゼロスが年代記を見る。


ページに新しい言葉が刻まれる。


『未来環・成立』


---


■ ユウの未来


ユウは自分の未来を見る。


今まで存在しなかった未来。


そこには――。


きずなの船。


悠真たち。


そして、たくさんの仲間。


ユウが笑う。


「僕の未来も……まだ続いていたんだ。」


悠真が頷く。


「未来は、終わってみないと分からないからね。」


---


■ ミライの未来


ミライも自分の未来を見る。


そこには――。


世界間回廊を走る宇宙船。


操縦席にミライがいる。


隣にはトキ。


後ろにはノノたち。


ミライが驚く。


「私……船を操縦してる。」


ノノが笑う。


「似合ってるよ!」


---


■ ユウとの別れ


未来環が完成したことで、ユウの役目は終わった。


「僕はここに残る。」


悠真が聞く。


「いいの?」


ユウは頷く。


「誰かが未来を見守る必要がある。」


「それに――。」


ユウは笑う。


「僕の未来も、ここから始まるから。」


悠真も笑った。


「また会おう。」


---


■ 未来からの贈り物


ユウは悠真に、小さな時計を渡した。


普通の時計に見える。


でも文字盤には数字がない。


代わりに――。


『今』


という文字だけが刻まれている。


「これは?」


「未来を予測する時計じゃない。」


ユウは答える。


「今を大切にするための時計。」


---


■ 帰還


きずなの船が未来迷路を離れる。


ミライも正式に仲間として乗り込んだ。


ノノが新しい仲間たちを見る。


ハジメ。


トキ。


トワ。


ミライ。


「ずいぶん増えたね!」


カナタが笑う。


「最初は僕たちだけだったのに。」


悠真は窓の外を見る。


無数の世界。


無数の未来。


そして、そのすべてをつなぐ光の道。


---


■ 新たな異変


しかし――。


ゼロスの年代記が突然震えた。


バサバサバサッ!


ページが勝手にめくられる。


「これは……!」


最後のページに――。


今まで見たことのない文字が現れた。


『未来環の外側』


悠真が驚く。


「未来の外?」


トワが青ざめる。


「そんな場所は存在しないはずです。」


さらに文字が浮かぶ。


『観測者、接近中』


カナタが尋ねる。


「観測者?」


その瞬間。


船の正面に――。


巨大な目が開いた。


しかし、今までの『無』とは違う。


その目は、こちらを攻撃していない。


ただ――。


じっと見ている。


そして通信機から声が届く。


『ようやく、ここまで来ましたね。』


悠真が身構える。


「誰だ!」


声は静かに答えた。


『私は、あなたたちの物語を最初から見ていた者です。』


ノノが驚く。


「最初から……?」


声が続く。


『次は、あなたたち自身の「物語」が試されます。』


通信が切れる。


悠真たちは顔を見合わせた。


そして世界間時計に、新しい目的地が表示される。


『物語世界』


悠真は時計を握る。


「行こう。」


きずなの船は、まだ誰も見たことのない世界へ向けて進み始めた。

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