↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
姉妹レンタル  作者: なんなん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
164/417

2010年の地球

第∞世界・宇宙港。


きずなの船は、転移ゲートの前で停止していた。


目的地は――。


地球・2010年。


ノノが地球の映像を見る。


「普通の星に見えるね。」


ゼロスが年代記を確認する。


「この時代の地球には、世界間移動の技術は存在しません。」


カナタが首をかしげる。


「なのに、未来から救難信号が届いた。」


悠真が頷く。


「そこが問題だね。」


---


■ 2010年へ


転移ゲートが開く。


きずなの船が光の中へ入る。


次の瞬間――。


青い空。


白い雲。


広い海。


そして街並み。


巨大な宇宙都市ではない。


魔法の建物もない。


普通の道路。


普通の車。


普通の家。


ノノが驚く。


「本当に地球だ……。」


---


■ 不思議な通信


船の通信機が鳴る。


ピッ、ピッ。


画面に文字が表示された。


『こちらです。』


場所は、とある小さな町。


悠真たちは船を隠し、町へ向かう。


しかし――。


誰もこちらを気にしていない。


当然だ。


この時代の人々にとって、異世界から来た船など存在するはずがない。


---


■ 公園の少年


指定された公園へ行く。


そこには一人の少年がいた。


ベンチに座って、古い携帯電話を持っている。


少年は悠真を見る。


そして――。


驚いた顔をした。


「来てくれたんだ。」


悠真が尋ねる。


「君が救難信号を送ったの?」


少年は頷く。


「うん。」


---


■ 少年の名前


少年は名乗った。


「僕はレン。」


ノノが尋ねる。


「どうして未来からの救難信号を送れたの?」


レンは携帯電話を見せる。


「これのおかげ。」


しかし、普通の携帯電話にしか見えない。


ゼロスが調べる。


「……違います。」


「この内部には、未来の技術が組み込まれています。」


---


■ 未来から来た携帯電話


レンは説明する。


「この携帯電話は、僕のおじいちゃんが残してくれた。」


「でも、おじいちゃんは――。」


そこで言葉を止める。


悠真が聞く。


「どうしたの?」


レンは答える。


「未来では、この町が消えるんだ。」


---


■ 消える町


レンの話によると――。


2010年から数十年後。


この町には大きな変化が起こる。


突然、人々の記録が消える。


写真。


住所。


学校の記録。


地図。


町の名前。


すべてが少しずつ失われ――。


最後には、町そのものが「存在しなかったこと」になってしまう。


ノノが驚く。


「アオゾラ世界と似てる……。」


カナタが頷く。


「名前を失う現象だ。」


---


■ 原因を探す


悠真たちは町を調べる。


しかし、2010年の町には異常がない。


神殿もない。


魔法装置もない。


世界を消す機械もない。


ノノが困る。


「何も見つからないよ。」


そのとき、ソラが空を見上げる。


「……あれ。」


---


■ 空に浮かぶ小さな光


青空に、小さな光が浮かんでいる。


星のように見える。


でも、昼間なのに消えない。


ゼロスが観測する。


「これは……。」


「世界間の信号です。」


悠真が驚く。


「2010年の地球から、別の世界へ信号が出ている?」


---


■ 地下施設


信号を追って町の地下へ向かう。


そこには古い施設があった。


入口には看板。


『未来技術研究所』


レンが驚く。


「こんな場所、知らない。」


悠真が言う。


「まだ完成前だからだ。」


---


■ 研究所の記録


内部のコンピューターには、一つの記録が残っていた。


『世界間通信実験』


2010年。


この時代の科学者たちは、偶然にも別世界の存在を発見していた。


そして未来へ信号を送る実験を始めていた。


しかし――。


実験は失敗。


世界の境界に小さな穴を開けてしまった。


---


■ 境界の穴


穴は時間とともに大きくなっていた。


そこから流れ込むのは――。


物質ではない。


「存在を消す力」


だった。


それが町の記録を少しずつ消していた。


悠真が言う。


「このまま放っておけば、町そのものが消える。」


レンが聞く。


「どうすればいい?」


---


■ 未来からのヒント


レンは携帯電話の裏側を開く。


中には、小さな紙が入っていた。


そこには未来の文字で――。


『穴を閉じるには、最初に開いた人の名前が必要。』


と書かれていた。


ノノが首をかしげる。


「最初に開いた人?」


ゼロスが記録を検索する。


そして――。


一人の研究者の名前を見つけた。


---


■ 研究者の名前


『高橋ユウジ』


レンが驚く。


「その名前……。」


「僕のおじいちゃんと同じだ。」


悠真が聞く。


「おじいちゃんの名前は?」


レンは答える。


「高橋ユウジ。」


---


■ 未来のレン


全員が顔を見合わせる。


レンのおじいちゃんが、この世界間通信実験の中心人物だった。


そして未来で――。


町を救おうとしていた。


しかし、途中で亡くなり、研究は途絶えた。


レンは祖父の残した携帯電話から救難信号を送ったのだった。


---


■ もう一つのメッセージ


携帯電話が突然光る。


画面に、新しい文字が表示された。


『レンへ。』


レンが息をのむ。


「おじいちゃん……?」


続いて文章が表示される。


『もし、このメッセージを見ているなら――。』


『未来を変えるのは、未来の人間だけではない。』


レンの目に涙が浮かぶ。


---


■ 2010年の選択


悠真は研究所の装置を見る。


「この時代で穴を閉じれば、未来も変わる。」


カナタが言う。


「でも、未来を変えすぎれば、レンの未来そのものも変わるかもしれない。」


悠真は考える。


「……それでも。」


レンを見る。


「目の前で困っている人を助ける。」


「それが僕たちのやり方だ。」


---


■ 装置を起動


研究所の装置を起動する。


しかし――。


警告音が鳴る。


『世界境界・崩壊開始』


カナタが叫ぶ。


「まずい!」


地下施設全体が揺れる。


ノノが叫ぶ。


「どうするの!?」


ゼロスが答える。


「装置を止めるには、誰かが境界側へ行く必要があります!」


---


■ レンの決意


レンが前へ出る。


「僕が行く。」


悠真が止める。


「危険だよ。」


レンは首を横に振る。


「僕のおじいちゃんが始めたことなら――。」


「僕が最後まで見届けたい。」


悠真はしばらくレンを見る。


そして――。


「分かった。」


「でも、一人では行かない。」


---


■ みんなで閉じる


悠真。


ノノ。


カナタ。


ヒカリ。


ソラ。


アシタ。


そしてレン。


全員で装置を操作する。


境界の穴が少しずつ小さくなる。


しかし最後の一瞬――。


巨大な光が噴き出した。


その光の中に、人影が現れる。


---


■ 未来から来た人物


「レン。」


レンが振り返る。


そこにいたのは――。


年老いた男性。


レンが息をのむ。


「おじいちゃん……?」


男性は笑う。


「大きくなったな。」


しかし、悠真たちは気づいていた。


この人物は――。


未来から来た高橋ユウジ本人だった。


---


■ 最後の言葉


ユウジは悠真を見る。


「ありがとう。」


「私一人では、この問題を解決できなかった。」


悠真が尋ねる。


「あなたは、どうして過去へ?」


ユウジは答える。


「レンに伝えるためだ。」


そしてレンを見る。


「未来は、決まっていない。」


「だから――。」


「自分の未来を、自分で選びなさい。」


---


■ 境界が閉じる


光が消えていく。


ユウジの姿も薄くなる。


レンが叫ぶ。


「おじいちゃん!」


ユウジは最後に笑った。


「ありがとう。」


そして――。


境界の穴が完全に閉じた。


---


■ 町の未来


翌朝。


町は何も変わっていなかった。


人々もいる。


写真もある。


地図にも町の名前が残っている。


そしてレンの携帯電話には――。


新しいメッセージが一つ。


『未来は、これから作るものだ。』


レンは空を見上げる。


「うん。」


---


■ 旅立ち


悠真たちはきずなの船へ戻る。


レンが手を振る。


「ありがとう!」


ノノも手を振る。


「元気でね!」


船が空へ上昇する。


2010年の地球が小さくなっていく。


カナタが悠真に尋ねる。


「次はどこへ行く?」


悠真は世界間時計を見る。


そこには――。


新しい世界が表示されていた。


『第∞+2世界』


しかし、その世界から届いているメッセージは――。


『助けを求めています。』


そして、もう一行。


『この世界には、時間がありません。』


悠真は時計を見つめた。


「時間がない世界……?」


ノノが笑う。


「じゃあ、急いで行かなきゃ!」


きずなの船は、新たな世界へ向けて加速した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。