∞支部の謎
第∞世界。
きずなの船は、巨大な宇宙都市へ近づいていた。
都市の大きさは、これまで見たどの街よりも巨大だった。
空には無数の宇宙船。
道路には空中を走る乗り物。
高層ビルの間には、透明なチューブ状の通路。
そして――。
都市の中心に、巨大な看板が輝いている。
『姉妹レンタル・∞支部』
ノノは目を丸くした。
「本当に姉妹レンタルだ!」
リナが看板を見上げる。
「私たちが知らない支部があるって、どういうこと?」
悠真も首をかしげる。
「僕たちが作った覚えはないんだけど……。」
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■ ∞支部へ
きずなの船を宇宙港に停め、一行は∞支部へ向かった。
自動ドアが開く。
中は広々とした受付ホール。
壁には――。
これまで訪れた世界の地図が飾られている。
ミナト。
アオゾラ世界。
第−7世界。
原世界。
そして、まだ行ったことのない世界まで。
ノノが驚く。
「全部知ってるの?」
受付にいた女性が笑う。
「もちろんです。」
「ここは、すべての世界の姉妹レンタルを統括する支部です。」
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■ ∞支部の受付嬢
女性は名札を見せる。
そこには、
『カナエ』
と書かれていた。
カナタが反応する。
「カナエ……?」
カナエはカナタを見る。
「あなたがカナタですね。」
「ずっと待っていました。」
カナタが驚く。
「僕を?」
カナエは頷いた。
「はい。」
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■ ∞支部の秘密
カナエは一行を奥の部屋へ案内する。
そこには巨大な球体が浮かんでいた。
球体の中には――。
無数の世界。
カナタが驚く。
「これは……世界の地図?」
「はい。」
カナエが答える。
「ただし、普通の地図ではありません。」
球体の一部分が拡大される。
そこには――。
一つの世界から、無数の可能性が枝分かれしている。
「これは『可能性世界』です。」
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■ 無限に分かれる未来
アシタが興味深そうに見る。
「一つの選択から、未来が何通りにも分かれている。」
カナエが頷く。
「第∞世界では、未来そのものが世界になります。」
悠真が驚く。
「じゃあ、僕たちが違う選択をしていたら――。」
「別の世界が生まれていたかもしれません。」
ノノが考え込む。
「じゃあ、世界って……無限にあるの?」
カナエは笑った。
「はい。」
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■ ∞支部の本当の仕事
カナエは説明する。
「私たちの仕事は、可能性世界同士が衝突しないようにすること。」
「もし、同じ人物の異なる未来が出会えば――。」
カナタが尋ねる。
「何が起こる?」
カナエは少し困った顔をした。
「未来が混ざります。」
「すると、どちらの未来も成立しなくなる。」
悠真が呟く。
「未来そのものが壊れる……。」
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■ そのとき
警報が鳴った。
ビーッ! ビーッ!
赤い光が点滅する。
カナエが振り返る。
「そんな……。」
画面を見る。
そこに表示されていたのは――。
『可能性世界・衝突発生』
そして場所は――。
第0世界。
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■ もう一人のノノ
画面に映像が表示される。
第0世界の街。
そこに――。
ノノがいる。
しかし、こちらのノノとは少し違う。
服装も違う。
髪型も違う。
そして、その隣には――。
もう一人の悠真。
ノノが目を丸くする。
「私……?」
カナタが悠真を見る。
「また僕たちと同じ顔か。」
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■ 別の未来
カナエが説明する。
「可能性世界の一つで、あなたたちが別の選択をした未来です。」
悠真が映像を見る。
そこでは、もう一人の悠真とノノが――。
世界を旅していた。
しかし、こちらの悠真たちとは違う。
その世界では、姉妹レンタルが――。
宇宙最大の企業になっていた。
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■ 未来の姉妹レンタル
映像が切り替わる。
巨大な宇宙都市。
何千もの支店。
無数の宇宙船。
そして都市の中央には――。
巨大な姉妹レンタル本社。
ノノが目を輝かせる。
「すごい……。」
リナが苦笑する。
「ずいぶん大きくなってるわね。」
カナエが言う。
「でも、問題があります。」
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■ その未来では
映像の中の悠真は、笑っていなかった。
巨大な机の前で、一人で書類を見ている。
周囲には大量の仕事。
ノノも忙しそうに走り回っている。
二人とも――。
誰かと話す時間がない。
カナタが気づく。
「成功したけど……。」
悠真が頷く。
「一番大切なものを失ってる。」
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■ 衝突する二つの未来
カナエが言う。
「この可能性世界が、こちらの世界と接触しています。」
「もし完全に重なれば――。」
「二つの未来が混ざります。」
悠真は決断する。
「止めよう。」
カナタも頷く。
「僕も行く。」
ノノが手を上げる。
「私も!」
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■ 第0世界へ
∞支部から、巨大な転移ゲートが開く。
悠真たちはゲートへ入る。
その先に――。
もう一つの第0世界があった。
街並みはよく似ている。
しかし、すべてが巨大だった。
ビル。
交通網。
姉妹レンタル。
何もかもが発展している。
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■ もう一人の悠真
巨大な本社ビルの最上階。
そこに――。
もう一人の悠真がいた。
こちらの悠真を見ると、驚く。
「……僕?」
悠真も驚く。
「君が……僕の別の未来?」
もう一人の悠真は頷く。
「そう。」
「僕は、別の選択をした君だ。」
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■ 二人のノノ
そして――。
もう一人のノノも現れる。
こちらのノノと顔を合わせる。
「……私?」
「……私だね。」
二人はしばらく見つめ合う。
そして――。
同時に笑った。
「なんか変な感じ!」
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■ 違う未来
もう一人の悠真は言う。
「僕は、世界をもっと便利にしたかった。」
「姉妹レンタルを大きくして、どんな人でも助けられるようにした。」
「でも、気づいたら――。」
窓の外を見る。
「規模を大きくすることばかり考えていた。」
もう一人のノノが静かに言う。
「みんなを助けるはずだったのに、いつの間にか『数字』を助けてた。」
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■ 悠真の答え
こちらの悠真は言う。
「じゃあ、まだ間に合う。」
もう一人の悠真が驚く。
「え?」
「未来は決まってない。」
アシタが頷く。
「未来は、今の選択で変わる。」
ヒカリも言う。
「失敗したなら、そこからやり直せばいい。」
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■ 可能性世界の消滅
しかし――。
空が揺れる。
二つの世界が急速に重なり始める。
カナエから通信が入る。
「時間がありません!」
「二つの世界を分離させる必要があります!」
悠真が叫ぶ。
「どうすればいい?」
カナエは答える。
「片方の世界が『自分とは違う未来』だと認めればいい。」
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■ もう一人の悠真の選択
もう一人の悠真は、こちらの悠真を見る。
「つまり――。」
「僕が、この未来を手放せばいいんだね。」
こちらの悠真は首を横に振る。
「違う。」
「手放すんじゃない。」
「そこから学んで、次へ進めばいい。」
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■ 未来が分かれる
二人の悠真が手を合わせる。
すると――。
二つの世界の間に光が生まれた。
世界がゆっくり分離していく。
もう一人のノノが叫ぶ。
「またね!」
こちらのノノも手を振る。
「またね!」
二つの世界は、それぞれの道へ戻っていった。
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■ ∞支部へ帰還
∞支部へ戻る。
カナエが笑顔で迎える。
「成功です。」
悠真はほっとする。
「よかった。」
カナエは言う。
「あなたたちは、未来を変えたのではありません。」
「未来を選び直したのです。」
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■ 新しい依頼
しかし、カナエの端末に新しい警報が表示された。
今度は――。
『可能性世界・大量発生』
カナエの顔が青ざめる。
「これは……。」
ゼロスが画面を見る。
そこには――。
無数の世界。
そして、その中心に――。
一つの巨大な数字。
∞ + 1
悠真が呟く。
「∞の先に……まだ世界がある?」
カナタが笑う。
「どうやら、そうらしい。」
ノノが目を輝かせる。
「じゃあ、次はそこへ行こう!」
悠真たちは、新たな航路を見つめる。
その名は――。
『第∞+1世界』
しかし、その世界から届いた依頼は、今までで一番奇妙なものだった。
『私たちの未来を、一つだけ選んでください。』
悠真は依頼書を見つめる。
「未来を……一つだけ?」
アシタが静かに答える。
「これは、今までとは違う冒険になりそうだね。」
きずなの船が、新しい世界へ向けて動き始めた。




