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未来の敵

物語の外側・第二層。


白い人物が見つめていた一冊の本。


その表紙には――。


『第−6世界』


と書かれている。


ページに描かれていたのは、巨大な城。


その玉座には、五人の人物が座っていた。


姿は悠真たちにそっくり。


しかし、ページの上には――。


『未来の敵』


という文字が浮かんでいた。



---


きずなの船へ


一方、アクア世界。


悠真たちは新しくできた港にいた。


アオが手を振る。


「また来てね!」


ノノが大きく手を振り返す。


「もちろん!」


きずなの船が出発する。


目的地は――第−6世界。


ゼロスが銀河年代記を調べる。


「この世界について、記録がほとんどない。」


カナタが尋ねる。


「何か分かっていることは?」


ゼロスは一言だけ答えた。


「未来から来た世界だ。」



---


未来から来た世界


悠真が振り返る。


「未来?」


「正確には、現在の時間軸より先に存在している。」


「つまり――。」


ゼロスは続ける。


「私たちより先に、未来を経験している世界だ。」


ミライが首をかしげる。


「じゃあ、そこには未来の私たちもいるの?」


「可能性はある。」



---


第−6世界


船が扉をくぐる。


そこに広がっていたのは――。


巨大な都市だった。


空には無数の空中道路。


建物は雲より高い。


世界中を結ぶ巨大な光の橋。


そして中央には、巨大な城。


悠真が驚く。


「すごい……。」


しかし、街には人がほとんどいない。



---


五人の支配者


城へ近づくと、五人の人物が現れた。


その姿を見て、全員が驚いた。


一人目――。


悠真によく似た少年。


二人目――。


リナに似た少女。


三人目――。


ノノに似た少女。


四人目――。


ミライに似た少女。


五人目――。


ユイに似た少女。



---


「未来の私たち?」


ノノが驚く。


「私たちにそっくり!」


似た姿のノノが答える。


「私たちは、あなたたち本人ではありません。」


悠真が尋ねる。


「じゃあ、何者?」


中央に立つ悠真に似た少年が答えた。


「私たちは、あなたたちの『別の選択』から生まれた存在です。」



---


別の未来


少年の名は――カイ。


カイは説明した。


「この世界では、過去に大きな戦いがありました。」


「世界を守るために、私たちは一つの決断をした。」


リナに似た少女が続ける。


「すべての世界を、一つにまとめたのです。」


悠真が驚く。


「全部を一つに?」


「そう。」



---


一つになった世界


五人が作った世界では、争いはなくなった。


世界同士が戦うこともない。


国境もない。


世界橋も必要ない。


すべてが一つにつながっている。


一見すると――。


完璧な世界だった。


しかし。


悠真が街を見る。


「なのに、どうしてこんなに静かなの?」


カイは答えなかった。



---


消えた選択肢


ミライが気づく。


「この世界には……。」


「『もし別の道を選んだら』っていう可能性がない。」


カイが頷く。


「その通りです。」


「私たちは、争いをなくすために――。」


「可能性そのものを減らしました。」



---


悠真の反応


悠真は首を振る。


「それじゃ、平和とは違う。」


カイが見る。


「なぜ?」


「自分で選ぶことができないなら――。」


「それは平和じゃなくて、決められた未来だよ。」


五人は黙った。



---


五人が敵になった理由


カイが言う。


「だから、あなたたちがここへ来るのを待っていた。」


悠真が驚く。


「待っていた?」


「この世界には、未来を変える力が残っていない。」


「でも、あなたたちは違う。」


「あなたたちは、まだ無限の可能性を持っている。」



---


奪うつもり?


ノノが警戒する。


「まさか、私たちの可能性を奪うの?」


カイは首を振る。


「最初は、そのつもりでした。」


「でも――。」


カイは自分の仲間を見る。


「今は迷っています。」



---


五人の本当の願い


リナに似た少女が話す。


「私たちも、最初は自由でした。」


「でも、世界を守りたかった。」


ノノに似た少女が続ける。


「誰も傷つかないようにしたかった。」


ミライに似た少女。


「誰も悲しまないように。」


ユイに似た少女。


「誰も一人にならないように。」


カイが言う。


「だから、すべてを一つにした。」



---


ユイの言葉


ユイは五人を見る。


「でも、一人にならない世界を作るなら――。」


「選択を奪う必要はないよ。」


カイが黙る。


ユイは続ける。


「私の世界も、最初は何もなかった。」


「みんなで作った。」


「間違えることもある。」


「でも、だからこそ新しい道を見つけられる。」



---


五人の迷い


五人は顔を見合わせる。


そしてカイが言った。


「……私たちは、怖かったんです。」


悠真が聞く。


「何が?」


「未来が変わることが。」


「大切なものを失うことが。」


悠真は静かに答える。


「僕たちも怖いよ。」


「でも――。」


「怖いからって、未来を止めなくていい。」



---


第−6世界の変化


その瞬間。


城の上空にあった巨大な装置が停止した。


ウゥゥン……。


街のあちこちで、閉じていた扉が開く。


人々が外へ出てくる。


そして――。


初めて、自分で進む方向を選び始めた。


カイはその光景を見つめる。


「これが……自由。」



---


新しい選択


カイたちは玉座から降りた。


そして五人全員が悠真たちの前に立つ。


「私たちも、もう一度選びます。」


悠真が笑う。


「何を?」


カイは答えた。


「この世界を、みんなで作り直す。」



---


「未来の敵」ではなく


その瞬間。


物語の外側にある本の文字が変わった。


『未来の敵』


という文字が消える。


代わりに――。


『未来の仲間』


と書き換えられた。


白い人物が微笑む。


「未来は、変えられる。」



---


しかし最後に……


悠真たちが城を出ようとした時。


カイが一枚の地図を渡した。


「これを持っていってください。」


そこには、第−6世界よりさらに先の場所が記されている。


その名前は――。


『第−∞世界』


ゼロスが驚く。


「第−∞……?」


カイが頷く。


「私たちの世界より、さらに未来。」


「そこには――。」


一瞬、カイの表情が曇る。


「未来そのものを食べる存在がいる。」


悠真が地図を見る。


「未来を……食べる?」


カイは静かに答えた。


「そいつに名前はない。」


そして地図の最奥に――。


黒い空白が広がっていた。

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