物語の外側・第二層
巨大な本の中に現れた扉。
その扉には――。
『物語の外側・第二層』
と刻まれていた。
悠真たちはしばらく扉を見つめていた。
ノノが小声で言う。
「……外側の、さらに外側?」
ソウが光る。
「なんだか、すごくややこしくなってきたね。」
悠真も苦笑する。
「うん。でも、ここまで来たら行ってみよう。」
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第二層へ
悠真が扉を開ける。
すると――。
そこには、無数の机が並んでいた。
机の上には、それぞれ一冊ずつ本が置かれている。
『海の世界』
『空の世界』
『魔法の世界』
『機械の世界』
『動物たちの世界』
そして――。
『まだ名前のない世界』
ユイが驚く。
「ここは何?」
白い服の人物が答える。
「物語になる前の、アイデアが集まる場所です。」
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世界になる前
一冊の本が勝手に開く。
中には小さな絵が描かれていた。
そこには、空を飛ぶ魚。
次のページには、巨大な森。
さらに次には、星の海。
ノノが目を輝かせる。
「面白そう!」
人物が笑う。
「ここにあるものは、まだ世界ではありません。」
「誰かが『こんな世界があったらいいな』と思っただけのものです。」
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一冊の不思議な本
その中に――。
他とは違う本が一冊あった。
表紙は真っ白。
タイトルもない。
悠真が触れると、ページに文字が浮かぶ。
『あなたたちがまだ出会っていない人の物語』
悠真が驚く。
「まだ出会っていない人?」
ページをめくる。
そこには、知らない人物がたくさん描かれていた。
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未来の仲間たち
リナがページを覗き込む。
「この人……誰?」
ページには、青い髪の少女。
その隣には、機械の体を持つ少年。
さらに奥には、羽の生えた老人。
誰も、悠真たちは知らない。
白い人物が言う。
「彼らは、まだあなたたちの物語に登場していません。」
「でも、いつか出会う可能性があります。」
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一人の少女
その時。
本の中の青い髪の少女だけが――。
突然こちらを向いた。
そして、ページの向こうから話しかけてきた。
「こんにちは。」
全員が凍りつく。
ノノが驚く。
「本の中の人がしゃべった!」
少女は笑う。
「私にも聞こえています。」
悠真が尋ねる。
「君の名前は?」
少女は答えた。
「アオ。」
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アオの世界
アオは自分の世界について話した。
「私の世界は、全部が海なんです。」
「陸地が一つもありません。」
ソウが輝く。
「海の世界!」
「うん。」
アオは嬉しそうに笑う。
「でも、私は一人なんです。」
悠真が尋ねる。
「友達はいないの?」
アオは首を振る。
「まだ。」
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姉妹レンタルの依頼
アオが少し考えてから言った。
「ねえ。」
「あなたたちは、姉妹レンタルなんだよね?」
ノノが胸を張る。
「そう!」
アオは笑う。
「じゃあ、私も依頼していい?」
レンが受付表を取り出す。
「もちろんです。」
アオは依頼内容を伝えた。
『一緒に海を見てくれる人が欲しい。』
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しかし問題が……
レンが困った顔をする。
「でも……。」
「アオさんの世界は、まだ本の中です。」
「正式な世界になっていません。」
悠真が考える。
「だったら――。」
「世界にすればいい。」
白い人物が驚く。
「あなたは、本当にそういうことを言うんですね。」
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本から世界へ
悠真がページに手を置く。
リナ。
ノノ。
ソウ。
ユイ。
ミライ。
ユナ。
みんなも手を重ねる。
アオの世界に――。
最初の波が生まれた。
ザァァァ……。
そして海が広がる。
青い空。
輝く太陽。
無数の魚。
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海だけの世界
アオが嬉しそうに叫ぶ。
「私の世界!」
そこには、まだ陸地はない。
でも、一隻の船が浮かんでいた。
船の名前は――。
『きずなの船』
悠真が笑う。
「これなら、いつでも遊びに行けるね。」
アオも笑った。
「うん!」
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最初の友達
アオの世界に、最初の住人がやってきた。
ノノだった。
「じゃあ、私が最初の友達!」
アオは嬉しそうに頷く。
「ありがとう。」
二人は船の上から海を眺める。
それだけなのに――。
アオの世界に、初めて笑い声が響いた。
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新しい問題
ところが――。
突然、海が真っ暗になる。
ゴゴゴゴゴ……。
ソウが警戒する。
「何かいる!」
海の底から巨大な影が現れる。
アオが驚く。
「そんな……。」
「この世界には、まだ何もいないはずなのに!」
巨大な影が浮かび上がる。
それは――。
真っ黒な本を持った巨大なクジラ。
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本を食べるクジラ
クジラが口を開ける。
すると周囲に浮かんでいたページが、次々と吸い込まれていく。
白い人物が叫ぶ。
「まずい!」
「ページを食べています!」
悠真が驚く。
「ページを食べるって……。」
「つまり、世界の可能性を消しているんです!」
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クジラの目的
クジラの背中に、黒い文字が浮かぶ。
『物語を一つに戻せ。』
クロノが険しい顔になる。
「また同じ思想……。」
しかし、クロノは首を振る。
「いや。」
「これは私ではない。」
悠真がクジラを見る。
「じゃあ、誰が操ってる?」
その瞬間。
クジラの目が赤く光った。
そして――。
海の底から声が響いた。
「物語を作る者がいるなら、物語を終わらせる者も必要だ。」
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「終わりを作る者」
白い人物の表情が変わった。
「……そんな存在が。」
悠真が尋ねる。
「知ってるの?」
人物は静かに答える。
「名前だけは知っています。」
「彼の名は――。」
一瞬、空間全体が暗くなる。
そして、巨大な文字が浮かび上がった。
『エンド』
その瞬間、すべてのページが一斉に閉じ始めた。
悠真が叫ぶ。
「みんな、ページを守って!」
ノノがアオの手を握る。
「絶対に終わらせない!」
きずなの船が巨大なクジラへ向かって進む。
そして――。
新たな戦いが始まった。




