物語の外側
巨大な本――。
『すべての物語』
その中へ吸い込まれたきずなの船。
悠真たちが目を開けると、そこには今まで見たことのない場所が広がっていた。
空もない。
地面もない。
ただ、無数のページが宙に浮かんでいる。
一枚一枚のページには、世界の歴史が書かれていた。
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書かれている未来
ノノが一枚のページを拾う。
「これ……第−4世界だ!」
そこには、まだ起きていない出来事まで書かれていた。
ミライが別のページを見る。
「こっちは私たちの未来……。」
悠真が驚く。
「じゃあ、ここには全部の未来が書かれてるの?」
ユナが答える。
「いいえ。」
「ここにあるのは――。」
「可能性です。」
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白紙のページ
その時、悠真の目の前に一枚の真っ白なページが現れた。
何も書かれていない。
悠真が触れる。
すると、文字が一つだけ浮かび上がった。
『今日』
ノノが笑う。
「未来じゃなくて、今なんだ。」
悠真は頷く。
「つまり、このページにはまだ何も決まってない。」
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謎の声
突然、ページの向こうから声が響く。
「そうです。」
全員が振り向く。
そこには一人の人物が立っていた。
白い服。
手には一本のペン。
顔は――。
なぜか見ることができない。
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「作者」?
悠真が尋ねる。
「あなたが、この物語を書いているの?」
人物は答える。
「そうとも言えるし――。」
「違うとも言えます。」
リナが眉をひそめる。
「どういう意味?」
「私は物語を作る者ではありません。」
「可能性を記録する者です。」
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未来は決まっていない
人物は白いページを指差す。
「ここに何が書かれるかは、私にも分かりません。」
「なぜ?」
「登場人物自身が選ぶからです。」
悠真が驚く。
「僕たちが?」
「そう。」
「あなたたちが選択するたび、ページが変わります。」
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だから世界が増える
ユイが気づく。
「だから、無限に世界が生まれるんだ。」
人物が頷く。
「一つの選択から、一つの未来。」
「別の選択から、別の未来。」
「それが積み重なって、無数の世界になる。」
悠真はこれまでの旅を思い出す。
「じゃあ、全部の世界に意味がある。」
「その通りです。」
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黒いページ
しかし、その人物の後ろに――。
一冊だけ黒い本が浮かんでいた。
ゼロスが警戒する。
「それは?」
人物は答えない。
悠真が近づこうとすると――。
バンッ!
黒い本が閉じた。
そして低い声が響く。
「それ以上、知る必要はない。」
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クロノ再び
黒い本の影から現れたのは――。
以前戦ったクロノだった。
ノノが驚く。
「クロノ!」
クロノは以前とは違い、武器を持っていなかった。
「私はもう、歴史を固定しようとは思わない。」
悠真が尋ねる。
「じゃあ、何をしてるの?」
クロノは黒い本を見つめる。
「この本を守っている。」
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黒い本の正体
クロノが説明する。
「これは、消された歴史の記録。」
「誰かが存在しなかったことにされた世界。」
「誰にも知られず消えていった人々。」
「そのすべてが、この本に残っている。」
ユナが悲しそうに言う。
「つまり……。」
「忘れられた世界の記憶です。」
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悠真の決意
悠真は黒い本を見る。
「だったら、消されたままにしちゃいけない。」
クロノが尋ねる。
「どうする?」
悠真は答える。
「全部、もう一度記録する。」
「存在したことを。」
「そこで誰かが笑ったことを。」
「誰かと出会ったことを。」
「全部。」
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世界の記録
悠真たちが黒い本を開く。
すると――。
無数の光が飛び出した。
消えた世界。
忘れられた町。
もう誰も覚えていない出会い。
その一つ一つが、光になって浮かび上がる。
ノノが手を伸ばす。
「消えてない。」
「ちゃんと残ってたんだ。」
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最初の悠真
そして最後に――。
一つの光が現れた。
そこには、最初の悠真がいた。
一人で何もない世界に立っている。
その少年が最初に言った言葉。
「誰かと話したい。」
現在の悠真は微笑む。
「ここから始まったんだ。」
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最初の姉妹レンタル
最初の悠真の願いから、ユナが生まれる。
ユナが笑う。
そこから姉妹レンタルが始まる。
一人と一人が出会う。
二人が友達になる。
その友達が、また誰かと出会う。
そして世界が増えていく。
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作者の質問
白い服の人物が悠真に尋ねる。
「あなたは、物語の外側まで来ました。」
「そこで何を見ましたか?」
悠真は少し考える。
そして答えた。
「物語を作っているのは、一人じゃない。」
「出会った人。」
「助けてくれた人。」
「一緒に笑った人。」
「みんなで作ってる。」
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白い人物の正体
人物は初めて顔を見せた。
そこにあったのは――。
穏やかな笑顔。
「正解です。」
そして手に持っていたペンを悠真へ渡す。
「では、次のページを。」
悠真は驚く。
「僕が書くの?」
「いいえ。」
人物は笑う。
「みんなで書くのです。」
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新しいページ
真っ白な巨大なページが開く。
そこにはタイトルだけが浮かんだ。
『次の物語』
悠真。
リナ。
ノノ。
ソウ。
ユイ。
ミライ。
ユナ。
最初の悠真。
クロノ。
そして、これまで出会ったすべての仲間たち。
全員がページの前に集まる。
悠真が笑う。
「じゃあ、次は何が起きるかな?」
ノノが元気よく手を上げる。
「冒険!」
ソウも光る。
「新しい世界!」
ユイは笑う。
「新しい出会い!」
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そしてページに最初の文字が……
『その日――。』
文字がそこまで書かれた瞬間。
巨大なページが突然、激しく震えた。
ゴゴゴゴゴ……!
白い人物が驚く。
「これは……私にも予測できない。」
悠真が振り返る。
「何が起きてるの?」
ページの向こうから――。
巨大な扉が現れる。
その扉には、これまで一度も見たことのない文字が刻まれていた。
『物語の外側・第二層』
そして扉の向こうから、誰かの声。
「やっと来たね。」
悠真たちは顔を見合わせる。
物語の外側には――。
さらに、その外側が存在していた。




