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最初の悠真

第−4世界。


はじまり町の夜空に開いた巨大な扉。


その向こうには、見たこともない世界が広がっていた。


ゼロスは銀河年代記を何度も確認する。


「第−5世界……。」


「記録が存在しない。」


悠真が尋ねる。


「でも、黒い紙には『最初の悠真』って書いてあった。」


ゼロスは黙っていた。


やがて――。


「行けば分かる。」


悠真たちは、きずなの船に乗り込んだ。



---


第−5世界


扉を抜けた瞬間。


船が停止した。


そこには、青空も海もなかった。


広がっていたのは――。


真っ白な世界。


建物もない。


植物もない。


音さえない。


ただ、一人の少年が立っている。


悠真によく似ている。


ノノが驚く。


「悠真が……二人?」



---


最初の悠真


少年はゆっくり振り向く。


「……来たんだね。」


悠真が尋ねる。


「君が『最初の悠真』?」


少年は頷いた。


「そう。」


「僕の名前も、悠真。」


しかし、少し違う。


服も。


雰囲気も。


そして――。


彼の周囲には誰もいない。



---


一人で生まれた世界


最初の悠真は言った。


「僕は、この世界で最初に生まれた存在。」


「でも、誰もいなかった。」


「だからずっと、一人で世界を作っていた。」


足元に小さな草が生える。


さらに花。


そして川。


悠真は驚く。


「君が、この世界を作ったの?」


「うん。」



---


でも、作れなかったもの


最初の悠真は空を見上げる。


「何でも作れた。」


「山も。」


「海も。」


「星も。」


「だけど――。」


彼は寂しそうに笑う。


「友達だけは作れなかった。」


ノノが静かになる。



---


世界を作る力


最初の悠真には、世界を作る力があった。


しかし、その力には条件があった。


「自分以外の存在を作るには――。」


「誰かの『願い』が必要だった。」


ユイが尋ねる。


「だからずっと一人だったの?」


「うん。」


「僕には、誰かの願いを聞くことができなかったから。」



---


悠真の疑問


悠真は考える。


「じゃあ、どうして僕たちを呼んだの?」


最初の悠真は答えた。


「呼んだんじゃない。」


「ずっと待っていた。」


「いつか――。」


「誰かが、この世界を見つけてくれることを。」



---


姉妹レンタルの原点


すると、最初の悠真の後ろに古い建物が現れた。


看板には――。


『姉妹レンタル』


悠真が驚く。


「ここにもある!」


最初の悠真が笑う。


「僕が最初に作った。」


「誰かと誰かをつなぐ場所として。」


レンが言葉を失う。


「じゃあ……。」


「姉妹レンタルの始まりは、ここだったんですね。」



---


最初のお客様


最初の悠真は古い受付表を見せる。


一番最初の依頼。


そこには――。


依頼者:悠真


依頼内容:『一緒に話してくれる人が欲しい』


と書かれていた。


現在の悠真は驚く。


「自分自身が依頼者だったんだ……。」



---


最初の姉妹


その時。


古い受付所の扉が開いた。


中から一人の少女が出てくる。


「こんにちは。」


全員が振り返る。


少女は最初の悠真の隣に立った。


名前は――。


ユナ。


彼女が最初の姉妹レンタルのスタッフだった。



---


ユナの正体


ユナは笑う。


「私は、最初の悠真が作った存在じゃありません。」


悠真が尋ねる。


「じゃあ、どうやって?」


「最初の悠真が――。」


ユナは胸に手を当てる。


「『誰かと話したい』と願ったから、生まれたんです。」


みんなが驚く。



---


最初の願い


つまり――。


世界を作ったのは、力ではなかった。


最初の悠真の、


「誰かとつながりたい」


という小さな願い。


それが、最初の人を生み出した。


ユイが呟く。


「じゃあ、願いが世界を作るんだ。」


ユナは頷く。


「そうです。」



---


すべての始まり


最初の悠真は現在の悠真を見る。


「君がここまで来てくれて、本当に嬉しい。」


悠真が尋ねる。


「じゃあ、僕たちが今まで旅してきた世界は――。」


ユナが答える。


「全部、この最初の願いから始まったんです。」


ハジマリ。


ハジメテ。


ツナ。


ミライ。


無限世界。


すべてが一本につながっていく。



---


最初の悠真からのお願い


しかし、最初の悠真は突然真剣な顔になる。


「一つだけ、お願いがあります。」


悠真が聞く。


「何?」


「僕は、もう一人で世界を作りたくない。」


「だから――。」


最初の悠真は手を差し出す。


「この世界を、一緒に作ってくれない?」


悠真は迷わず、その手を握った。


「もちろん。」



---


新しい世界が生まれる


その瞬間。


真っ白だった第−5世界に――。


青い空が生まれた。


海が生まれた。


森が生まれた。


そして、遠くに小さな町が生まれる。


町の中心には――。


新しい姉妹レンタルの建物。


看板には、


『姉妹レンタル・原点支部』


と刻まれていた。



---


しかし……


世界が完成したと思った瞬間。


空に巨大な文字が浮かぶ。


『原点確認。』


『次の段階へ移行します。』


ゼロスが驚く。


「次の段階……?」


空が裂ける。


その向こうには、無数の世界ではなく――。


一冊の巨大な本。


表紙には、


『すべての物語』


と書かれている。


そして本がゆっくり開く。


最初のページには、一行だけ。


『この物語を書いたのは誰か?』


悠真たちは顔を見合わせる。


最初の悠真が呟いた。


「……僕たちじゃない。」


ユナが空を見上げる。


「では、誰が――?」


その瞬間、本の奥から声が響いた。


「その答えを知りたければ、物語の外へ来なさい。」


きずなの船が、巨大な本の中へ吸い込まれていく。

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