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消えた第-3世界

新しい世界「ミライ」。


その空から、きずなの船が飛び立った。


目的地は――。


消えた第−3世界。


悠真は操縦席から星図を見る。


「第−3世界の座標は?」


カナタが首を振る。


「ありません。」


「世界そのものが星図から消えています。」


ノノが驚く。


「じゃあ、どうやって探すの?」


ソウが光る。


「記録なら残ってるかも。」



---


最後の記録


ゼロスが管理していた銀河年代記。


その中から、第−3世界に関するページを探す。


しかし――。


ページが真っ白になっている。


リナが驚く。


「記録まで消されてる……。」


ユイが本を覗き込む。


「でも、完全には消えてないよ。」


ページの端に、小さな文字が残っていた。


『最初の図書館は、最初の光の裏側にある。』



---


最初の光の裏側


悠真が考える。


「最初の光……。」


ソウが答える。


「第−3世界に入る前に見た、あの光だよね。」


カナタが頷く。


「世界の中心にあった光です。」


ミライが言った。


「じゃあ、そこへ戻ればいいんじゃない?」


悠真は操縦桿を握る。


「よし。」


きずなの船は、最終世界へ向かった。



---


最初の光


最終世界に戻ると、以前見た巨大な光が浮かんでいた。


しかし――。


何かがおかしい。


光の半分が黒く染まっている。


ミナが解析する。


「外部から何者かが侵入した形跡があります。」


ユイが尋ねる。


「誰が?」


その時――。


カチッ。


光の中に小さな扉が現れた。



---


隠された扉


扉には文字が刻まれている。


『記録保管庫』


リナが驚く。


「こんな場所、知らなかった。」


悠真が扉を開ける。


中には――。


無数の記録が並んでいた。


世界の誕生。


世界の消滅。


新しい世界。


人々の出会い。


そして――。


姉妹レンタルの歴史。



---


改ざんされた記録


カナタが一冊の本を手に取る。


「ここです。」


ページを見ると、ところどころ黒く塗りつぶされている。


「誰かが歴史を書き換えています。」


悠真が尋ねる。


「何を消したの?」


カナタが読み上げる。


「第一世界が生まれる前の記録。」


「そして、第−3世界に住んでいた人々の記録。」


ユイが悲しそうに言う。


「じゃあ、みんなの存在そのものを消そうとしてるんだ……。」



---


一冊だけ無傷の本


その時、ソウが棚の奥を指差した。


「見て!」


そこには一冊だけ、黒い表紙の本があった。


タイトルは――。


『本当の始まり』


悠真が手に取る。


しかし、本を開こうとした瞬間。


バンッ!


本が勝手に閉じた。


そして、部屋中に声が響く。


「その本を開いてはいけない。」



---


姿を現した人物


黒い霧が集まり、一人の人物になる。


黒いローブ。


顔は影に隠れている。


悠真が尋ねる。


「お前が第−3世界を消したのか?」


人物は答えない。


「歴史を守るためだ。」


悠真が反論する。


「世界を消すことが、守ることなのか?」


人物は静かに言った。


「そうだ。」



---


歴史を固定する者


「世界は、自由に変化しすぎる。」


「人々が選択するたび、歴史は枝分かれする。」


「それでは、永遠に安定しない。」


リナが言う。


「だから全部、一つの歴史に戻すの?」


「その通り。」


ノノが怒る。


「そんなのつまらない!」


人物はノノを見る。


「つまらない?」


「未来が決まっているなら、誰も悲しまない。」



---


悠真の答え


悠真は静かに答えた。


「違う。」


「悲しまないんじゃない。」


「悲しいことが起きても――。」


「そこから別の道を探せるんだ。」


ユイも続く。


「私の世界だって、最初は何もなかった。」


「でも、みんなで作ったから今がある。」


ソウが強く輝く。


「可能性を消したら、新しい世界も生まれない!」



---


黒い人物の正体


人物がフードを取る。


そこにいたのは――。


ゼロス。


全員が凍りついた。


「ゼロス……?」


しかし、悠真は首を振る。


「違う。」


「この人はゼロスじゃない。」


人物は笑う。


「よく分かったな。」


そして――。


「私はゼロスの最初の弟子だ。」



---


名前は「クロノ」


「私の名はクロノ。」


「歴史を固定する者。」


「そして、第−3世界を消したのも私だ。」


ノノが叫ぶ。


「どうして!」


クロノは答える。


「ゼロスが間違っていたからだ。」


「彼は未来を信じすぎた。」


「だから私は――。」


黒い本を取り出す。


「歴史を一つに戻す。」



---


しかし、本当の目的は……


クロノが黒い本を開く。


すると、全世界の歴史が一本の線になる。


ハジマリ。


ハジメテ。


ツナ。


ミライ。


すべてが一つの歴史に吸い込まれていく。


しかし――。


その中から、ミオの声が聞こえた。


「私は、自分で未来を選びたい。」


続いて、世界中から声が響く。


「私も。」


「僕も。」


「私たちも!」


無数の声が黒い本を押し返していく。



---


歴史は一つじゃない


悠真が言う。


「クロノ。」


「歴史は一本じゃない。」


「みんなが選ぶたびに、新しいページが生まれる。」


「それが――。」


「僕たちの物語だ。」


黒い本に亀裂が入る。


ピシッ……!


クロノが驚く。


「そんな……。」



---


そして第−3世界が……


黒い本が砕けると――。


遠くの空間に、一つの光が現れた。


小さな町。


巨大な図書館。


そして――。


ゼロス。


「悠真!」


悠真が笑う。


「ゼロス!」


第−3世界は消えていなかった。


クロノが隠していただけだった。



---


クロノの最後の言葉


クロノは崩れた黒い本を見つめる。


「……私が間違っていたのか。」


悠真は答える。


「間違いなら、やり直せばいい。」


クロノが顔を上げる。


「やり直す……?」


「うん。」


「未来は、いつでも選び直せるから。」


クロノはしばらく黙った。


そして――。


小さく笑った。


「……それが、ゼロスの信じていた未来か。」



---


第−3世界の復活


第−3世界が完全に元へ戻る。


図書館も。


記録も。


そこに住んでいた人々も。


ゼロスが悠真たちを迎える。


「よくやった。」


悠真が笑う。


「これで一件落着?」


ゼロスは首を振った。


「いや。」


銀河年代記を開く。


新しいページが浮かび上がっていた。


そこには――。


『第−4世界』


という文字。


悠真が目を丸くする。


「……第−4?」


ゼロスは遠くを見る。


「どうやら、まだ知らない歴史が残っているらしい。」


そして本の奥から――。


誰かの声が聞こえた。


「第−4世界へようこそ。」


きずなの船の前に、また新しい扉が開いた。

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