最初のお客さん
最終世界にできたばかりの――。
姉妹レンタル・最終支部。
受付にはノノとソウが座っていた。
そして、目の前には一人の少女。
名前は――ミオ。
ミオは少し緊張しながら依頼書を書いていた。
「えっと……。」
ノノが笑顔で尋ねる。
「どんなお姉ちゃんが欲しいの?」
ミオはしばらく考えてから答えた。
「……一緒に星を見てくれるお姉ちゃん。」
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星を見るお姉ちゃん
ノノは依頼内容を確認する。
「それだけ?」
ミオは頷く。
「うん。」
「私の世界には星がないの。」
「だから、星がある世界に行ってみたい。」
ソウが光る。
「それなら、ぴったりの人がいるよ!」
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リナ登場
最初に紹介されたのは――リナ。
第一世界の管理者であり、姉妹レンタルの仲間だ。
リナはミオの前にしゃがんで笑った。
「こんにちは、ミオ。」
「一緒に星を見に行こうか?」
ミオの顔が明るくなる。
「うん!」
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星の世界へ
二人は世界橋を渡り、星空が美しい世界へ向かった。
そこは「星降りの丘」。
夜になると、空いっぱいに星が輝く場所だ。
ミオは空を見上げた。
「すごい……。」
リナも隣で星を見る。
「綺麗だね。」
しばらく二人とも何も話さなかった。
でも――。
その沈黙は、全然気まずくなかった。
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ミオの秘密
やがてミオが言った。
「私ね。」
「本当は、星が見たいだけじゃないの。」
リナが尋ねる。
「じゃあ、何をしたいの?」
ミオは空を見ながら答えた。
「誰かと一緒に、同じものを見てみたかった。」
「私の世界では、ずっと一人だったから。」
リナは微笑んだ。
「今日からは、一人じゃないよ。」
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依頼完了
帰る時間になった。
ミオは受付所へ戻る。
ノノが尋ねる。
「楽しかった?」
ミオは大きく頷いた。
「うん!」
そして依頼書に――。
『大成功』
と書いた。
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しかし、異変が……
その時。
最終世界の空が突然、赤く光った。
ゴォォォ……。
ソウが驚く。
「何これ?」
カナタが調べる。
「世界の外側から、巨大なエネルギー反応!」
悠真が窓の外を見る。
そこには――。
一つの巨大な時計が浮かんでいた。
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逆回転する時計
時計の針が――。
逆方向に回っている。
リナが顔を曇らせる。
「これは……第−2世界の時計と同じ。」
カナタが首を振る。
「いえ。」
「規模が違います。」
時計の大きさは、すでに一つの世界ほどになっていた。
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時間が戻っていく
時計が一周すると――。
最終世界から、一つの建物が消えた。
スッ……。
ミオが驚く。
「え?」
次に、道路が消える。
そして、昨日出会った人の記憶まで薄くなっていく。
悠真が叫ぶ。
「時間が逆戻りしてる!」
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最初のページまで
最後の管理者が現れる。
「これは危険です。」
「何が起きてるの?」
「最終世界そのものが――。」
「生まれる前の状態へ戻されています。」
ノノが青ざめる。
「じゃあ、最後には……。」
管理者は頷いた。
「何もなくなります。」
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しかし、ミオが……
その時、ミオが一歩前へ出た。
「待って。」
悠真が振り返る。
「どうしたの?」
ミオは胸元から、小さな星形の石を取り出した。
「これ……。」
「さっきリナお姉ちゃんと星を見たときにもらったの。」
石が淡く光っている。
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記憶は時間を超える
ソウが驚く。
「それ、記憶の光だ!」
ミナも解析する。
「過去へ戻る時間の影響を受けていません。」
リナがミオを見る。
「一緒に見た星の記憶が――。」
「時間から独立している。」
悠真が笑った。
「じゃあ、これを使えばいい。」
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みんなの記憶
悠真は世界連合へ通信を送る。
「みんな!」
「今まで出会った人との思い出を、一つだけ送って!」
世界中から光が届く。
初めて友達ができた記憶。
家族と笑った記憶。
初めて海を見た記憶。
誰かに助けてもらった記憶。
そして――。
姉妹レンタルで出会った記憶。
無数の光が最終世界へ集まってくる。
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時計が止まる
巨大な時計が震える。
カタ……。
カタ……。
そして――。
ピタッ。
完全に停止した。
最終世界に戻っていた建物や道路も、少しずつ元に戻っていく。
最後に、空へ星が一つ現れた。
ミオが見上げる。
「……私が見た星。」
リナが笑う。
「うん。」
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新しい名前
最終世界の住人たちは、その星を見て話し合った。
「この星に名前をつけよう。」
ミオが言った。
「じゃあ……。」
少し考えて――。
「『おもいで星』。」
みんなが賛成した。
その星は、世界中の記憶を守る星になった。
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そして、最後に
悠真が時計を見る。
時計の裏側に、新しい文字が浮かんでいた。
『次の世界――未定義』
カナタが驚く。
「未定義……?」
最後の管理者が微笑む。
「まだ存在していない世界です。」
「誰が作るの?」
悠真が尋ねる。
管理者は答えた。
「これから出会う誰かが。」
ノノが笑う。
「じゃあ、まだまだ冒険は続くね!」
ソウも輝く。
「うん!」
そして最終世界の受付所に――。
また一人、新しいお客さんが入ってきた。
「すみません。」
ノノが笑顔で顔を上げる。
「はい! 姉妹レンタルへようこそ!」




