↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
138/181

最初のお客さん

最終世界にできたばかりの――。


姉妹レンタル・最終支部。


受付にはノノとソウが座っていた。


そして、目の前には一人の少女。


名前は――ミオ。


ミオは少し緊張しながら依頼書を書いていた。


「えっと……。」


ノノが笑顔で尋ねる。


「どんなお姉ちゃんが欲しいの?」


ミオはしばらく考えてから答えた。


「……一緒に星を見てくれるお姉ちゃん。」



---


星を見るお姉ちゃん


ノノは依頼内容を確認する。


「それだけ?」


ミオは頷く。


「うん。」


「私の世界には星がないの。」


「だから、星がある世界に行ってみたい。」


ソウが光る。


「それなら、ぴったりの人がいるよ!」



---


リナ登場


最初に紹介されたのは――リナ。


第一世界の管理者であり、姉妹レンタルの仲間だ。


リナはミオの前にしゃがんで笑った。


「こんにちは、ミオ。」


「一緒に星を見に行こうか?」


ミオの顔が明るくなる。


「うん!」



---


星の世界へ


二人は世界橋を渡り、星空が美しい世界へ向かった。


そこは「星降りの丘」。


夜になると、空いっぱいに星が輝く場所だ。


ミオは空を見上げた。


「すごい……。」


リナも隣で星を見る。


「綺麗だね。」


しばらく二人とも何も話さなかった。


でも――。


その沈黙は、全然気まずくなかった。



---


ミオの秘密


やがてミオが言った。


「私ね。」


「本当は、星が見たいだけじゃないの。」


リナが尋ねる。


「じゃあ、何をしたいの?」


ミオは空を見ながら答えた。


「誰かと一緒に、同じものを見てみたかった。」


「私の世界では、ずっと一人だったから。」


リナは微笑んだ。


「今日からは、一人じゃないよ。」



---


依頼完了


帰る時間になった。


ミオは受付所へ戻る。


ノノが尋ねる。


「楽しかった?」


ミオは大きく頷いた。


「うん!」


そして依頼書に――。


『大成功』


と書いた。



---


しかし、異変が……


その時。


最終世界の空が突然、赤く光った。


ゴォォォ……。


ソウが驚く。


「何これ?」


カナタが調べる。


「世界の外側から、巨大なエネルギー反応!」


悠真が窓の外を見る。


そこには――。


一つの巨大な時計が浮かんでいた。



---


逆回転する時計


時計の針が――。


逆方向に回っている。


リナが顔を曇らせる。


「これは……第−2世界の時計と同じ。」


カナタが首を振る。


「いえ。」


「規模が違います。」


時計の大きさは、すでに一つの世界ほどになっていた。



---


時間が戻っていく


時計が一周すると――。


最終世界から、一つの建物が消えた。


スッ……。


ミオが驚く。


「え?」


次に、道路が消える。


そして、昨日出会った人の記憶まで薄くなっていく。


悠真が叫ぶ。


「時間が逆戻りしてる!」



---


最初のページまで


最後の管理者が現れる。


「これは危険です。」


「何が起きてるの?」


「最終世界そのものが――。」


「生まれる前の状態へ戻されています。」


ノノが青ざめる。


「じゃあ、最後には……。」


管理者は頷いた。


「何もなくなります。」



---


しかし、ミオが……


その時、ミオが一歩前へ出た。


「待って。」


悠真が振り返る。


「どうしたの?」


ミオは胸元から、小さな星形の石を取り出した。


「これ……。」


「さっきリナお姉ちゃんと星を見たときにもらったの。」


石が淡く光っている。



---


記憶は時間を超える


ソウが驚く。


「それ、記憶の光だ!」


ミナも解析する。


「過去へ戻る時間の影響を受けていません。」


リナがミオを見る。


「一緒に見た星の記憶が――。」


「時間から独立している。」


悠真が笑った。


「じゃあ、これを使えばいい。」



---


みんなの記憶


悠真は世界連合へ通信を送る。


「みんな!」


「今まで出会った人との思い出を、一つだけ送って!」


世界中から光が届く。


初めて友達ができた記憶。


家族と笑った記憶。


初めて海を見た記憶。


誰かに助けてもらった記憶。


そして――。


姉妹レンタルで出会った記憶。


無数の光が最終世界へ集まってくる。



---


時計が止まる


巨大な時計が震える。


カタ……。


カタ……。


そして――。


ピタッ。


完全に停止した。


最終世界に戻っていた建物や道路も、少しずつ元に戻っていく。


最後に、空へ星が一つ現れた。


ミオが見上げる。


「……私が見た星。」


リナが笑う。


「うん。」



---


新しい名前


最終世界の住人たちは、その星を見て話し合った。


「この星に名前をつけよう。」


ミオが言った。


「じゃあ……。」


少し考えて――。


「『おもいで星』。」


みんなが賛成した。


その星は、世界中の記憶を守る星になった。



---


そして、最後に


悠真が時計を見る。


時計の裏側に、新しい文字が浮かんでいた。


『次の世界――未定義』


カナタが驚く。


「未定義……?」


最後の管理者が微笑む。


「まだ存在していない世界です。」


「誰が作るの?」


悠真が尋ねる。


管理者は答えた。


「これから出会う誰かが。」


ノノが笑う。


「じゃあ、まだまだ冒険は続くね!」


ソウも輝く。


「うん!」


そして最終世界の受付所に――。


また一人、新しいお客さんが入ってきた。


「すみません。」


ノノが笑顔で顔を上げる。


「はい! 姉妹レンタルへようこそ!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。