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最終世界への扉

第∞世界の中心。


無限の世界をつないでいた巨大な時計の裏側に、ひっそりと存在していた扉。


その扉には――。


『最終世界』


と刻まれていた。


悠真は扉を見つめる。


「最終世界……。」


ミライが首をかしげる。


「本当に最後なのかな?」


最後の管理者が静かに答えた。


「そう呼ばれているだけです。」


「なぜなら、そこは――。」


「すべての物語が始まった場所だから。」



---


扉を開く鍵


扉には鍵穴が一つだけあった。


リナが会員証を取り出す。


「これかな?」


しかし反応しない。


ノノが自分の世界の光を差し出す。


ダメ。


ソウも光を分ける。


それでも扉は開かない。


最後の管理者が言った。


「この扉は、世界の力では開きません。」


悠真が尋ねる。


「じゃあ、何が必要なの?」


管理者は微笑んだ。


「記憶です。」



---


みんなの記憶


扉の前に、無数の光が現れた。


それぞれが、これまでの思い出だった。


初めて世界橋を渡った日。


リナと出会った日。


ノノと出会った日。


ソウが生まれた日。


ツナという新しい世界が誕生した日。


そして、世界連合ができた日。


悠真は言った。


「全部、僕たちが経験してきたことだ。」


管理者が頷く。


「だからこそ、この扉は――。」


「一人では開けられない。」



---


「一緒に」


悠真が仲間を見る。


「みんなで開けよう。」


リナが手を添える。


ノノも続く。


ソウが光る。


ミライも手を重ねる。


さらに、世界連合から送られてきた無数の光が集まってくる。


ハジマリ。


ハジメテ。


ツナ。


ミライア。


トリア。


第零世界。


そして無限世界。


すべての記憶が、一つの光になった。



---


最終世界


カチッ。


鍵が開いた。


扉の向こうには――。


何もなかった。


真っ白な空間。


しかし、そこには一つだけ机が置かれている。


机の上には、一冊の本。


表紙には何も書かれていない。


悠真が近づく。


「これが……すべての物語の始まり?」


最後の管理者は頷いた。


「はい。」



---


最初のページ


悠真が本を開く。


最初のページは真っ白だった。


二ページ目も。


三ページ目も。


しかし、四ページ目に――。


小さな文字が浮かび上がる。


『誰かと話したい。』


悠真は目を見開いた。


「これ……。」


第−3世界で見た言葉と同じだった。


ゼロスの言葉が蘇る。


――最初に生まれたものは、世界ではない。


――誰かとつながりたいという気持ちだった。



---


最初の世界


本のページがめくられていく。


真っ白だった空間に、小さな光が生まれる。


光は少しずつ大きくなり――。


一つの星になる。


海が生まれる。


空が生まれる。


森が生まれる。


そして生命が誕生する。


悠真たちは、その光景を黙って見つめていた。


ミライが小さく呟く。


「世界って……最初はこんなに小さかったんだ。」



---


最初の人


やがて、一人の人が現れた。


その人は周囲を見回した。


誰もいない。


そして――。


「誰か、いませんか?」


声が響く。


しかし返事はない。


その人は少し寂しそうに笑った。


「いつか、誰かと出会えるといいな。」


その瞬間。


空に二つ目の光が生まれた。



---


姉妹レンタルの本当の始まり


二つの光が近づく。


人と人が出会う。


そして――。


笑顔が生まれる。


その笑顔から、新しい世界が生まれる。


新しい世界から、また新しい出会いが生まれる。


それが何度も繰り返されていた。


レンが驚く。


「姉妹レンタルって……。」


最後の管理者が答える。


「名前や形は何度も変わりました。」


「ですが、目的は最初から同じです。」


「一人でいる人を、誰かとつなぐこと。」



---


悠真が気づいたこと


悠真は本を閉じる。


「じゃあ、この物語には本当の『最初』も『最後』もないんだ。」


管理者が笑う。


「その通りです。」


「誰かが誰かと出会えば、そこから新しい物語が始まる。」


ノノが嬉しそうに言う。


「じゃあ、私たちの物語も?」


「もちろん。」


ソウも輝く。


「これからも続く。」



---


最後のページ


本の最後を開く。


そこにも文字はなかった。


悠真が不思議そうに見る。


「最後のページなのに、何も書いてない。」


管理者が言った。


「当然です。」


「そのページは――。」


「まだ誰も書いていない未来だから。」



---


悠真が書いた言葉


悠真は机の上に置かれていたペンを手に取る。


そして、最後のページに一言だけ書いた。


『これからも、みんなで。』


その文字が輝く。


すると、世界中の本が一斉に開いた。


ハジマリ。


ハジメテ。


ツナ。


ミライア。


無限世界。


すべての世界の未来のページが、次々と増えていく。



---


新しい受付所


最終世界にも、一軒の小さな建物が現れた。


看板には――。


『姉妹レンタル・最終支部』


レンが目を丸くする。


「ここにも作るんですか?」


悠真が笑う。


「世界があるなら、必要になるかもしれないからね。」


ノノが受付に座る。


「じゃあ、私が最初のお客さんを待つ!」


ソウも隣で光る。


「僕も手伝う!」



---


そして――


最終世界の空に、無数の扉が開く。


その一つから、見知らぬ少女が現れた。


少女は周囲を見回し――。


受付に座っているノノを見る。


そして、小さな声で言った。


「あの……。」


ノノが笑顔で答える。


「はい!」


少女は少し緊張しながら言った。


「お姉ちゃんを、レンタルしたいです。」


ノノは受付表を開いた。


「もちろん!」


そして悠真たちは顔を見合わせる。


世界はまだ続いている。


物語も、まだ終わっていない。


『姉妹レンタル』の新しい一日が、ここから始まった。

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