↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
136/165

第∞世界

世界の外側に現れた巨大な光。


その中心に浮かんでいた文字は――。


『第∞世界』


悠真たちは、しばらく言葉を失っていた。


ノノが首をかしげる。


「∞って……どういう意味?」


カナタが銀河年代記を調べる。


「普通の数字ではありません。」


「これは数学でいう『無限』を表す記号です。」


ソウが小さく輝く。


「じゃあ、終わりがない世界?」


ゼロスが静かに頷いた。


「そうだ。」



---


無限世界とは違う


ミライが気づく。


「でも、私たちが知っている無限世界もあるよね?」


「それとは違う。」


ゼロスは答えた。


「無限世界は、無数の可能性を持つ世界。」


「第∞世界は――。」


少し間を置いて、


「世界そのものが無限に続く場所だ。」



---


入り口


巨大な光が、ゆっくりと扉の形へ変わっていく。


扉には文字が刻まれていた。


『一度入れば、すべての世界につながる』


悠真が尋ねる。


「危険なの?」


ゼロスは首を振る。


「危険ではない。」


「だが、一つ問題がある。」


「何?」


「出口が分からない。」


全員が固まった。



---


それでも進む


悠真は少し考える。


そして笑った。


「じゃあ、道を作ればいい。」


あかりが笑う。


「またそれ?」


「うん。」


「僕たち、今まで何度も道がなかった場所を進んできたから。」


ミライが頷く。


「今回も一緒なら大丈夫。」



---


第∞世界へ


きずなの船が巨大な扉をくぐる。


シュンッ!


すると――。


世界が一つ。


二つ。


十。


百。


千。


無数に分かれていく。


同じような街。


違う街。


海の世界。


空の世界。


森の世界。


そして――。


誰も住んでいない世界。


ありとあらゆる景色が広がっていた。



---


未来の自分たち?


突然、ソウが声を上げる。


「待って!」


船の前に、一つの世界が現れた。


そこには――。


悠真たちがいる。


しかし、少しだけ違う。


別の服。


別の船。


別の仲間。


そして、別の歴史。


ミライが驚く。


「私たちの別の可能性……?」


ソウは頷く。


「うん。」


「第∞世界には、無限の『もしも』が存在してる。」



---


もう一人のリナ


別の世界の中から、一人の少女がこちらへ手を振った。


リナと同じ顔。


でも、性格は少し違う。


「こんにちは!」


本物のリナが驚く。


「私……?」


少女は笑った。


「そう。」


「私は、別の世界のリナ。」



---


いろいろな自分


次々と別の世界の仲間たちが現れる。


別の悠真。


別のミライ。


別のノノ。


別のソウ。


アカネやスイもいる。


あかりが驚く。


「こんなにたくさん……。」


悠真は周囲を見る。


「それぞれ違う人生を歩んできたんだね。」



---


でも一つだけ同じ


別世界の悠真が言った。


「でも、一つだけ共通している。」


「何?」


「どの世界の僕たちも――。」


彼は笑った。


「誰かとつながりたいと思ってる。」


その言葉に、みんなが頷いた。



---


第∞世界の中心


船をさらに進める。


やがて、無数の世界が一つの巨大な光へ集まっている場所に到着した。


そこには――。


巨大な時計があった。


しかし普通の時計ではない。


文字盤には数字ではなく、


『出会い』


『選択』


『記憶』


『未来』


という言葉が刻まれている。



---


時計の番人


時計の前に、誰かが立っていた。


白い髪。


青い瞳。


穏やかな笑顔。


その人物は悠真を見ると――。


「ようこそ。」


「ここまで来たね。」


悠真が尋ねる。


「あなたは誰?」


その人物は答えた。


「私は、最後の管理者。」


リナが驚く。


「最後の……管理者?」


「そう。」



---


最後の管理者の使命


管理者は巨大な時計を指差す。


「この時計が動いている限り、世界は生まれ続ける。」


「しかし――。」


時計の一部に、黒いひびが入っていた。


ピシッ……。


「これが壊れれば、すべての世界が一つに重なってしまう。」


悠真が驚く。


「世界が全部混ざる?」


「そう。」


「海と空。」


「過去と未来。」


「別々の可能性。」


「すべてが区別できなくなる。」



---


最後の依頼


管理者は一枚の依頼書を差し出した。


そこには――。


『依頼者:第∞世界』


『依頼内容:すべての世界を守ってください。』


と書かれている。


レンが受付表を開く。


「……これは。」


悠真が笑う。


「姉妹レンタル史上最大の依頼だね。」



---


みんなの答え


リナ。


ノノ。


ソウ。


ミライ。


あかり。


アカネ。


スイ。


そして、これまで出会ったすべての仲間たち。


全員が悠真の隣に立った。


悠真は依頼書を受け取る。


「分かった。」


「みんなで守ろう。」


その瞬間――。


第∞世界の時計が動き始めた。


カチ。


カチ。


カチ。



---


そして時計の裏側


しかし、時計の裏には――。


誰も知らない小さな扉があった。


そこには一つの文字。


『最終世界』


管理者が静かに言う。


「実は……。」


「第∞世界より、さらに先があります。」


悠真が振り返る。


「え?」


管理者は少し笑った。


「無限の先にある世界。」


「そこでは――。」


扉の向こうから、誰かがこちらを見つめている。


「すべての物語が、最初に生まれた場所です。」


悠真たちは顔を見合わせた。


まだ知らない世界。


まだ知らない仲間。


そして――。


すべての物語の始まり。


きずなの船は、再び新たな扉へ向かって進み始めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。