第∞世界
世界の外側に現れた巨大な光。
その中心に浮かんでいた文字は――。
『第∞世界』
悠真たちは、しばらく言葉を失っていた。
ノノが首をかしげる。
「∞って……どういう意味?」
カナタが銀河年代記を調べる。
「普通の数字ではありません。」
「これは数学でいう『無限』を表す記号です。」
ソウが小さく輝く。
「じゃあ、終わりがない世界?」
ゼロスが静かに頷いた。
「そうだ。」
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無限世界とは違う
ミライが気づく。
「でも、私たちが知っている無限世界もあるよね?」
「それとは違う。」
ゼロスは答えた。
「無限世界は、無数の可能性を持つ世界。」
「第∞世界は――。」
少し間を置いて、
「世界そのものが無限に続く場所だ。」
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入り口
巨大な光が、ゆっくりと扉の形へ変わっていく。
扉には文字が刻まれていた。
『一度入れば、すべての世界につながる』
悠真が尋ねる。
「危険なの?」
ゼロスは首を振る。
「危険ではない。」
「だが、一つ問題がある。」
「何?」
「出口が分からない。」
全員が固まった。
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それでも進む
悠真は少し考える。
そして笑った。
「じゃあ、道を作ればいい。」
あかりが笑う。
「またそれ?」
「うん。」
「僕たち、今まで何度も道がなかった場所を進んできたから。」
ミライが頷く。
「今回も一緒なら大丈夫。」
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第∞世界へ
きずなの船が巨大な扉をくぐる。
シュンッ!
すると――。
世界が一つ。
二つ。
十。
百。
千。
無数に分かれていく。
同じような街。
違う街。
海の世界。
空の世界。
森の世界。
そして――。
誰も住んでいない世界。
ありとあらゆる景色が広がっていた。
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未来の自分たち?
突然、ソウが声を上げる。
「待って!」
船の前に、一つの世界が現れた。
そこには――。
悠真たちがいる。
しかし、少しだけ違う。
別の服。
別の船。
別の仲間。
そして、別の歴史。
ミライが驚く。
「私たちの別の可能性……?」
ソウは頷く。
「うん。」
「第∞世界には、無限の『もしも』が存在してる。」
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もう一人のリナ
別の世界の中から、一人の少女がこちらへ手を振った。
リナと同じ顔。
でも、性格は少し違う。
「こんにちは!」
本物のリナが驚く。
「私……?」
少女は笑った。
「そう。」
「私は、別の世界のリナ。」
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いろいろな自分
次々と別の世界の仲間たちが現れる。
別の悠真。
別のミライ。
別のノノ。
別のソウ。
アカネやスイもいる。
あかりが驚く。
「こんなにたくさん……。」
悠真は周囲を見る。
「それぞれ違う人生を歩んできたんだね。」
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でも一つだけ同じ
別世界の悠真が言った。
「でも、一つだけ共通している。」
「何?」
「どの世界の僕たちも――。」
彼は笑った。
「誰かとつながりたいと思ってる。」
その言葉に、みんなが頷いた。
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第∞世界の中心
船をさらに進める。
やがて、無数の世界が一つの巨大な光へ集まっている場所に到着した。
そこには――。
巨大な時計があった。
しかし普通の時計ではない。
文字盤には数字ではなく、
『出会い』
『選択』
『記憶』
『未来』
という言葉が刻まれている。
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時計の番人
時計の前に、誰かが立っていた。
白い髪。
青い瞳。
穏やかな笑顔。
その人物は悠真を見ると――。
「ようこそ。」
「ここまで来たね。」
悠真が尋ねる。
「あなたは誰?」
その人物は答えた。
「私は、最後の管理者。」
リナが驚く。
「最後の……管理者?」
「そう。」
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最後の管理者の使命
管理者は巨大な時計を指差す。
「この時計が動いている限り、世界は生まれ続ける。」
「しかし――。」
時計の一部に、黒いひびが入っていた。
ピシッ……。
「これが壊れれば、すべての世界が一つに重なってしまう。」
悠真が驚く。
「世界が全部混ざる?」
「そう。」
「海と空。」
「過去と未来。」
「別々の可能性。」
「すべてが区別できなくなる。」
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最後の依頼
管理者は一枚の依頼書を差し出した。
そこには――。
『依頼者:第∞世界』
『依頼内容:すべての世界を守ってください。』
と書かれている。
レンが受付表を開く。
「……これは。」
悠真が笑う。
「姉妹レンタル史上最大の依頼だね。」
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みんなの答え
リナ。
ノノ。
ソウ。
ミライ。
あかり。
アカネ。
スイ。
そして、これまで出会ったすべての仲間たち。
全員が悠真の隣に立った。
悠真は依頼書を受け取る。
「分かった。」
「みんなで守ろう。」
その瞬間――。
第∞世界の時計が動き始めた。
カチ。
カチ。
カチ。
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そして時計の裏側
しかし、時計の裏には――。
誰も知らない小さな扉があった。
そこには一つの文字。
『最終世界』
管理者が静かに言う。
「実は……。」
「第∞世界より、さらに先があります。」
悠真が振り返る。
「え?」
管理者は少し笑った。
「無限の先にある世界。」
「そこでは――。」
扉の向こうから、誰かがこちらを見つめている。
「すべての物語が、最初に生まれた場所です。」
悠真たちは顔を見合わせた。
まだ知らない世界。
まだ知らない仲間。
そして――。
すべての物語の始まり。
きずなの船は、再び新たな扉へ向かって進み始めた。




