消え始めた可能性
第−3世界。
すべての世界の中心にある「最初の光」の前で、悠真たちは再び――もう一人の悠真と出会った。
以前とは違う。
彼の表情には、明らかな焦りがあった。
「僕の世界が……また消え始めた。」
悠真が近づく。
「ミライアの世界が?」
「うん。」
もう一人の悠真は頷いた。
「一度はみんなの記憶で救えた。」
「でも、今度は違う。」
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消えているのは世界ではない
ミナがすぐに解析を始める。
「……おかしいです。」
「世界そのものは消えていません。」
悠真が尋ねる。
「じゃあ、何が消えてるの?」
ミナは画面を見つめる。
「可能性です。」
ソウの光が揺れた。
「可能性……?」
ミナは頷く。
「ミライアの未来が、一つずつ消されています。」
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未来が一つになる
カナタが銀河年代記を開く。
本来なら、未来には無数の分岐がある。
「この世界では、本来なら――」
ページに無数の線が伸びていく。
「こんなにたくさんの未来が存在するはずです。」
しかしミライアのページだけは違った。
枝分かれしていた未来が、一本ずつ消えている。
最後には――。
一本だけ。
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もう一人の悠真の告白
「僕の世界では、最近ずっと同じことが起きてる。」
もう一人の悠真が話す。
「誰かが何かを選ぼうとすると……。」
「別の選択肢が消える。」
「そして最後には、一つの未来しか残らなくなる。」
あかりが驚く。
「誰かが未来を決めているの?」
「たぶん。」
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最初の光
悠真は「最初の光」を見る。
「ここなら原因が分かるかもしれない。」
ゼロスが静かに言う。
「最初の光は、世界を生み出す場所。」
「同時に――。」
「可能性を生み出す場所でもある。」
ソウが光る。
「だったら、ここから未来を取り戻せる?」
ゼロスは答えなかった。
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光の中へ
悠真、ミライ、ノノ、ソウ、リナ。
そして、もう一人の悠真。
みんなで光へ近づく。
すると、目の前に無数の光景が現れた。
ミライアの未来。
誰かが町を作る未来。
誰かが海へ旅する未来。
誰かが新しい世界を発見する未来。
そして――。
姉妹レンタルが銀河中へ広がっていく未来。
あかりが嬉しそうに言う。
「こんな未来もあるんだ。」
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しかし黒い線が……
突然。
無数の未来に、一本の黒い線が走った。
シュッ!
一つの未来が消える。
シュッ!
もう一つ。
シュッ!
また一つ。
ソウが叫ぶ。
「止めて!」
黒い線は止まらない。
やがて――。
ミライアの未来が、たった一つになった。
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「選択する人」が消えている
ミナが解析する。
「原因を発見しました。」
「未来そのものを消しているわけではありません。」
「未来を選択する人々の――**『選ぶ力』**が奪われています。」
悠真が驚く。
「選ぶ力?」
「はい。」
「選択肢があっても、選べなければ未来は一つになります。」
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黒い影
その時。
最初の光の奥に、黒い影が現れた。
姿は見えない。
ただ声だけが響く。
「未来は一つでいい。」
悠真が叫ぶ。
「誰だ!」
「迷う必要はない。」
「失敗する必要もない。」
「最初から正しい未来だけを残せばいい。」
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悠真の反論
悠真は首を振る。
「それじゃ、自由じゃない。」
「自由だから失敗する。」
「それでもいい。」
「なぜ?」
悠真は答えた。
「失敗したら、やり直せるから。」
「誰かと相談できる。」
「別の道を選べる。」
「それが未来なんだ。」
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ノノの一言
ノノも前に出た。
「私の世界だって、最初は何もなかった。」
「でも、リナが来てくれた。」
「みんなが来てくれた。」
「だから、今は星がある。」
「最初から全部決まってたら――。」
ノノは笑う。
「私は誰とも出会えなかったよ。」
黒い影が沈黙する。
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ソウが見つけたもの
その時、ソウが突然輝いた。
「見つけた!」
悠真が振り返る。
「何を?」
「消された未来じゃない。」
「まだ消されていない未来。」
ソウの光の中に、一つの小さな分岐が現れる。
そこには――。
『みんなで未来を選ぶ』
と書かれていた。
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世界連合へ
カナタが理解する。
「一つの世界だけでは無理でも――。」
「世界連合全体で、それぞれの未来を選び直せばいい。」
ミライが笑う。
「みんなで未来を作るんだね。」
リナも頷く。
「第一世界から始めましょう。」
ノノが手を上げる。
「ハジメテも!」
ソウが光る。
「第−2世界も!」
そして、もう一人の悠真が言った。
「ミライアも。」
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未来選択宣言
悠真は世界連合へ通信を送る。
「みんなに伝えて。」
「未来は一つじゃない。」
「誰かに決めてもらうんじゃなくて――。」
「自分たちで選ぼう。」
通信が銀河中へ広がっていく。
ハジメ。
トリア。
第零世界。
ハジマリ。
ハジメテ。
ミライア。
無限世界。
すべての世界から、次々と返事が届いた。
『自分たちの未来を選びます!』
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黒い影が消える
一本だった未来が――。
二本。
十本。
百本。
千本。
無数に枝分かれしていく。
黒い影が苦しそうに叫ぶ。
「なぜ……!」
悠真が答える。
「未来を選ぶ人が、こんなにいるからだよ。」
最初の光が、銀河全体を照らした。
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もう一人の悠真
ミライアの未来も、再び無数に広がった。
もう一人の悠真は目を閉じる。
「……戻ってきた。」
悠真が笑う。
「よかった。」
二人の悠真は拳を軽く合わせた。
「ありがとう。」
「こちらこそ。」
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そして、黒い影の正体
しかし、ゼロスだけは険しい表情をしていた。
悠真が気づく。
「ゼロス?」
ゼロスは、最初の光の奥を見つめる。
「違う。」
「何が?」
「今の影は――。」
「本当の敵ではない。」
全員が凍りつく。
カナタが尋ねる。
「では、あれは何だったんです?」
ゼロスは古い鍵を握りしめる。
「本当の敵が来る前に現れる、警告のようなものだ。」
そして最初の光の奥に――。
巨大な扉が現れた。
その扉には、これまで見たことのない文字が刻まれている。
『世界の外側』
ゼロスが呟く。
「ここから先は――。」
「世界を作った者たちでさえ、立ち入らなかった場所だ。」
悠真は扉を見る。
そして仲間たちを振り返った。
「……行こう。」
扉の向こうから、静かな声が聞こえる。
「待っていた。」




