第-3世界の番人
第−2世界を出たきずなの船の前に、巨大な扉が現れた。
扉には――。
『第−3世界』
と刻まれている。
ノノが小さな声で言った。
「ここから先は、私も知らない……。」
ソウの光も少し弱くなる。
「僕にも未来が見えない。」
悠真は操縦席から扉を見る。
「それなら、ますます行ってみる価値があるね。」
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第−3世界
扉を抜けた瞬間――。
船が静止した。
そこには、宇宙がなかった。
あるのは、巨大な図書館。
どこまでも続く本棚。
天井は見えない。
床も見えない。
無数の本が宙に浮かんでいる。
あかりが驚く。
「ここ……世界なの?」
カナタが本棚を見上げる。
「これは……。」
「世界が生まれる前の記録です。」
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番人
突然、奥から足音が聞こえた。
コツ……コツ……。
現れたのは、一人の老人だった。
長い白い髭。
青いローブ。
そして、大きな鍵を持っている。
老人は悠真たちを見る。
「よく来たな。」
悠真が尋ねる。
「あなたは?」
老人は答えた。
「私はこの場所の番人。」
「名を――ゼロスという。」
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すべてを知る者
ゼロスは一冊の本を取り出した。
その表紙には、
『世界の始まり』
と書かれている。
「この本には、すべての世界の起源が記録されている。」
悠真が尋ねる。
「じゃあ、第−3世界より前にも世界があるの?」
ゼロスは首を振った。
「ない。」
「第−3世界が、最初の『世界になる前の場所』だ。」
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世界はどうやって生まれた?
ミナが尋ねる。
「では、最初の世界はどうやって生まれたのですか?」
ゼロスは本を開いた。
最初のページは真っ白。
二ページ目も真っ白。
三ページ目も――。
全部、白紙だった。
悠真が驚く。
「記録がない?」
ゼロスは笑った。
「違う。」
「最初は、記録するものすら存在しなかった。」
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最初の一言
ゼロスが最後のページを開く。
そこには一文だけ書かれていた。
『誰かと話したい。』
リナが驚く。
「これが……始まり?」
ゼロスは頷く。
「最初に生まれたものは、星でも世界でもない。」
「誰かとつながりたいという気持ちだった。」
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姉妹レンタルの始まり
ゼロスは続ける。
「その気持ちが最初の光を生んだ。」
「光が世界を作った。」
「世界が生命を生んだ。」
「生命が家族を作った。」
「そして、人々は孤独をなくすために――。」
悠真が気づく。
「姉妹レンタルを始めた。」
ゼロスは頷いた。
「そうだ。」
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リナの役割
ゼロスがリナを見る。
「そして、お前は最後の管理者。」
リナが驚く。
「私が……?」
「第一世界が閉じる時、世界の記憶を守った。」
「お前がいたから、今日までつながりが残った。」
リナは黙って自分の会員証を見る。
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もう一つの秘密
しかし、ゼロスは続けた。
「だが――。」
「まだ一つ、秘密がある。」
悠真が尋ねる。
「何?」
ゼロスは本棚の奥を指差した。
そこには、他の本より遥かに大きな本が一冊。
表紙には何も書かれていない。
「この本は、まだ開かれていない。」
「なぜ?」
「中身が未来だからだ。」
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未来の本
ソウが近づく。
本が淡く光る。
パラ……。
ページが一枚だけ開いた。
そこには、悠真たちが描かれている。
悠真。
あかり。
ミライ。
リナ。
ノノ。
ソウ。
そして、たくさんの仲間たち。
その下には――。
『世界連合、第一期』
と書かれていた。
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さらに先へ
ソウがページをめくろうとする。
しかし――。
バチッ!
本から強い光が出る。
ソウが驚いて手を離す。
「開けない……。」
ゼロスが言う。
「未来は、まだ決まっていない。」
「だから誰にも続きを書けない。」
悠真が笑う。
「だったら――。」
「僕たちが自分で作ればいい。」
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番人の最後の試練
ゼロスが大きな鍵を取り出す。
「その言葉を待っていた。」
鍵を床に差し込む。
ガチャッ。
図書館全体が動き始める。
本棚が左右に開き――。
巨大な門が現れた。
「この先へ行けば、世界の中心へ行ける。」
「だが、そこには一つの試練がある。」
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試練の内容
悠真が尋ねる。
「何をすればいい?」
ゼロスは笑った。
「何もしなくていい。」
「え?」
「ただ――。」
「自分で選べ。」
門の先には三つの道が現れた。
過去。
現在。
未来。
ゼロスが言う。
「どの道を選んでも正解だ。」
「だが、選ばなかった道は消える。」
全員が静かになる。
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悠真の選択
悠真は三つの道を見る。
そして――。
「一人では選ばない。」
ゼロスが驚く。
悠真は仲間を見る。
「みんなで決めよう。」
ノノが笑う。
ソウも光る。
リナも頷く。
ミライが手を上げる。
「私も!」
ゼロスは満足そうに笑った。
「それでいい。」
すると三つの道が一つになった。
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世界の中心へ
門の向こうに広がっていたのは――。
巨大な光の海。
その中央に、小さな星が浮かんでいる。
ゼロスが静かに言った。
「これが――。」
「すべての世界をつないでいる、最初の光だ。」
悠真たちは、その光へ近づいていく。
しかし、その瞬間――。
光の中から、聞き覚えのある声が響いた。
「やっと来たね。」
悠真が振り返る。
そこにいたのは――。
もう一人の悠真。
以前出会った「別の可能性の悠真」だった。
しかし今度の彼は、少し表情が違っていた。
そして一言。
「僕の世界が、また消え始めた。」




