↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
132/152

第-3世界の番人

第−2世界を出たきずなの船の前に、巨大な扉が現れた。


扉には――。


『第−3世界』


と刻まれている。


ノノが小さな声で言った。


「ここから先は、私も知らない……。」


ソウの光も少し弱くなる。


「僕にも未来が見えない。」


悠真は操縦席から扉を見る。


「それなら、ますます行ってみる価値があるね。」



---


第−3世界


扉を抜けた瞬間――。


船が静止した。


そこには、宇宙がなかった。


あるのは、巨大な図書館。


どこまでも続く本棚。


天井は見えない。


床も見えない。


無数の本が宙に浮かんでいる。


あかりが驚く。


「ここ……世界なの?」


カナタが本棚を見上げる。


「これは……。」


「世界が生まれる前の記録です。」



---


番人


突然、奥から足音が聞こえた。


コツ……コツ……。


現れたのは、一人の老人だった。


長い白い髭。


青いローブ。


そして、大きな鍵を持っている。


老人は悠真たちを見る。


「よく来たな。」


悠真が尋ねる。


「あなたは?」


老人は答えた。


「私はこの場所の番人。」


「名を――ゼロスという。」



---


すべてを知る者


ゼロスは一冊の本を取り出した。


その表紙には、


『世界の始まり』


と書かれている。


「この本には、すべての世界の起源が記録されている。」


悠真が尋ねる。


「じゃあ、第−3世界より前にも世界があるの?」


ゼロスは首を振った。


「ない。」


「第−3世界が、最初の『世界になる前の場所』だ。」



---


世界はどうやって生まれた?


ミナが尋ねる。


「では、最初の世界はどうやって生まれたのですか?」


ゼロスは本を開いた。


最初のページは真っ白。


二ページ目も真っ白。


三ページ目も――。


全部、白紙だった。


悠真が驚く。


「記録がない?」


ゼロスは笑った。


「違う。」


「最初は、記録するものすら存在しなかった。」



---


最初の一言


ゼロスが最後のページを開く。


そこには一文だけ書かれていた。


『誰かと話したい。』


リナが驚く。


「これが……始まり?」


ゼロスは頷く。


「最初に生まれたものは、星でも世界でもない。」


「誰かとつながりたいという気持ちだった。」



---


姉妹レンタルの始まり


ゼロスは続ける。


「その気持ちが最初の光を生んだ。」


「光が世界を作った。」


「世界が生命を生んだ。」


「生命が家族を作った。」


「そして、人々は孤独をなくすために――。」


悠真が気づく。


「姉妹レンタルを始めた。」


ゼロスは頷いた。


「そうだ。」



---


リナの役割


ゼロスがリナを見る。


「そして、お前は最後の管理者。」


リナが驚く。


「私が……?」


「第一世界が閉じる時、世界の記憶を守った。」


「お前がいたから、今日までつながりが残った。」


リナは黙って自分の会員証を見る。



---


もう一つの秘密


しかし、ゼロスは続けた。


「だが――。」


「まだ一つ、秘密がある。」


悠真が尋ねる。


「何?」


ゼロスは本棚の奥を指差した。


そこには、他の本より遥かに大きな本が一冊。


表紙には何も書かれていない。


「この本は、まだ開かれていない。」


「なぜ?」


「中身が未来だからだ。」



---


未来の本


ソウが近づく。


本が淡く光る。


パラ……。


ページが一枚だけ開いた。


そこには、悠真たちが描かれている。


悠真。


あかり。


ミライ。


リナ。


ノノ。


ソウ。


そして、たくさんの仲間たち。


その下には――。


『世界連合、第一期』


と書かれていた。



---


さらに先へ


ソウがページをめくろうとする。


しかし――。


バチッ!


本から強い光が出る。


ソウが驚いて手を離す。


「開けない……。」


ゼロスが言う。


「未来は、まだ決まっていない。」


「だから誰にも続きを書けない。」


悠真が笑う。


「だったら――。」


「僕たちが自分で作ればいい。」



---


番人の最後の試練


ゼロスが大きな鍵を取り出す。


「その言葉を待っていた。」


鍵を床に差し込む。


ガチャッ。


図書館全体が動き始める。


本棚が左右に開き――。


巨大な門が現れた。


「この先へ行けば、世界の中心へ行ける。」


「だが、そこには一つの試練がある。」



---


試練の内容


悠真が尋ねる。


「何をすればいい?」


ゼロスは笑った。


「何もしなくていい。」


「え?」


「ただ――。」


「自分で選べ。」


門の先には三つの道が現れた。


過去。


現在。


未来。


ゼロスが言う。


「どの道を選んでも正解だ。」


「だが、選ばなかった道は消える。」


全員が静かになる。



---


悠真の選択


悠真は三つの道を見る。


そして――。


「一人では選ばない。」


ゼロスが驚く。


悠真は仲間を見る。


「みんなで決めよう。」


ノノが笑う。


ソウも光る。


リナも頷く。


ミライが手を上げる。


「私も!」


ゼロスは満足そうに笑った。


「それでいい。」


すると三つの道が一つになった。



---


世界の中心へ


門の向こうに広がっていたのは――。


巨大な光の海。


その中央に、小さな星が浮かんでいる。


ゼロスが静かに言った。


「これが――。」


「すべての世界をつないでいる、最初の光だ。」


悠真たちは、その光へ近づいていく。


しかし、その瞬間――。


光の中から、聞き覚えのある声が響いた。


「やっと来たね。」


悠真が振り返る。


そこにいたのは――。


もう一人の悠真。


以前出会った「別の可能性の悠真」だった。


しかし今度の彼は、少し表情が違っていた。


そして一言。


「僕の世界が、また消え始めた。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。