↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
130/148

第-1世界の少女

第一世界「ハジマリ」の空に浮かんだ、謎の扉。


その上には――。


『第−1世界』


という文字が刻まれていた。


そして扉の向こうから聞こえた声。


「お姉ちゃん……。」


悠真たちは息をのんだ。


リナが扉に近づく。


「あなたは誰?」


すると、小さな声が返ってきた。


「私の名前は……ノノ。」



---


第−1世界


扉がゆっくり開く。


その向こうには、真っ暗な空間が広がっていた。


星もない。


太陽もない。


大地も見えない。


ただ、遠くに小さな光が一つだけ浮かんでいる。


その光の中に――。


一人の少女がいた。


「こんにちは。」


ノノは小さく手を振った。



---


何もない世界


悠真が尋ねる。


「ここには、他に誰かいるの?」


ノノは首を横に振る。


「いないよ。」


「ずっと一人?」


「うん。」


ミライが心配そうに近づく。


「寂しくない?」


ノノは少し考えてから答えた。


「寂しいよ。」


「だから、お姉ちゃんが欲しいの。」



---


姉妹レンタルの依頼


レンが受付表を取り出す。


「依頼内容は?」


ノノは答えた。


「一緒にいてくれるお姉ちゃんが欲しい。」


悠真が言った。


「じゃあ、誰かをレンタルしてみよう。」


ノノは嬉しそうに笑った。


「本当に?」


「うん。」



---


ところが……


ミナが調査を始める。


「おかしいです。」


「この世界には、生命反応がノノさん一人しかありません。」


カナタも星図を見る。


「それだけじゃない。」


「この世界には、時間そのものがほとんど流れていません。」


アカネが驚く。


「じゃあ、ノノはどうやって生きてるの?」


ノノは静かに答えた。


「私は――。」


「この世界そのものだから。」



---


世界の少女


全員が驚いた。


ノノは続ける。


「私が悲しいと、世界が暗くなる。」


「私が嬉しいと、少しだけ光が生まれる。」


「でも、一人だから……。」


ノノが俯く。


「世界を明るくできないの。」


悠真は静かに頷いた。


「だから、誰かと一緒にいたいんだね。」



---


最初のお姉ちゃん


そこでリナが前へ出た。


「じゃあ、私が一日だけお姉ちゃんになる。」


ノノが顔を上げる。


「本当に?」


「うん。」


リナが手を差し出す。


ノノはその手を握った。


その瞬間――。


パッ!


真っ暗だった世界に、小さな星が一つ生まれた。



---


世界が変わる


二人で歩く。


すると足元に道が生まれる。


リナが笑う。


花が咲く。


ノノが笑う。


空に青い色が広がる。


ミライも一緒に遊ぶ。


すると小さな森ができる。


ソラとカイが走り回る。


湖が生まれる。


第一世界のリナが、世界に少しずつ色を与えていく。



---


ノノのお願い


夕方。


ノノがリナに尋ねた。


「お姉ちゃん。」


「なに?」


「ずっとここにいてくれる?」


リナは少し困った顔をする。


「私は第一世界の管理者でもあるから……。」


ノノは俯く。


「そっか。」


すると――。


世界が再び暗くなり始めた。



---


悠真の提案


悠真がノノの前にしゃがむ。


「ノノ。」


「なに?」


「一人だけじゃなくてもいいんじゃない?」


「え?」


「第−1世界と第一世界をつなげればいい。」


「毎日誰かが遊びに来る。」


「リナも来る。」


「僕たちも来る。」


「世界連合のみんなも。」


ノノは目を輝かせた。


「本当に?」



---


新しい世界橋


ミカゲが世界橋の小型版を作る。


第一世界と第−1世界の間に、一本の橋が架かる。


橋には看板が掲げられた。


『いつでも遊びに来てね』


ノノは橋を見つめる。


「これなら……。」


「もう一人じゃない。」



---


第−1世界の名前


ノノは世界を見回した。


少しずつ星が増えている。


海もできた。


森もできた。


そして、空には虹まで架かっている。


ノノは言った。


「この世界にも名前が欲しい。」


悠真が笑う。


「何て名前にする?」


ノノは少し考えて――。


「『ハジメテ』がいい。」


「初めて誰かと会った世界だから。」


こうして第−1世界は――。


『ハジメテ』


という名前になった。



---


しかし、その時


世界橋の中央で、ミカゲが突然停止した。


『……異常を検知。』


ミナが画面を見る。


「どうしたの?」


ミカゲの声が低くなる。


『第−1世界よりさらに下位の座標を確認しました。』


悠真が驚く。


「さらに下?」


画面に新しい文字が浮かぶ。


『第−2世界』


カナタが青ざめる。


「そんな世界が……。」


すると、ハジメテの空に新しい扉が開いた。


今度は、扉の向こうから声が聞こえない。


代わりに――。


コン、コン。


誰かが内側から扉を叩いている。


ノノが悠真の袖をつかむ。


「……怖い。」


悠真は扉を見つめた。


「大丈夫。」


「みんなで一緒に行こう。」


そして扉が、ゆっくり開き始める。


その先に待っているのは――。


世界が生まれる前の、さらに深い場所だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。