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もう一人の悠真

無限世界の中央広場。


悠真たちの前に立っているのは――。


自分とそっくりな少年。


ただし、服装も雰囲気も少し違う。


もう一人の悠真は静かに笑った。


「驚かせてごめん。」


本物の悠真が尋ねる。


「君は、本当に僕なの?」


「正確には――別の可能性から生まれた僕だよ。」



---


もう一つの世界


もう一人の悠真は、自分の世界について話し始めた。


「僕の世界にも、姉妹レンタルがあった。」


あかりが驚く。


「こっちと同じ?」


「うん。」


「でも、僕の世界では少し違った。」


その世界では、人と人をつなぐだけではなく――。


世界そのものをレンタルできた。



---


世界レンタル


「世界をレンタル?」


ミライが目を輝かせる。


もう一人の悠真は頷く。


「例えば、海の世界を一日だけ借りる。」


「空の世界を一週間借りる。」


「森の世界をみんなで探検する。」


ソラが大喜び。


「楽しそう!」


カイも興味津々。


「危険じゃないの?」


「安全管理は必要だけどね。」



---


もう一人の悠真の目的


悠真が尋ねた。


「じゃあ、どうしてこっちの世界へ来たの?」


もう一人の悠真は少し黙る。


そして――。


「僕の世界が、消え始めたから。」


全員が静かになった。



---


消える世界


「世界が消える?」


「うん。」


「最初は、星が一つ消えた。」


「次に町が一つ。」


「そして、海が消えた。」


ミナが尋ねる。


「原因は?」


もう一人の悠真は答えた。


「分からない。」


「でも、一つだけ分かっている。」


「世界が忘れられると、消える。」



---


忘れられた世界


カナタが銀河年代記を確認する。


「記録から存在が消えると、世界そのものが不安定になる……。」


もう一人の悠真が頷く。


「僕は、消えかけた世界を助けるために、ここへ来た。」


「この無限世界なら――。」


「新しい記録を作れると思ったんだ。」



---


ミライの決断


ミライが一歩前へ出る。


「だったら、私がその世界を作り直す。」


もう一人の悠真が驚く。


「できるの?」


「やってみる。」


ミライが両手を広げる。


すると、空に小さな光が生まれた。


光はどんどん大きくなる。



---


世界の記憶


光の中に、もう一人の悠真の世界が映し出された。


町。


森。


海。


そして、そこに暮らす人々。


あかりが言った。


「こんなにたくさんの人がいたんだ……。」


悠真も静かに見つめる。


「消えたくないって、思ってるんだろうね。」



---


みんなで記録する


そこでカナタが提案した。


「なら、みんなで記録しましょう。」


銀河図書館の記録装置が起動する。


ソラは町を描く。


カイは海の記録を書く。


アカネとスイは、その世界で暮らしていた人々の話を記録する。


セラは三つの太陽の光を送る。


そして悠真は――。


「この世界の名前を記録しよう。」


もう一人の悠真が頷く。


「名前は――ミライア。」



---


ミライアの復活


名前が記録された瞬間。


ドクン。


光の世界が大きく脈打つ。


一つの星が生まれる。


次に海。


森。


町。


そして人々。


もう一人の悠真が目を見開く。


「戻ってきた……。」


ミライが笑う。


「世界って、記憶されると強くなるんだね。」



---


新しい約束


もう一人の悠真は、元の世界へ帰ることになった。


その前に、本物の悠真へ言う。


「ありがとう。」


「君たちがいなかったら、僕の世界は消えていた。」


悠真は笑う。


「僕たちは、別の世界の仲間だからね。」


「また困ったら、世界橋を使って来ればいい。」


もう一人の悠真も笑った。


「うん。」



---


しかし――


帰ろうとした瞬間。


ミカゲが緊急警告を発した。


『待ってください。』


全員が振り返る。


『今、複数の世界から同時に「記憶消失」の反応を検知しました。』


カナタが驚く。


「複数の世界……?」


宇宙地図を見る。


無数の世界に、黒い点が広がっている。


ミナが解析する。


「これは自然現象ではありません。」


悠真が尋ねる。


「誰かが、世界を忘れさせてる?」


ミカゲが答える。


『その可能性があります。』



---


黒いページ


その時、カナタの銀河年代記が勝手に開いた。


本来なら存在しないページ。


そこには黒い文字が一行だけ書かれていた。


『忘却者、起動。』


もう一人の悠真が顔を青くする。


「……知ってる。」


悠真が尋ねる。


「誰なんだ?」


もう一人の悠真は答えた。


「僕の世界を消した原因。」


「そして――。」


「たぶん、次に狙われるのは……。」


彼が指差した先。


そこには、ハジメ。


トリア。


第零世界。


そして無限世界が表示されていた。


「この世界全部だ。」


悠真は立ち上がる。


「だったら、みんなで守ろう。」


ミライが頷く。


「うん!」


ルカが空へ飛び立つ。


「キュルルルー!」


世界橋が一斉に輝き始めた。


いくつもの世界が初めて一つの目的のためにつながる。


――忘却者から、世界の記憶を守るために。

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