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無限世界の子

巨大な卵から聞こえた声。


「こんにちは。」


きずなの船の中が静まり返る。


悠真が慎重に尋ねた。


「君は……誰?」


すると卵の表面に、小さな顔が浮かんだ。


「まだ、名前はありません。」


あかりが驚く。


「名前がないの?」


「はい。」


「この世界には、まだ何も決まっていません。」



---


無限世界


ミカゲが解析を続ける。


『この世界の構造は、既存の世界とは異なります。』


ミナが画面を見る。


「空間が一つではありません。」


「どういうこと?」


「この世界の中に、無数の世界が重なっています。」


悠真が目を丸くする。


「つまり……。」


「一つの世界の中に、たくさんの世界がある。」



---


最初の住人


卵がゆっくり開いていく。


中から出てきたのは、小さな光の子だった。


人間に似ているけれど、髪や服は淡い光でできている。


その子は周囲を見回した。


「ここが……私の世界?」


悠真が頷く。


「そうだよ。」


その子は少し考えた。


「じゃあ、私が名前を決めてもいい?」


「もちろん。」



---


名前


その子は空を見上げる。


そして笑った。


「ミライ。」


あかりが笑う。


「いい名前だね。」


ミライは嬉しそうに頷く。


「ありがとう。」


すると、ミライの足元から小さな星が一つ生まれた。


キラッ。


ミナが驚く。


「名前を決めたことで、新しい空間が発生しました。」



---


世界を作る力


ミライが手を伸ばす。


すると――。


草原が現れた。


次に川。


山。


森。


そして青い空。


あかりが驚く。


「すごい!」


ミライ自身も驚いている。


「私が作ったの?」


悠真が答える。


「うん。」


ミライは嬉しそうに笑った。


「じゃあ、もっと作ってみたい!」



---


でも、一人では……


ミライは世界をどんどん作っていく。


森。


海。


町。


空。


しかし、しばらくすると動きを止めた。


「……。」


悠真が尋ねる。


「どうしたの?」


ミライは寂しそうに言った。


「世界は作れる。」


「でも……。」


「一緒に遊ぶ人がいない。」



---


新しい姉妹レンタル


あかりが手を叩く。


「それなら、姉妹レンタル!」


ミライが首をかしげる。


「姉妹……?」


「誰かと一緒に過ごしてみるサービスだよ。」


ミライは少し考えて――。


「やってみたい。」


そこで、ミライの世界に最初の住人を二人迎えることになった。



---


双子の住人


現れたのは、二人の小さな子ども。


名前は――。


ソラとカイ。


ソラは明るく元気。


カイは静かで慎重。


ミライは二人に尋ねる。


「何をしたい?」


ソラが答える。


「空を飛びたい!」


カイは、


「海を見たい。」


と言った。


ミライは笑った。


「じゃあ、両方作ろう!」



---


無限世界の町


ミライが手を振る。


空に浮かぶ島が生まれる。


そこから海へ伸びる虹の橋。


海の中には光る町。


山の頂上には大きな時計台。


ソラとカイは大喜び。


「すごい!」


「きれい!」


ミライも笑う。


すると――。


世界の大きさがさらに広がった。



---


無限世界の秘密


ミナが驚く。


「成長速度が止まりません。」


カナタが銀河年代記を開く。


「この世界は、住人が何かを選ぶたびに広がっています。」


悠真が気づく。


「じゃあ、この世界には限界がない?」


カナタは首を振った。


「まだ分かりません。」


その瞬間――。


銀河年代記に新しい文章が浮かんだ。


『無限とは、広さではない。』


そして次の一文。


『選択肢の数である。』



---


ミライの選択


ミライは悠真を見る。


「私、この世界をもっと大きくしたい。」


「でも、全部を私一人で決めたくない。」


「みんなにも決めてもらいたい。」


悠真は笑った。


「それがいいと思う。」


こうしてミライは、新しいルールを決めた。


『この世界に住む人は、誰でも世界を作っていい。』



---


無限世界の姉妹レンタル


そして中央の町に、最初の建物が作られた。


看板には――。


『無限世界・姉妹レンタル』


と書かれている。


ミライが受付に座る。


最初のお客さんは――。


なんとソラとカイ。


二人は受付にやってきた。


「一緒に遊びたい!」


ミライが笑う。


「じゃあ、今日から三人で遊ぼう!」


三人は手をつないで走り出した。



---


その時――


無限世界の空に、巨大な扉が現れた。


ゴゴゴゴ……。


ミカゲが警告する。


『未知の空間接続を確認。』


悠真が見上げる。


「また誰か来るの?」


扉が開く。


その向こうから、一人の人物が歩いてくる。


白い服。


銀色の髪。


そして――。


悠真とそっくりな顔。


あかりが驚く。


「悠真……?」


本人も驚いている。


「えっ……?」


その人物は、悠真たちを見て笑った。


そして言った。


「初めまして。」


「僕は、この世界とは別の可能性から来た――もう一人の悠真です。」


悠真は目を丸くした。


無限世界には、まだ誰も知らない**「別の可能性」**が存在していた。

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