表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
118/140

太陽を作った文明

三つの太陽から伸びた光が、宇宙の彼方へ続いている。


ミカゲからの通信が響く。


『あの光の道を進めば、太陽を作った文明へ到達できます。』


悠真は窓の外を見る。


「行ってみよう。」


あかりが頷く。


「トリアの秘密も分かるかもしれないね。」


セラ、アカネ、スイも乗船することになった。


こうして、きずなの船は三つの太陽が作る光の道へ入った。



---


光の道


船が光の中を進む。


すると、周囲の景色が次々に変わっていった。


巨大な星。


無数の銀河。


まだ生まれていない世界。


そして――。


遠い昔の宇宙。


ミナが驚く。


「時間そのものを通過しています。」


悠真が聞く。


「過去にも行けるってこと?」


「正確には、過去の記録を通過しているようです。」



---


目的地


しばらくすると、光の道の先に巨大な構造物が現れた。


星より大きい。


惑星よりも大きい。


三つの巨大な輪が組み合わされている。


セラが呟く。


「これが……太陽の製造施設?」


ミナが答える。


「はい。」


「名称は――『光炉』。」



---


太陽工場


光炉の内部へ入る。


そこには無数の機械が動いていた。


しかし、人の姿はない。


自動装置だけが、何千年も働き続けている。


巨大な光の球が次々と作られている。


あかりが驚く。


「太陽って、ここで作られてたの?」


ミナは首を振る。


「正確には、恒星になる前の『星の種』を作っています。」



---


古代文明の記録


中央に巨大な記録装置があった。


そこから映像が現れる。


昔の人々が映っている。


彼らは星を作り、世界を照らしていた。


しかし、ある日――。


記録が途切れる。


そして最後に一人の人物が現れた。


「私たちは、世界を照らすために太陽を作った。」


「しかし、太陽を作りすぎた。」



---


大きすぎた力


太陽を作り続けた結果、宇宙のバランスが崩れ始めた。


星が増えすぎる。


世界の温度が変化する。


いくつもの惑星が住めなくなっていった。


そこで文明は、光炉を停止した。


しかし――。


完全には止まらなかった。


最後の命令だけが残った。


『世界を照らし続けよ。』



---


トリアの秘密


悠真が気づく。


「だからトリアの三つの太陽も、今も動いてるんだ。」


ミナが頷く。


「おそらく。」


セラが不安そうに尋ねる。


「じゃあ、三つの太陽を止めたら?」


ミナは答える。


「トリアは暗くなります。」


アカネが驚く。


「それは困る!」


スイも頷く。


「でも、太陽を増やし続けるのも危険。」


悠真は考えた。


「止めるか、続けるか――。」



---


古代文明の最後の言葉


記録装置が再び動く。


「もし、未来の人々がここへ来たなら。」


「太陽を止める必要はない。」


悠真たちは耳を澄ます。


「太陽を『誰かの命令』で動かすのではなく――。」


「その世界自身に、光の量を決めてもらいなさい。」



---


世界に選択を


ミナが理解する。


「つまり、トリア自身が三つの太陽を管理できるようにする。」


悠真が頷く。


「それなら、成長もできる。」


セラが笑う。


「トリアの人々が、自分たちの未来を決められる。」


アカネとスイも賛成した。



---


光炉の再設定


悠真たちは光炉の制御室へ向かった。


しかし、中央の操作装置には――。


『管理者の承認が必要です。』


と表示されている。


悠真が尋ねる。


「管理者って誰?」


すると通信が入った。


『私です。』


全員が振り返る。


そこに現れたのは――。


かつて銀河図書館で出会った、カナタだった。



---


カナタの新しい仕事


カナタは笑った。


「銀河図書館だけじゃなく、世界の記録管理も担当することになったんです。」


悠真が笑う。


「忙しそうだね。」


「はい。でも楽しいです。」


カナタは操作装置を見る。


「トリアの太陽を、トリア自身が管理する。」


「それなら承認できます。」



---


三つの太陽の新しい役割


装置が起動する。


赤い太陽――生命の光。


青い太陽――海と水の光。


白い太陽――植物と大地の光。


それぞれの役割が設定される。


そして最後に、


『世界の意思によって調整可能』


という項目が追加された。



---


トリアへ帰る


きずなの船はトリアへ戻った。


三つの太陽が以前とは違う輝き方をしている。


セラが空を見上げる。


「きれい……。」


アカネが笑う。


「これなら、ずっとこの世界で暮らせるね。」


スイも頷く。


「三つの太陽が、それぞれ違うからこそいいんだよね。」



---


新しい姉妹


その日の夕方。


トリアの姉妹レンタル受付所に、新しい依頼が入った。


依頼者は――。


三つの太陽の管理システム。


『私は一人で太陽を管理しています。』


『話し相手がほしいです。』


あかりが笑う。


「機械にも姉妹レンタル?」


悠真が頷く。


「もちろん。」


新しい相手として選ばれたのは――。


同じく太陽を管理する、別の人工知能。


二つのAIは最初はぎこちなかった。


しかし、少しずつ会話を始める。


「今日は赤い太陽が少し明るいですね。」


「そうですね。では、少し調整しましょう。」


セラが笑う。


「もう仲良しだね。」



---


そして――


旅を終えて船へ戻ると、ミカゲから通信が入った。


『新たな異常を確認しました。』


悠真が苦笑する。


「また?」


『はい。』


ミナが画面を見る。


「これは……。」


宇宙の地図に、巨大な空白がある。


そこには星もない。


惑星もない。


銀河すらない。


しかし、その中心から――。


一つの信号だけが発信されている。


『こちら、世界の外側。』


『お願いがあります。』


『私たちにも、世界をください。』


悠真は黙って画面を見つめた。


あかりが言う。


「世界の外側って……何があるの?」


ミカゲが答える。


『分かりません。』


『だからこそ、調査する必要があります。』


悠真は操縦席に座った。


「じゃあ、次の旅だ。」


きずなの船が、まだ誰も行ったことのない――。


世界の外側へ向けて飛び立った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ