太陽を作った文明
三つの太陽から伸びた光が、宇宙の彼方へ続いている。
ミカゲからの通信が響く。
『あの光の道を進めば、太陽を作った文明へ到達できます。』
悠真は窓の外を見る。
「行ってみよう。」
あかりが頷く。
「トリアの秘密も分かるかもしれないね。」
セラ、アカネ、スイも乗船することになった。
こうして、きずなの船は三つの太陽が作る光の道へ入った。
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光の道
船が光の中を進む。
すると、周囲の景色が次々に変わっていった。
巨大な星。
無数の銀河。
まだ生まれていない世界。
そして――。
遠い昔の宇宙。
ミナが驚く。
「時間そのものを通過しています。」
悠真が聞く。
「過去にも行けるってこと?」
「正確には、過去の記録を通過しているようです。」
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目的地
しばらくすると、光の道の先に巨大な構造物が現れた。
星より大きい。
惑星よりも大きい。
三つの巨大な輪が組み合わされている。
セラが呟く。
「これが……太陽の製造施設?」
ミナが答える。
「はい。」
「名称は――『光炉』。」
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太陽工場
光炉の内部へ入る。
そこには無数の機械が動いていた。
しかし、人の姿はない。
自動装置だけが、何千年も働き続けている。
巨大な光の球が次々と作られている。
あかりが驚く。
「太陽って、ここで作られてたの?」
ミナは首を振る。
「正確には、恒星になる前の『星の種』を作っています。」
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古代文明の記録
中央に巨大な記録装置があった。
そこから映像が現れる。
昔の人々が映っている。
彼らは星を作り、世界を照らしていた。
しかし、ある日――。
記録が途切れる。
そして最後に一人の人物が現れた。
「私たちは、世界を照らすために太陽を作った。」
「しかし、太陽を作りすぎた。」
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大きすぎた力
太陽を作り続けた結果、宇宙のバランスが崩れ始めた。
星が増えすぎる。
世界の温度が変化する。
いくつもの惑星が住めなくなっていった。
そこで文明は、光炉を停止した。
しかし――。
完全には止まらなかった。
最後の命令だけが残った。
『世界を照らし続けよ。』
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トリアの秘密
悠真が気づく。
「だからトリアの三つの太陽も、今も動いてるんだ。」
ミナが頷く。
「おそらく。」
セラが不安そうに尋ねる。
「じゃあ、三つの太陽を止めたら?」
ミナは答える。
「トリアは暗くなります。」
アカネが驚く。
「それは困る!」
スイも頷く。
「でも、太陽を増やし続けるのも危険。」
悠真は考えた。
「止めるか、続けるか――。」
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古代文明の最後の言葉
記録装置が再び動く。
「もし、未来の人々がここへ来たなら。」
「太陽を止める必要はない。」
悠真たちは耳を澄ます。
「太陽を『誰かの命令』で動かすのではなく――。」
「その世界自身に、光の量を決めてもらいなさい。」
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世界に選択を
ミナが理解する。
「つまり、トリア自身が三つの太陽を管理できるようにする。」
悠真が頷く。
「それなら、成長もできる。」
セラが笑う。
「トリアの人々が、自分たちの未来を決められる。」
アカネとスイも賛成した。
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光炉の再設定
悠真たちは光炉の制御室へ向かった。
しかし、中央の操作装置には――。
『管理者の承認が必要です。』
と表示されている。
悠真が尋ねる。
「管理者って誰?」
すると通信が入った。
『私です。』
全員が振り返る。
そこに現れたのは――。
かつて銀河図書館で出会った、カナタだった。
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カナタの新しい仕事
カナタは笑った。
「銀河図書館だけじゃなく、世界の記録管理も担当することになったんです。」
悠真が笑う。
「忙しそうだね。」
「はい。でも楽しいです。」
カナタは操作装置を見る。
「トリアの太陽を、トリア自身が管理する。」
「それなら承認できます。」
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三つの太陽の新しい役割
装置が起動する。
赤い太陽――生命の光。
青い太陽――海と水の光。
白い太陽――植物と大地の光。
それぞれの役割が設定される。
そして最後に、
『世界の意思によって調整可能』
という項目が追加された。
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トリアへ帰る
きずなの船はトリアへ戻った。
三つの太陽が以前とは違う輝き方をしている。
セラが空を見上げる。
「きれい……。」
アカネが笑う。
「これなら、ずっとこの世界で暮らせるね。」
スイも頷く。
「三つの太陽が、それぞれ違うからこそいいんだよね。」
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新しい姉妹
その日の夕方。
トリアの姉妹レンタル受付所に、新しい依頼が入った。
依頼者は――。
三つの太陽の管理システム。
『私は一人で太陽を管理しています。』
『話し相手がほしいです。』
あかりが笑う。
「機械にも姉妹レンタル?」
悠真が頷く。
「もちろん。」
新しい相手として選ばれたのは――。
同じく太陽を管理する、別の人工知能。
二つのAIは最初はぎこちなかった。
しかし、少しずつ会話を始める。
「今日は赤い太陽が少し明るいですね。」
「そうですね。では、少し調整しましょう。」
セラが笑う。
「もう仲良しだね。」
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そして――
旅を終えて船へ戻ると、ミカゲから通信が入った。
『新たな異常を確認しました。』
悠真が苦笑する。
「また?」
『はい。』
ミナが画面を見る。
「これは……。」
宇宙の地図に、巨大な空白がある。
そこには星もない。
惑星もない。
銀河すらない。
しかし、その中心から――。
一つの信号だけが発信されている。
『こちら、世界の外側。』
『お願いがあります。』
『私たちにも、世界をください。』
悠真は黙って画面を見つめた。
あかりが言う。
「世界の外側って……何があるの?」
ミカゲが答える。
『分かりません。』
『だからこそ、調査する必要があります。』
悠真は操縦席に座った。
「じゃあ、次の旅だ。」
きずなの船が、まだ誰も行ったことのない――。
世界の外側へ向けて飛び立った。




