空飛ぶ卵
ハジメの空に浮かぶ、巨大な銀色の卵。
きずなの船が到着すると、ソラが大きく手を振っていた。
「悠真ー! 早く見て!」
悠真たちは空を見上げる。
卵は雲の上に浮かんでいる。
大きさは――なんと家ほどもある。
あかりが驚く。
「本当に卵だ……。」
ナギが言った。
「昨日突然、空に現れたんだよ。」
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卵から聞こえる声
ピシッ……。
また亀裂が入る。
そして――。
「グルルル……。」
悠真が耳を澄ます。
「中に何かいる。」
ミナが調べる。
「生命反応があります。」
「しかも、かなり大きいです。」
ソラが目を輝かせる。
「どんな生き物かな?」
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空の生き物
突然、卵が大きく割れた。
パァァァン!
中から飛び出したのは――。
銀色の羽を持つ、小さな生き物だった。
大きな翼。
丸い目。
長い尾。
そして、頭には小さな角。
「キュルル!」
空を一周すると、きずなの船の上に着地した。
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名前をつけよう
ソラが近づく。
「こんにちは!」
生き物は首をかしげる。
「キュ?」
ソラが悠真を見る。
「名前、どうしよう?」
悠真は笑う。
「自分で決めてもらおう。」
生き物はしばらく考えた。
そして――。
「……ルカ。」
自分の胸を指した。
「ルカ!」
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初めての飛行訓練
ルカは生まれたばかり。
まだ上手に飛べない。
翼を広げる。
バサッ!
少し浮く。
そして――。
ポテッ。
地面に落ちる。
ソラが心配する。
「大丈夫?」
ルカは立ち上がる。
「キュ!」
もう一度挑戦。
今度は少し高く飛んだ。
「飛べた!」
あかりが拍手する。
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ハジメの空
ルカはどんどん飛べるようになった。
山を越える。
雲を抜ける。
海の上を飛ぶ。
そして、ハジメを一周する。
戻ってきたルカは、ソラの肩に着地した。
ソラが笑う。
「ハジメって、空から見るときれい?」
ルカは元気よく鳴いた。
「キュルル!」
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しかし――
その夜。
ルカが突然、空を見上げた。
「キュ……。」
悠真が尋ねる。
「どうした?」
ルカは遠くを指す。
空の彼方に――。
巨大な黒い雲が見える。
ミナがレーダーを確認する。
「雲ではありません。」
「未知の飛行物体です。」
あかりが驚く。
「飛行物体?」
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空から来たもの
黒い影は、ハジメへ近づいてくる。
その正体は――。
巨大な鳥のような生き物だった。
しかし、ルカとは比べものにならない。
翼を広げると、町全体を覆うほど。
ソラが驚く。
「あれ、ルカのお母さん?」
ミナが首を振る。
「生物反応を比較します。」
しばらくして――。
「親子関係はありません。」
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空の王
巨大な鳥が鳴く。
「グォォォォ!」
その声だけで、雲が大きく揺れる。
ルカは震えている。
悠真がルカのそばに立つ。
「怖い?」
ルカは小さく頷いた。
「でも、大丈夫。」
「僕たちが一緒にいる。」
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対話
悠真は通信装置を使って、巨大な鳥に呼びかけた。
「僕たちは敵じゃない。」
鳥はしばらく悠真たちを見つめる。
そして――。
『この星に、私の卵がある。』
全員が驚いた。
あかりがルカを見る。
「じゃあ……。」
鳥が続ける。
『その子を探していた。』
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ルカの選択
ルカは巨大な鳥を見る。
そして、ソラを見る。
ソラが言う。
「ルカ。」
「お母さんのところへ帰りたいなら、行っていいよ。」
ルカは少し考える。
そして――。
ソラの肩に顔を寄せた。
「キュ……。」
悠真が笑う。
「どうやら、まだここにいたいみたいだ。」
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空の王との約束
巨大な鳥は怒らなかった。
むしろ静かに翼をたたんだ。
『分かった。』
『この星には、もう一つの家族ができたようだ。』
そして、ルカに向かって言う。
『空を飛ぶなら、自由に飛びなさい。』
「キュ!」
巨大な鳥はハジメを一周してから、宇宙へ飛び去っていった。
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空の家族
ソラがルカを見る。
「じゃあ、これから一緒に暮らそうね。」
ルカは嬉しそうに鳴く。
「キュルル!」
ナギが言う。
「家族が増えたね。」
悠真も笑った。
「うん。」
ハジメには、
ソラ。
ナギ。
そしてルカ。
三人の仲間ができた。
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新しい依頼
翌朝。
新・姉妹レンタル本部に通信が入った。
『依頼:ルカのために、空の家を作ってほしい。』
悠真が笑う。
「空の家?」
あかりが空を見上げる。
「面白そう!」
ミナが設計を始める。
「では、雲の上に浮遊施設を建設しましょう。」
ソラが喜ぶ。
「ルカ専用の家!」
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きずなの船が建設資材を運び始める。
ところが――。
ルカが空へ飛び立った直後。
遠くの宇宙に、銀色の光が現れた。
その光は、巨大な翼の形をしていた。
ミナがレーダーを見る。
「……また生命反応です。」
悠真が尋ねる。
「今度は何?」
ミナは画面を見て答えた。
「ハジメの外から、たくさんの飛行生物が近づいています。」
あかりが驚く。
「たくさん!?」
ルカが空高く舞い上がる。
そして、遠くの群れへ向かって――。
「キュルルルー!」
と鳴いた。
ハジメの空に、新しい仲間たちがやって来る。




