最初の姉妹
はじまりの庭に現れた、巨大な扉。
そこに刻まれていた言葉――。
『最初の姉妹が待っています。』
悠真たちは扉の前に立った。
あかりが尋ねる。
「最初の姉妹って……誰?」
セナは静かに答えた。
「姉妹レンタルが生まれるより、ずっと前から存在していた二人です。」
ミナが驚く。
「ユナとミナト……?」
「いいえ。」
セナは首を横に振った。
「もっと前です。」
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扉の向こう
悠真が金色の鍵を差し込む。
カチッ。
扉が開く。
その先にあったのは――。
小さな家。
庭。
一本の大きな木。
そして、二人の少女。
二人は木の下で並んで座っていた。
悠真たちを見ると、立ち上がる。
「こんにちは。」
悠真が尋ねる。
「君たちは?」
一人が答えた。
「私はエナ。」
もう一人が笑う。
「私はリナ。」
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世界が生まれる前
セナが説明する。
「この二人は、人間ではありません。」
あかりが驚く。
「えっ?」
「世界がまだ存在しなかった時代に生まれた、最初の『つながり』です。」
エナとリナは、世界が一つも存在しなかった頃から一緒にいた。
星もない。
時間もない。
何もない空間。
その中で二人だけが存在していた。
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最初の約束
エナが話す。
「最初は、私たちの他には誰もいませんでした。」
リナが続ける。
「だから、私たちは約束したんです。」
『いつか、たくさんの世界が生まれたら、みんなが出会える場所を作ろう。』
その約束から、世界の種が生まれた。
星が生まれた。
生命が生まれた。
そして――。
姉妹レンタルへとつながっていった。
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どうして姉妹なの?
悠真が尋ねる。
「どうして最初から『姉妹』だったの?」
エナが笑う。
「血がつながっていたからではありません。」
リナも頷く。
「お互いを大切にすると決めたからです。」
「一緒にいることを選んだから。」
悠真は今までの旅を思い出した。
ユナとミオ。
ノアとリナ。
ソラとナギ。
そして、これまで出会った数え切れない人たち。
みんな最初は他人だった。
でも、一緒に過ごすことでつながっていった。
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最後の試験
すると、家の前に三つの道が現れた。
セナが言う。
「最後の試験です。」
一つ目の道には、
『同じになる』
二つ目には、
『離れる』
三つ目には、
『つながる』
と書かれている。
あかりが言った。
「答えは三つ目じゃない?」
セナは笑う。
「それは、悠真さんたち自身で決めてください。」
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三つの道
最初の道を進めば、すべての世界を一つにできる。
争いもなくなる。
違いもなくなる。
二つ目の道を進めば、世界は完全に独立する。
誰も干渉できない。
しかし、二度と会えなくなる。
三つ目の道――。
世界はそれぞれ違ったまま。
でも、橋を渡れば会いに行ける。
悠真は迷わなかった。
「三つ目。」
あかりも頷く。
「私も。」
ミナも。
「賛成です。」
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世界に橋を
エナとリナが手をつなぐ。
すると、二人の足元から巨大な光が広がった。
フェリスへ。
セレニアへ。
地球Aへ。
地球Bへ。
第三地球へ。
第四地球へ。
アースリアへ。
ハジメへ。
失われた世界へ。
そして、まだ生まれていないミライへ。
世界と世界の間に、無数の橋が架かっていく。
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銀河中に届く声
原初局の全通信が一斉に開いた。
セナが銀河中へ呼びかける。
「これから、世界同士を自由につなぎます。」
「ただし、一つの世界を別の世界に変えることはありません。」
「それぞれの違いを残したまま、互いに知ることができる世界へ。」
各地から返事が届く。
『賛成!』
『ぜひ遊びに来て!』
『こちらにも来てください!』
銀河中が、まるで一つのお祭りのように明るくなった。
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最初の橋を渡る
悠真たちは、最初の橋を歩く。
向こう側に見えたのは――。
ハジメ。
ソラとナギが手を振っている。
「悠真ー!」
「あかりー!」
あかりが手を振り返す。
「また会えた!」
その隣には、名前を取り戻した世界のユナとミオ。
さらに失われた世界のノアとリナ。
そして、まだ生まれたばかりのミライのユイ。
みんなが一つの場所に集まり始める。
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姉妹レンタル本部、新設
エナが悠真に言った。
「これで、私たちの役目も終わります。」
悠真が驚く。
「じゃあ、これからは?」
リナが笑う。
「あなたたちが決めてください。」
そこで悠真が提案した。
「だったら、銀河中の世界をつなぐ新しい本部を作ろう。」
あかりが賛成する。
「名前はどうする?」
悠真は少し考えて――。
「新・姉妹レンタル本部。」
みんなが笑った。
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最初の依頼
新しい本部が完成した翌日。
受付に、一通の依頼が届いた。
ミナが読み上げる。
『依頼者:ハジメ』
『内容:もっとたくさんの生き物と友達になりたい。』
ソラからの追加メッセージ。
『今度は空を飛べる生き物がほしい!』
悠真は笑った。
「さっそく新しい依頼だ。」
あかりが言う。
「行こう!」
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きずなの船が再び動き出す。
今までの旅は、世界を探す旅だった。
これからは――。
世界と世界をつなぐ旅。
銀河のどこかで、誰かが待っている。
新しい友達。
新しい姉妹。
新しい世界。
そして――。
まだ見ぬ冒険。
悠真は操縦席から前を見た。
「次は、どんな世界かな?」
その瞬間、レーダーに巨大な反応が現れた。
ミナが叫ぶ。
「前方に未知の世界!」
あかりが身を乗り出す。
「どんな世界?」
ミナは画面を見て、しばらく固まった。
「……世界全体が、巨大な図書館です。」
悠真が笑う。
「それは面白そうだ。」
きずなの船は、巨大な本のような惑星へ向かって加速した。
新章――『銀河図書館編』開幕。




