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世界が生まれる場所

金色の扉の向こう。


そこには、星も銀河もなかった。


ただ――無数の光が漂っている。


悠真たちは、きずなの船からその光景を見つめていた。


ミナが解析する。


「通常の空間ではありません。」


「時間も、距離も、ここでは意味を持っていないようです。」


あかりが窓の外を見る。


「じゃあ、ここは何なの?」


その時、通信が入った。


「ここは『はじまりの庭』です。」



---


はじまりの庭


現れたのは、セナだった。


「この場所では、これから生まれる世界の種が育てられています。」


悠真が驚く。


「世界って、最初から作られてるんじゃないんだ。」


「はい。」


「世界には、それぞれ『始まりの種』があります。」


周囲を見ると、無数の小さな光が浮かんでいる。


青い光。


赤い光。


緑の光。


紫色の光。


それぞれが、違う世界になる可能性を持っている。



---


小さな世界


その中に、一つだけ妙に小さな光があった。


悠真が近づく。


「これは?」


セナが答える。


「まだ何も決まっていない世界です。」


「名前もありません。」


「住人もいません。」


「歴史もありません。」


あかりが笑う。


「ハジメと同じだね。」


「はい。」



---


すると、その小さな光から声がした。


「……怖い。」


悠真が驚く。


「また、しゃべった!」


光が震える。


「何になればいいのか分からない。」


悠真は少し考えてから答えた。


「何にならなくてもいいんじゃない?」


「自分で決めればいい。」



---


世界にも自由を


光が尋ねる。


「自分で決めてもいいの?」


あかりが答える。


「もちろん。」


「海を作っても?」


「うん。」


「山を作っても?」


「うん。」


「何も作らなくても?」


悠真が笑う。


「それも自由。」


光が少し明るくなる。



---


世界の名前


「じゃあ、名前は?」


光が尋ねる。


悠真は答えなかった。


「それも、自分で決めてみよう。」


光は長い時間考えた。


そして――。


「ミライ。」


あかりが笑う。


「いい名前!」


光は嬉しそうに輝いた。


『世界名――ミライ。』



---


最初の住人


すると、ミライの中心に小さな星が生まれた。


その星に、最初の住人が現れる。


小さな女の子。


女の子は周囲を見回す。


「ここ……どこ?」


ミライが答える。


「あなたの世界です。」


女の子が驚く。


「私の?」


「はい。」


「じゃあ、名前をつけて。」


女の子は考えた。


「私は……ユイ。」



---


姉妹レンタルの始まり


ユイは一人だった。


でも、寂しくはなかった。


ミライという世界そのものが、いつも話しかけてくれるからだ。


「今日は何を作る?」


「海!」


「明日は?」


「森!」


二人は少しずつ世界を作っていく。


そして悠真は気づいた。


「これって……。」


あかりが頷く。


「姉妹レンタルだね。」


世界と住人。


二人は血のつながりはない。


姿も違う。


でも、お互いを大切に思っている。



---


すべての始まり


セナが言った。


「これが姉妹レンタルの本当の意味なのかもしれません。」


悠真が振り返る。


「どういうこと?」


「姉妹レンタルは、人と人をつなぐだけではありません。」


「世界と、そこに生きる人をつなぐこと。」


「そして――。」


「まだ生まれていない未来とも、つながることです。」



---


原初局からの緊急通信


その瞬間。


警報。


原初局から緊急通信が入った。


『未知の世界種を確認。』


ミナが画面を見る。


「この反応……。」


悠真が尋ねる。


「何?」


ミナの表情が変わった。


「これまでのどの世界よりも大きいです。」


画面いっぱいに、一つの巨大な光が映る。


セナが言った。


「これは、普通の世界種ではありません。」


「では、何?」


セナは答えた。


「すべての世界を包み込む――『最後の世界』です。」



---


最後の世界


巨大な光の中に、無数の世界が映っている。


地球。


フェリス。


セレニア。


ハジメ。


アースリア。


失われた世界。


そして、まだ生まれていない無数の世界。


それらすべてが、一つの光の中につながっている。


悠真が呟く。


「全部が一つになってる……。」


セナが頷く。


「この世界が生まれれば、すべての世界が一つにつながります。」


あかりが尋ねる。


「それって、いいことじゃない?」


セナは首を横に振った。


「問題があります。」



---


「一つになる」ということ


セナは説明する。


すべての世界が一つになれば、距離もなくなる。


いつでも会える。


どんな世界にも行ける。


でも――。


それぞれの世界の違いも、失われる可能性がある。


悠真は黙った。


フェリスはフェリス。


地球は地球。


ハジメはハジメ。


それぞれ違うからこそ、旅する意味がある。



---


セナが尋ねる。


「悠真。」


「あなたなら、どうしますか?」


悠真はしばらく考えた。


そして――。


「全部を一つにする必要はないと思う。」


「世界は、それぞれ違っていていい。」


「あかりも、ミナも、ソラも、ノアも。」


「みんな違う。」


「でも、つながることはできる。」



---


その言葉に反応して、巨大な光が輝いた。


シュオォォォン――!


そして画面に新しい文字が現れる。


『理解しました。』


『世界を一つにするのではなく――。』


『世界と世界の間に、橋を作ります。』


悠真が笑う。


「それなら――。」


あかりも笑った。


「みんなが会いに行けるね。」



---


そして、はじまりの庭に巨大な橋が出現する。


橋の先には――。


銀河中のすべての世界。


しかし、その橋の一番奥には、まだ誰も見たことのない扉が一つだけ残っていた。


扉には文字が刻まれている。


『最初の姉妹が待っています。』


悠真が目を見開く。


「最初の姉妹……?」


セナが静かに頷く。


「はい。」


「この旅の、本当の始まりです。」

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