それぞれの告白
最終選択を前にした夜。
悠真たちは、姉妹レンタル本部の庭にあるベンチに座っていた。
夏の夜空には、たくさんの星が輝いている。
「なんだか、不思議だな。」
悠真がつぶやく。
「一か月前は、俺一人で静かな毎日を過ごしていたのに。」
「今は、こんなに大切な人たちがいる。」
その言葉を聞いて、さくらは優しく微笑んだ。
「悠真くんは、本当に優しいね。」
「最初はね、ただ契約だからって思ってたの。」
「でも、一緒にご飯を食べたり、笑ったり、困った時に助けてもらったり……。」
さくらは少し照れながら続ける。
「いつの間にか、本当のお兄ちゃんみたいに思ってた。」
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その後、ひまりが悠真の隣に座る。
「……私も話していい?」
「もちろん。」
ひまりはしばらく黙ったあと、小さな声で言った。
「最初は、あなたのこと苦手だった。」
「何でも心配して、何でも助けようとして。」
「でも……。」
ひまりは夜空を見る。
「気づいたら、その優しさが当たり前になってた。」
「あなたといる時間が、楽しかった。」
「だから……。」
ひまりは顔を赤くしながら言った。
「契約が終わっても、忘れないでほしい。」
悠真は静かにうなずいた。
「忘れるわけない。」
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最後に、美咲がやって来た。
「私も言いたいことがある。」
幼なじみの美咲は、いつもの明るい笑顔ではなく、少し真剣な表情だった。
「悠真は昔から変わらないよね。」
「困っている人を見ると、絶対に放っておけない。」
「だから……私はずっと、そんな悠真のことが好きだった。」
悠真は驚く。
「美咲……。」
「でもね。」
美咲は笑った。
「今は、私だけの気持ちを押しつけたくない。」
「悠真が本当に幸せになれる答えを選んでほしい。」
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三人の想いを聞いた悠真。
胸の中には、たくさんの思い出が浮かんでいた。
初めてさくらが作ってくれた朝ごはん。
ひまりが照れながら渡してくれたぬいぐるみ。
美咲と昔から過ごしてきた時間。
どれも大切だった。
翌朝。
いよいよ最終選択の時間。
本部の部屋で、女性が尋ねる。
「春川悠真さん。」
「あなたの答えを聞かせてください。」
静かな部屋。
さくら、ひまり、美咲が見つめる中。
悠真はゆっくり口を開いた。
「俺が選ぶのは――」
その瞬間、時計の針が午後六時を指した。




