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はじめましての星

白い空間に生まれた、小さな星。


そして聞こえてきた声。


「……こんにちは。」


悠真たちは、しばらく黙っていた。


あかりが小声で言う。


「今……星がしゃべった?」


ミナが計器を確認する。


「生命反応……ありません。」


「でも、通信反応はあります。」


悠真が通信を開く。


「こんにちは。」


すると、また声が返ってきた。


「こんにちは。」



---


名前のない星


悠真が尋ねる。


「君の名前は?」


少しの沈黙。


「……名前はありません。」


あかりが驚く。


「名前がないの?」


「はい。」


「私は、まだ生まれたばかりだから。」


悠真は考える。


「じゃあ、自分で名前をつけてみたら?」


星はしばらく黙った。


そして――。


「……決め方が分かりません。」



---


最初の選択


ミナが言う。


「この世界には、まだ何も決まっていないんですね。」


「地形も、文化も、都市も。」


悠真が笑う。


「じゃあ、最初の一歩を一緒に作ろう。」


あかりが頷く。


「まずは名前!」


船内のみんなで名前を考える。


「ホシノ?」


「スター?」


「アリア?」


いろいろな候補が出る。


しかし、星はどれも選ばない。



---


星自身の名前


悠真が尋ねる。


「どんな名前がいい?」


星は答えた。


「私は、みなさんが来てくれたことを覚えていたいです。」


「だから……。」


少し間を置いて、


「『ハジメ』がいい。」


あかりが笑う。


「いい名前だね。」


悠真も頷く。


「うん。」


こうして、名前のない星は――。


ハジメ


という名前を持った。



---


最初の住人


すると突然。


ハジメの地表に、一つの光が降りた。


ポンッ。


小さな生命体が現れる。


丸い体。


大きな目。


そして小さな手。


「こんにちは!」


あかりが驚く。


「住人が生まれた!」


小さな生命体は悠真たちを見る。


「あなたたちは誰?」


悠真が答える。


「旅人だよ。」


「君は?」


「僕?」


生命体は少し考える。


「僕も、名前がない。」



---


最初の住人に名前を


また名前を考えることになった。


しかし、今度は悠真が言った。


「自分で決めてみよう。」


小さな生命体は悩む。


そして――。


「……ソラ。」


「空が好きだから。」


あかりが笑う。


「ソラ。いい名前だね。」


ソラは嬉しそうに笑った。


「ありがとう!」



---


姉妹レンタル、開始


ソラは一人だった。


ハジメも生まれたばかり。


悠真は思いつく。


「だったら……。」


あかりが振り返る。


「姉妹レンタル?」


「うん。」


ソラとハジメ。


一人の住人と、一つの星。


普通なら「姉妹」にはなれない。


でも――。


ハジメはソラを守る。


ソラはハジメのことを知ろうとする。


二人は一緒に暮らし始める。



---


小さな約束


ソラがハジメに言う。


「明日は海を作ろう。」


ハジメが答える。


「うん。」


「その次は森。」


「うん。」


「いつか、もっとたくさんの人が住める星にしよう。」


「一緒に?」


ソラは笑った。


「もちろん。」


その瞬間。


ハジメの空に、初めて雲が生まれた。



---


銀河記憶庫に新しい記録


原初局では、新しい記録が追加された。


『世界名:ハジメ』


『最初の住人:ソラ』


『最初の約束:一緒に世界を作る』


セナはその記録を見て微笑む。


「これで、この世界にも物語が生まれました。」



---


悠真たちの旅


悠真たちはハジメを離れることにした。


ソラが手を振る。


「また来てね!」


悠真も手を振る。


「もちろん!」


あかりが叫ぶ。


「海ができたら見に来るからね!」


ハジメも声を送る。


「待っています!」


きずなの船が出発する。



---


しばらくして、ミナが航路を確認した。


「次の目的地をどうしますか?」


悠真は笑う。


「まだ決めてないよ。」


あかりが言う。


「じゃあ、偶然に任せよう。」


その瞬間。


船の前方に、小さな光が現れた。


ミナが驚く。


「これは……航路ではありません。」


悠真が笑う。


「だったら、行ってみよう。」


船が光へ近づく。


すると、そこから聞こえてきた。


「助けてください。」


悠真が通信を開く。


「誰?」


返ってきたのは――。


これまで聞いたことのない、たくさんの声。


「私たちは、名前を失いました。」


「自分が誰なのか、分かりません。」


悠真は真剣な表情になる。


「名前を失った世界……?」


ミナが画面を確認する。


そして、驚くべき表示が出た。


『推定人口――数百億。』


あかりが目を丸くする。


「そんなにたくさん……?」


悠真は前を見つめる。


「今度は、みんなの名前を取り戻す旅だ。」


きずなの船は、新たな世界へ向かって進んでいった。

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