架空の人物を主人公にしたら~大森南大と金子奈美の歴史談義(1)
俺と彼女は、歴史談義に花を咲かせていた。
同じ歴史好きということもあり、話が盛り上がって、それ以外のことは忘れてしまうほどだ。
金子奈美「どうせなら、『架空大河ドラマ』でしか書けないような、架空の人物の架空の話とか、時代を超えて同じ物語に登場するとか、そういう話にしましょうよ。」
彼女が、こんな提案をしてきた。
著名な作家が書いた小説は数多い。
たとえば、夏目漱石なら、夏目漱石の生涯ではなくて、『吾輩は猫である』の猫を主人公にして、
大河ドラマの枠でやるとか、
要するに、そういうことだ。
彼女の本棚には、『シェイクスピア全集』もある。シェイクスピア作品の登場人物たちもまた、
『人物!誰でも人物伝!』の調査対象だ。
金子奈美「大森君がロミオ、私がジュリエットね。
それでね、ロミオとジュリエットは、死なないで、めでたく結ばれる、両家の人たちも、仲直りして二人の結婚を祝うって話にしようよ。」
彼女の方が、ずっと年下なのだが、俺のことを『大森君』と呼ぶ。
それにしても、彼女は魅力的だ。もうずっと、恋愛など忘れ去っていたのだが、老いらくの恋とでも言うべきか、年甲斐もなく彼女に魅力を感じている。
「たしか、実際のロミオとジュリエットは、両家の対立で、ついに殺し合いにまで発展してしまうんだよね。
2人の死後にようやく和解に向かうものの、時既に遅し、結局は両家とも断絶してしまうんだ。」
彼女はポジティブ、俺はネガティブな思考がついつい出てしまう。
金子奈美「お父様、お母様、先立つ不幸をお許しください。
この世で結ばれないのであれば、せめて
あの世で幸せになります。
こんな感じの、物語として伝えたかったのかな、シェイクスピアは。」
調べれば調べるほど、新たな発見があったりするものだな。
さて、もう夜も遅くなったし、今日のところは、もう寝るとしようか。
まだまだ歴史談義に花を咲かせたいところだが、それでも睡眠だけは、しっかり取っておかないとな。
なお、ロミオとジュリエットの初演はというと、諸説あるが、1595年頃という。
日本では、豊臣秀吉が文禄、慶長の役で、
朝鮮に出兵していた頃の時代だという。




