表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/21

お互いに語り合おう【大森南大】

俺は、大森南大。1977年生まれの、就職氷河期世代だ。

2000年に、四年制大学を卒業して就職した世代だ。高卒なら、1996年に卒業して、就職した世代だ。


生まれたのは1970年代だが、物心ついたのは、1980年代に入ってからだ。


とある地方都市の出身で、俺が物心ついた頃はまだ、今よりも賑わっていた。

よく親に、中心街まで連れていってもらっていた。俺は行くのを渋って、ぐずっていたのを今でも覚えている。

駅前にあった一番大きな百貨店は、どうにか残っているが、当時あった多くの店は、今はもう無い。駅前通りから周辺にかけては再開発が進み、高層マンションばかりが立ち並び、かつての面影は無い。

小学生の頃はファミコン、中学生に入るとスーパーファミコンにハマり、ゲームばかりやっていた。


小5の時に昭和天皇が崩御。昭和から平成になったその日も、ファミコンをやっていた。

小6の時に、ベルリンの壁が崩壊した。

翌年に、東西ドイツが統一。

小学校を卒業し、中学校に入ると、人並みに思春期を迎える。

まさに、思春期に少年から大人に変わる時期に、入っていく。


中2の時に、バブルが弾け、平成不況に入り、そこから『失われた30年』と呼ばれるようになり、

俺らが就職氷河期世代と呼ばれるようになる要因となる。

たしか、堺屋ナニガシとかいうエセ評論家、エセ有識者が、『失われたウン十年』と命名したんだということを、聞いたことがある。

これは、俺らが悪いんじゃない、俺らよりも、

上の世代が悪いんだ。

俺だけじゃない、俺と同世代の人たちは、みんな、そうだったんじゃないか。


この時期は、特に俺らが中学、高校、大学の頃は、音楽CDが100万枚、200万枚と、当たり前のようにバカ売れしていた。

みんなが買って聞いていたから自分も、といった感覚で、新曲がリリースされるたびに、次から次へと、買いあさっていた。


高2の時に、阪神・淡路大震災。同年に、

オウム真理教が地下鉄サリン事件を起こした。

バブルが弾けて間もない頃は、そのうちまた景気が良くなるさ、などという楽観論もあったようだ。

しかし、景気は良くなるどころか悪くなる一方、それでもどうにか、第一希望の就職先ではなかったにしろ、就職なり何なりして、どうにか平成から令和を生き抜いてきた。


時は流れ、2026年になった。


今年で49歳。織田信長が本能寺の変で死んだ年だ。戦国時代だったらとっくに死んでいるな。

我ながら、よくもまあ、ここまで生き延びてこれたものだ。

自分たちの生きてきた時代も、いずれ歴史のヒトコマになっていく。そうでなければ何のために生きているのかわからない。

僕らの世代も、いずれ死に絶えていく。

その時に、僕らの世代が残してきたものは、残っていくのか?


著名な人物たちの死は、ただ単にその人物の死というだけでなく、その人物が活躍した時代が、それだけ遠い時代になったということ、一つの時代の終わりを告げる事象として伝えられる。

そして、『失われたウン十年』と命名した、堺屋ナニガシも、先に死んだ。

その瞬間瞬間を見届けていく、そして、この年齢になったら、この歴史上の人物は、この年齢で死んだんだな、と思いながら、その年齢の誕生日を迎える、そうして生きてきた。命脈をつないできた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ