第4-0.5話 異世界大公、転校生になるまで
何で学校に行けたんだろって思ってカチカチしてたらできちゃった
4話書いた後に思い付いたからね4-0.5話
真弥の拠点作りが進んだ日の夕方。
「……さて。」
心春はスマートフォンを見る。
「どうしよう。」
「どうしました?」
真弥が首を傾げる。
「真弥くんを学校に通わせるには、手続きが必要なんだよね。」
「手続き?」
「うん。」
心春は困った顔になる。
「転校届とか、住民票とか、身元確認とか……。」
「なるほど。」
真弥は頷く。
「この世界の社会制度ですね。」
「そう。」
「でも……。」
心春は机の上に置かれた銀色の身分証を見る。
《帝国大公位》
《帝国大学創設者》
《皇帝直属情報管理権限》
「これ、日本の役所で出して大丈夫なのかな……。」
「普通に出せると思いますが?」
「たぶん普通じゃないよ……。」
そこで心春は学校の司書先生に相談した。
「異世界から来た生徒……ですか。」
司書先生は少し考える。
「念のため、専門の窓口に連絡しましょう。」
「専門の窓口?」
「異世界来訪者対応窓口です。」
「……そんなものがあるんですか?」
「あります。」
司書先生は淡々と答えた。
「過去にも数件、異世界から来た方が確認されていますから。」
心春は固まった。
「この世界……思ったより異世界慣れしてる……。」
数時間後。
旧校舎に一人の女性が訪れた。
落ち着いた雰囲気。
眼鏡。
手には書類。
「失礼します。」
「あなたが?」
「はい。」
女性は軽く頭を下げる。
「異世界来訪者保護支援室の担当です。」
心春は思わず聞き返す。
「本当にあるんですね……。」
「あります。」
女性は即答した。
「ただし、利用者は少ないです。」
そして真弥を見る。
「……なるほど。」
「?」
「これは珍しいですね。」
「何がですか?」
女性は真弥の身分証を見る。
そして数秒沈黙した。
「……」
「どうしました?」
「いえ。」
女性は眼鏡を直す。
「確認作業が必要だと思っただけです。」
「すごい人なんですか?」
心春が聞く。
女性は少し考える。
「簡単に言えば。」
「あなたが拾ったのは――」
「異世界の国家級人物です。」
「えぇ……。」
真弥は笑顔で手を上げる。
「よろしくお願いします!」
女性は少し困った顔をした。
「……本人はかなり普通ですね。」
そして。
その女性によって、
住居確認。
身元確認。
学校編入。
すべての手続きが進められることになった。
翌朝。
朝日が旧校舎の窓から差し込み、部屋を優しく照らしていた。
「……おお。」
鈴野真弥は制服姿の自分を鏡で見つめる。
――第4話へ続く。




