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待つという攻撃
何もしない三日間が始まった。
青瓶薬房の床下で、リオルは死者名簿を増やし、ニコの傷を洗い、フィナの糸を読み直す。外では監視役が交代し、王都の掲示板から古い人相書きが一枚ずつ剥がされていった。
敵は彼らが焦って動くと考えている。薬房から証拠を持ち出す者、施療院へ忍び込む者、王城へ告発に向かう者。そのどれかを待っていた。
だから普段の仕事だけを続けた。
ミアは往診へ出て、オルドは薬包の説明書を印刷する。エマは近隣商店の税計算を手伝い、ノルは表へ出ずに王国法を写した。
リオルも薬草を刻んだ。刃を握るより細かな作業で、十二年間固まった指を戻す。
復讐とは、怒りに任せて前へ出ることだと思われている。だが相手が動くまで生活を崩さず待つことも、十分に攻撃だった。
三日目の夜、九指のロッカから空箱が戻った。王都外の印刷所へ帳簿は届き、同時に次の北方便が明朝出るとの情報が添えられている。
施療院の荷車は六台。五台は薬、最後の一台だけ車軸が二重になっている。
待ったことで、敵自身が原本へ続く道を用意した。
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