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死亡者からの名簿
監督官は指定時刻より早く現れた。
顔を隠した二人の兵を伴い、ベルタから紙を奪うように受け取る。そこにリオル一人の名しかないと知ると、紙を破らず懐へ入れた。
「薬房にいるのか」
ベルタは答えず、教えられたとおり空桶を見つめた。
路地の屋根からノルが監視し、離れた露店でガレスが退路を追う。リオルは姿を見せない。監督官を捕らえても、上の命令経路が途切れるだけだ。
男は地下牢へ戻らず、王立施療院の裏門へ入った。そこで白い外套の事務官へ紙を渡す。事務官は内容を見るなり、北区へ伝令を走らせた。
薬と給餌費の流出は施療院を中継している。ミアが保管していた盗難記録と一致した。
さらに監督官が捨てた封筒から、細かな赤土が落ちた。ニコがいた北方鉱山の坑道土と同じ色だと、坑夫が確かめる。
一本の荷運び経路が見え始めた。鉱山から白蝋と命令書が王都へ入り、帰りの箱で署名済み契約と薬、金が北へ運ばれる。
リオルはその日のうちに踏み込まなかった。今はまだ一人の監督官と一人の事務官しか確認できていない。
荷が次に動く日まで待てば、原本の保管場所へたどり着ける。
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