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追跡命令の顔
昼を過ぎると、王都の掲示板へ脱走者の人相書きが貼られた。
リオルの顔は十二年前のまま、十六歳の少年として描かれている。罪状は反逆、殺人、王家への呪詛。今回の脱走については一行もない。
「生存を公にできないんです」
ノルが紙を見上げた。死刑執行済みの人間が地下牢から逃げたと認めれば、王国自身が十二年間の違法拘禁を告白することになる。
その代わり、オルドたちには新しい似顔絵が使われていた。追跡の中心はリオルではなく、証拠を持ち出した囚人たちへ向けられている。
ガレスは詰所から戻らなかった。勤務中の衛兵として情報を集めているが、地下牢との関係が露見すれば捕まる。
薬房の外を巡回する兵が二倍になり、ミアは表の診療を止めずに患者を迎え続けた。急に閉めれば、かえって疑われる。
リオルは床下で人相書きを裏返した。紙の裏に、白い蝋を扱う印刷所の透かしがある。
追跡命令そのものも、北方鉱山とつながった紙で作られていた。
敵は彼の生存を隠したい。しかし証人は消したい。その矛盾は、動くたびに新しい痕跡を残す。
リオルは追われる側でありながら、初めて相手の足跡を見つけ始めていた。
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