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鬼姫と呼ばれた元ヤンが気弱令嬢に転生した件〜令嬢ライフも、意外といいものだな!〜  作者: seika


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20/30

打開策とは?

「……本題に入りますが、何か打開策は浮かびましたか?」


 先程までの表情が一転し、真剣な顔つきになった。領主モードだ。


「水は溜めた雨水を使ってるんだよな。シャナの家には樽が一つだけあって、その水が次の雨の日までの分だと言っていたが、どこの家も同じか?」


 シャナとは昨日お世話になった女の人で、この村にいる間はずっと世話になる予定だ。


「ええ。雨が降ったら、樽を外に一晩中置いて水を溜めるそうです。家ごとに樽の大きさや家族の人数にもよりますが、一週間に一度は雨が降らないと厳しいでしょう」


「……なんとかしないとな。私達の屋敷では水道から水が流れるが、それはどうなっているのだ?」


 家の水は、水道管から流れてる。という程度の知識しかなかった。側から聞けば、馬鹿な質問に聞こえたかもしれないが、ルーカスは笑わなかった。


「上流にある泉から引かれています。高低差を利用し、管を通して水源から水を引く仕組みだと聞いています。ですが、それをこの村で一から整えるとなると……控えめに見積もっても、金貨100枚は必要になります」



 あたしは、重大な見落としをしていた事に気付いてしまった。


「……その金貨100枚ってのは、どれくらいだ」


 ルーカスは目を見開いて固まった。「お金の常識すら分からないなんて」と思われただろう。子供でもお使いができるというのに。


 でも仕方がないだろう。この国の金なんて実物を見る機会がなかった。買い物は全部兄任せ、街に出てもドレスや装飾品の店ばかりで欲しいものなんてなかった。


 ルーカスはごほんと咳払いをした。懐に手を入れるが、すぐに動きが止まった。


「……失礼。硬貨はいつもグレイに持たせているので」


 あたしに見本として見せようとしてたのか。

 ルーカスはそこら辺に落ちていた木の棒を拾ってきた。しゃがみ込んで、土の上に小さな円と数字を描いていく。


「王家の紋章の刻まれたものが硬貨で、金属の色で区別されています」


 銅貨→日常の買い物・端金

 銀貨→月の生活費・給金

 金貨→貴族・国家事業・領地運営などに使われます。


 平民が一か月暮らすのに、銀貨15枚。それに対して、金貨100枚ともなれば、小さな村に注ぎ込む額ではないと、父上から言われるでしょう。他の小さな村では、井戸を数か所設置して対応しているそうです」


 井戸か、昔話とかに出てくるやつだろ。あれは飲み水にも使われてたのか。


「ただし、井戸を掘るには水脈を探さなければなりません。専門の者を呼んだとしても、完成までには一年は見ておく必要があります。


 ですが、うまくいけば常に清潔な水を確保できますし……費用も一基あたり金貨1枚程度でしょう。父上に掛け合ってみる価値はあります」


「その間、水はどうする?」


「現状では、雨水しかありません」


「なら、村全体で雨水を貯められないか?」


 ルーカスは顎に手を当てて、眉をひそめた。


「それは、難しいかもしれません。共同管理は揉め事の原因になりやすい。

 奪い合いや、独り占めする者が出てくる可能性も高いでしょう。何より、そんな大量の水を溜められる器があるか……」



「……あるな」

「……ありますね」


 二人の視線が、同じ方向へ向いた。


「……ですが、上手くいく保証は――」

「要はさ、みんなで守るもんだって思わせりゃいいんだろ?」

「何か考えがあるのですか?」

「まあ、任せとけっての。村の連中を集めてくれ」

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