4.1年生と。
「えー、教育係の木下莉央です。1年間よろしくね」
「同じく、藤澤楓です。1年間よろしく」
一部を除いたぎこちない拍手と緊張の色が見て取れる固まった顔。
今、私と藤澤は1年生と他教室に放り込まれていた。
ゆいか曰く「仲良くなっておいで!」だそう。実にゆいからしい。
「あ、皆んな入学して2日だもんね。一応自己紹介しようか。他クラスでも結構関わり合ったりするから」
「そうだな。じゃあさっき突っかかってきた1年から」
「ちょ、藤澤。あんたのそういうところ好きだけど今じゃない」
いつものように軽口の叩き合いが始まりそうになった時、がたっと弥生が立ち上がった。
「1年1組の花谷弥生です。兄貴が他校に1人います。趣味はバレーボールです。よろしく」
終始ゆるい表情で話し、最後ニコッと笑った。どこでそんなの覚えてきたんだろう。私が知ってる弥生はもっと無愛想だったのに。
あ、横の女の子、顔を赤らめてる。わかる。めっちゃ美形だよね。
「いっ、1年1組の土屋舞です…っ。精一杯頑張りますので、よろしくお願いしますっ」
黒縁の眼鏡で短髪の、眼鏡の奥に覗く瞳が綺麗な可愛らしい女の子。
「1年2組の佐川優でーっす!優しいの“優”って書いて“すぐる”って読みまーす!よろしくねぇ」
何か私の弟幼馴染がマイナスイオンを生成して放っているんだけど…っ!
1年生の硬かった空気が優のおかげで柔らかくなった気がする。
「1年2組の野口進也です。バレーボールやってます。よろしく」
一見冷たく見えるけど、緊張している顔が隠せていない進也。
黒髪正統派イケメンだから3,4組の女の子たちが目の中をハートにしている。
1組の舞ちゃんには響いていない様子。お疲れ、進也。
「1年3組の折原こうたです。野球部志望です。よろしくお願いします!!」
「1年3組、。中村かなですっ!野球部マネ志望です!よろしく!」
「1年4組の金城ゆうきです。部活は所属しません。よろしく」
「1年4組の中島咲紀でーす。よろしくー」
野球少年の折原くん。運動部系のかなちゃん。ピアノとか弾けそうな金城くん。
あと、多分押し付けられてなったであろう無気力系ギャルの咲紀ちゃん。
「よし!じゃあこれからは私が3,4組を、藤澤が1,2組を見ーーーー」
「莉央センパーイ。俺ら莉央先輩がいーなー?」
余計なところでぶっこんできた弥生。
藤澤の方を見ると、目(見えていないけど)の圧で「頼むそうしてくれ」と言われてしまった。
「まあ藤澤がいいなら…」
「俺は全然それで大丈夫だ。困ったら言えよ、木下」
「はいはい。藤澤もね。前髪めくられそうになったら呼んでね」
「うるさい」
あれ、けっこう真面目に言ったつもりなんだけどな。
そうして今日の委員会は幕を閉じた。




