↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
世界の声が鳴る前に、俺たちは十のダンジョンを攻略していた――崩壊した日本で家族を守る高校生たちの拠点防衛記  作者: 竜太郎


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
96/372

休む調理場

【本文】

 調理担当の一人が包丁で指を切った。

 深い傷ではない。だが原因は連続勤務による注意力低下だった。食事は毎日必要なため、調理場だけは止められないという空気が生まれていた。

 美和は翌日の昼食を、火を使う献立から保存パンと温かいスープへ変えた。作業を減らし、調理担当の半数を休ませる。

 避難者から食事が簡素だという声が出る。千鶴は怪我と勤務時間を公開し、手抜きではなく明日の調理を続けるためだと説明した。

 新しい手伝いを募集し、衛生講習を二回行う。包丁を使わない配膳、食器回収、床清掃なら、短い訓練で交代できる。

 ゴーレムも鍋を運べるが、味や加熱状態は判断できない。人間の休息を機械だけで埋めることはできなかった。

 指を切った担当者は治療後、休むことを謝った。

 美和は謝罪欄ではなく、次の勤務可能日だけを表へ書く。

 調理場は一日だけ仕事を減らし、翌朝も湯気を上げた。

 休む担当者の分を残った人だけへ上乗せしないよう、一日に作る品数も減らした。豪華さを保って人を減らせば、別の誰かが倒れる。スープは大鍋一つにし、切る野菜も少ない種類へ変える。栄養量は環が確認し、足りない分は保存食で補う。簡素な献立にも、減らしてはいけない線があった。

 講習では、手洗いだけでなく発熱、下痢、指の傷がある日は調理へ入らないことを伝えた。人手不足でも例外にしない。

 包丁を使う人は一時間ごとに交代し、疲労を感じる前でも予定どおり手を止める。

 休憩表には食事と睡眠時間も記し、勤務していないだけの時間を休息とは数えないことにした。

(次話へ)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。