↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
世界の声が鳴る前に、俺たちは十のダンジョンを攻略していた――崩壊した日本で家族を守る高校生たちの拠点防衛記  作者: 竜太郎


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
84/372

医療区画の規則

【本文】

 患者が二十人を越え、第七迷宮に正式な医療規則が必要になった。

 第一は、治療の順番をポイントや陣営で決めないこと。第二は、能力使用にも本人または家族の同意を取ること。第三は、治療記録を残すこと。

 モモやネーヴェの力は奇跡に見える。だからこそ、説明せず触れれば恐怖になる。

 由香は医療従事者の休憩時間も規則へ入れた。連続勤務で判断を誤れば、善意が患者を傷つける。小春は自分も対象だと認めさせられた。

 環は薬の在庫表を入口へ掲示せず、患者別の必要量だけ共有する。全量を公開すれば奪い合いを招き、隠せば不信を生む。何日分あるかと、次の補充予定を伝える。

 ネーヴェはモンスター患者にも同じ印を付けた。重症度、治療内容、隔離期間。人間と同じ部屋には入れないが、命の順番を陣営で下げない。

 最後の項目は、治せない可能性を隠さないことだった。

 湊は規則へ管理者として署名せず、利用者代表として名前を書いた。医療の判断まで所有者が支配しないためだ。

 紙の隣へ、ネーヴェが白い糸で同じ内容を迷宮の壁に刻んだ。

 規則を決める会議には患者側の代表も参加した。治療者だけで作れば、待つ側の不安や不便を見落とす。高齢患者は夜間の足元照明を求め、乳児の母親は授乳場所と湯の優先利用を提案した。全てを即座に叶えられなくても、却下理由と見直す日付を紙へ残した。

 壁の規則は子どもにも読める言葉へ書き直し、難しい医療語には絵と説明を添えた。守る内容を理解できる形にする。

 規則の変更履歴も消さず、日付と提案者、変更理由を裏面へ残した。

(次話へ)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。