↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
世界の声が鳴る前に、俺たちは十のダンジョンを攻略していた――崩壊した日本で家族を守る高校生たちの拠点防衛記  作者: 竜太郎


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
175/396

群れをほどく

【本文】

 杉沢牛舎の十二頭が、防振床の上でも同時に立ち上がった。

 地面の周期を弱めた結果、血獣群体が黒粒子の信号を強めたらしい。首筋の線が再び濃くなる。

 文と小春は全頭を一度に救おうとせず、三つの群れをさらに二頭ずつへ分けた。散水、清浄域、防振材を短時間ずつ組み合わせる。

 モモを連れていけば早いという声が出たが、広範囲浄化で縮めば医療区画の緊急治療が失われる。モモは地域網に残す。

 一頭が暴れ、柵へ角をぶつけた。鎮静剤は残量が少なく、人間用医療にも必要だ。布で視界を狭め、隣の牛の呼吸音だけを聞かせる。

 六秒、八秒、ばらばら。二頭が座り、四頭が餌へ向く。

 野生鹿には同じ処置ができないため、塩場と防振帯で人の避難路から遠ざける。

 世界の声は《従属解除率四十一%》を表示した。所有登録していないのに、解除という言葉だけは現れた。

 群れを支配し直すのではない。一頭ずつ違う動きを取り戻すことが、四本目の封鎖になった。

 座った牛を成功個体として連続試験へ使わず、その日は観察だけにする。餌、水、糞、耳の動きを別々に記録し、黒線が消えても群れへ戻さない。鹿の誘導先にも集落や水源がないか地図で確認した。追い払う先を変えただけで別の避難所へ危険を渡さないためだ。小春の清浄域は合計二十分で終了し、翌日まで使用禁止。文と牛舎担当が洗浄を引き継ぐ。能力者が離れた後も二頭ずつの動きが保てて、初めて封鎖手順になる。

 牛舎担当にも休息を入れ、夜は固定カメラへ切り替える。回復した動物を見守るため人を倒れさせない。

 記録を翌班へ渡した。

(次話へ)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。