地面の鼓動
【本文】
第三班は、試験場を中心に四秒周期を伝える地層を探した。
朔の反響探査を能力分配せず、音響札十二個と地震計三台で測る。最も強い線は、古い飼料搬送路のコンクリート床だった。
床を壊せば振動は止まるが、地下排水槽の天井まで崩れる。鉄平は床へ切れ目を入れず、廃タイヤ、防振材、砂を層にした遮断帯を三か所へ置く。
最初の帯で牛舎の耳動周期が五秒へ遅れた。二つ目で野生鹿の列が崩れる。三つ目を置く途中、中央隊員が黒膜へ発砲した。
膜は破れず、銃声だけが地面を走る。十二個の音響札が同時に赤く点灯し、試験場全体の周期が三秒へ縮んだ。
倉橋は威嚇射撃だと言った。湊は責任を争う前に全班を帰還線まで下げる。
十分钟後、周期は四秒へ戻ったが、防振帯一つが黒い液体で濡れていた。
音も攻撃になる。中央隊の銃は封印袋へ戻され、以後の発砲には地域網と相馬の共同確認が必要となった。
発砲した隊員は任務から外れたが、地域網側が処分を決めない。相馬が時刻と命令系統を確認し、倉橋が中央記録へ署名する。黒液に濡れた防振帯は回収せず、その場で二重に覆った。交換品を運ぶ班は別経路を使い、銃声を聞いた牛舎と三避難所へ状況を通知する。住民には襲撃開始とは伝えず、周期が一時三秒になり現在四秒へ戻った事実を出した。音響札の電池消費が増えたため、観測間隔を詰めず予備二個を追加した。
発砲前後の波形は中央隊にも複製し、個人の証言だけで原因を争わない。次の作業開始は二時間延期した。
黒液の量も測り、発砲前の値と比較した。増加は一時的でも、原因が消えたとは書かなかった。
(次話へ)




