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世界の声が鳴る前に、俺たちは十のダンジョンを攻略していた――崩壊した日本で家族を守る高校生たちの拠点防衛記  作者: 竜太郎


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六十四人の結果

【本文】

 三集落六十四人の確認が終わった。

 生存六十二人。死亡確認一人。行方不明一人。病院四人、体育館三十七人、旧小学校二十一人。元から地域網にいた百四十九人は増えていない。

 杉沢の牛十二頭は遠隔監視、川端と日向は無人となった。戻れる条件は血獣群体の振動、井戸水、道路の三項目で判断する。

 体育館の食料は新規避難者で四日分まで減った。旧小学校は持ち寄りを含め五日分。地域網二十日、燃料九日。救助は数字を改善せず、必要な日数を短くした。

 血獣群体の六秒周期は四秒へ縮まり、世界の声の出現表示は残り九日。閉鎖試験場の封鎖率は五十四%へ低下した。

中央は討伐部隊を送ると繰り返すが、到着時刻はまだない。

封鎖計画の会議は翌朝へ延期した。

 湊たちは三集落の救援を完了とは書かず、《避難段階終了・帰還未定》とした。岩田の捜索札も下流で動き続けている。

 救えた六十二人だけを数えれば成功になる。失った一人と、戻らない一人だけを見れば失敗になる。

 町はどちらかへ丸めず、六十四人全員の現在地を別々に記録した。

次に必要なのは、九日後まで血獣の心臓を町から切り離す封鎖だった。

避難者の増加で、体育館の井戸使用量は一・四倍になった。生活班は濾過材の交換を一日前倒しし、旧小学校にも水質検査担当を二人育てる。救助班は連続四日の運転と渡河で疲れており、翌日は全員を外して別班へ引き継ぐ。《分配》の使用禁止は残り一日だが、解除直後の封鎖戦投入はしない。葬送、医療、配給、休息を止めずに戦える形を作らなければ、血獣を封じても町が先に空になる。

(次話へ)

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