表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
世界の声が鳴る前に、俺たちは十のダンジョンを攻略していた――崩壊した日本で家族を守る高校生たちの拠点防衛記  作者: 竜太郎


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
144/360

働くスライムは兵器か

【本文】

 査察二日目、戸倉は生活スライムを戦闘可能個体として数え始めた。

 警戒、冷却、運搬、濾過。能力を持つ以上、中央の指定拠点で使えるという判断だった。

 生活班は、個体ごとの仕事、休息、濁り、事故歴を記した台帳を示す。排水路事故から回復途中の清掃粘体もいる。移送すれば、体育館の水質と地域網の衛生が落ちる。

 戸倉は三割だけなら運用を維持できると言った。

 小春は、同じ種類でも体積、反応速度、疲労が違い、三割という頭数では能力を計算できないと説明する。モモを標準個体にもできない。

 その時、運搬粘体が査察資料の箱を持ち上げきれず、平たくなった。子どもの世話係が停止札を置き、人間二人で箱を下ろす。

 演技ではない。昨日の仕事から休息が足りなかった個体を、戸倉が実演のため呼び出した結果だった。

 事故記録には、無理な実演を求めた査察側の指示も書かれた。相馬が立会人として署名する。

 戸倉は生活スライムの即時徴発を保留した。ただし中央判断へ持ち帰るという。

兵器ではないと口で言うだけでなく、生き物として管理してきた記録が、初めて外部命令を止めた。

生活班は実演後、平たくなった個体を要観察箱へ移した。餌を与えてすぐ働かせず、体積と反応を二時間ごとに測る。戸倉にも観察票の写しを渡し、徴発後に同じ管理ができるか質問した。指定拠点には待機箱、水質区分、世話係、低濃度ポイントの供給計画がない。単なる輸送数では答えられない条件だった。査察要領の「戦闘個体」欄には、生活維持生物、移送不可、中央再評価と追記された。

(次話へ)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ