↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
世界の声が鳴る前に、俺たちは十のダンジョンを攻略していた――崩壊した日本で家族を守る高校生たちの拠点防衛記  作者: 竜太郎


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
14/420

大人たちの沈黙

【本文】

 整備工場のシャッターが閉められた。

 集まったのは湊の母・千鶴と妹の結衣、岳の両親、小春の母・環、朔の祖父・冬一だった。四人は入口を見つけてから帰還するまでを順番に話した。

 最初に口を開いたのは環だった。

「治療した生き物を見せて」

 湊が作業台へモモを置く。環は手袋を着け、体温計や聴診器を近づけたが、どれも正常な値を示さない。モモは魚肉ソーセージを受け取ると、岳の腕へ這い寄り、傷跡の上で淡く光った。

 千鶴は息子を叱らなかった。代わりに、結衣の肩を抱く手へ力を込めた。

「入口は閉じたのね」

「俺が開けようとしなければ見えない。たぶん」

「たぶんで済む場所じゃないでしょう」

 その一言で、湊は何も返せなくなった。

冬一は五台の無線機と受信記録を確認した。地上との通信はないのに、存在しない五人目の音声だけが残っている。青い結晶をラジオへ近づけると、使われていない周波数に一定間隔の雑音が入った。

雑音を録音した冬一は、同じ間隔が続くのは自然現象らしくないと言った。朔は元データを三つの記録媒体へ複製し、一つを工場の耐火金庫へ収めた。

 鉄平は壊れた工具を机へ並べた。

「警察へ全部渡す。ただし、入口が俺たちに見えないなら、証拠だけ没収される可能性がある」

 大人たちは長く話し合った。

 結論は、子どもだけで二度と入らないこと。入口の監視を大人が交代で行うこと。証拠を複製し、信頼できる相手へ段階的に相談することだった。

 湊は約束した。

 その直後、工場の全員に声が聞こえた。

『第一迷宮の関係者を十名確認。避難候補登録を開始します』

(次話へ)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。