↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
世界の声が鳴る前に、俺たちは十のダンジョンを攻略していた――崩壊した日本で家族を守る高校生たちの拠点防衛記  作者: 竜太郎


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
137/372

当番を断る

【本文】

 夜間見張りの当番表から、一人が直前に名前を消した。

 理由は書かれていない。代行者はいたが、同じ区画の住民から無責任だという声が上がる。

 佳乃が本人と別室で話すと、前夜の影獣襲撃を思い出し、入口に立つだけで呼吸が乱れるという。医療区画へ行くことも、皆に知られることも望んでいなかった。

 当番規則には、開始前でも断れること、理由を公開しなくてよいこと、代行者へ直接頼まず調整窓口を通すことを加えた。断った回数を配給や次の希望へ影響させない。

 一方で、無断で持ち場を離れれば警戒に穴が開く。緊急時は白い無線か近くの警戒粘体へ札を置き、交代が来るまで安全区画へ下がる手順を作る。

見張り班は二人一組。片方が不調でも、もう片方が連絡できる。

窓口担当にも相談内容を外で話さない守秘規則を置いた。噂で理由を推測し、本人へ確かめに行く行為も止める。事情を説明できる者だけが休める仕組みにはしない。

 欠員を埋めた誠は、断った本人の名を聞かなかった。翌朝、当番表には「代行使用」とだけ残る。

責任を持つことと、限界まで耐えることは同じではない。断れる仕組みがあるから、体調を隠して入口へ立つ危険を減らせた。

代行者ばかりに負担が集まらないよう、月ではなく七日単位で回数を数える。ただし回数が少ない者を自動で次の当番にはしない。育児や治療など、表に出さない事情があるからだ。調整窓口は二人で担当し、片方だけが理由を知っていても組める表を作る。本人が望めば、見張り以外の昼間仕事へ移れる。断った穴を別の形で必ず埋めろとは求めないが、戻りたい時の入口は閉じなかった。

(次話へ)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。