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世界の声が鳴る前に、俺たちは十のダンジョンを攻略していた――崩壊した日本で家族を守る高校生たちの拠点防衛記  作者: 竜太郎


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座標を探す者

【本文】

 仮登録から四時間後、地域網の隠蔽入口近くに小型飛行機が現れた。

 軍用ではない。市販の撮影ドローンを改造した物で、山肌を格子状に飛びながら熱源を探している。

 警戒粘体は黄へ変わった。見張りは敵と断定せず、映像、飛行音、電波方向を確認する。

 朔が追うと、操縦信号は約二キロ東の廃ドライブインから届いていた。県庁へ送った座標は市町村単位で、そこから入口を探しているらしい。

 湊は入口を完全閉鎖せず、熱排気だけ別の岩場へ逃がす。《領域編集》の範囲内でも、動かせるのは迷宮側の経路だけだ。

 安西たちは操縦者の確保へ向かう。廃店にいたのは武装集団ではなく、行方不明者を捜す三人だった。ネット上で「北部に食料のある地下都市」という書き込みを見たという。

 投稿にはG-17の番号と、県北部という情報が載っていた。正確な座標は漏れていない。それでも断片を組み合わせれば探索範囲は狭まる。

三人から家族情報を聞き、体育館の照合番号へ繋ぐ。ドローンは返却するが、入口上空を飛ばさない約束を記録した。

悪意がなくても情報は人を集める。名簿だけ守れば安全になるわけではなかった。

投稿の削除依頼は出したが、既に画像が複製されている可能性がある。入口の見張りを増やすだけでは疲労が続かないため、排熱時刻を分散し、偽の熱源も一か所だけ設けた。偽装先を増やしすぎれば救助者まで迷う。消防と県庁には正しい接近禁止区域を伝え、一般向けには橋の受け渡し地点を案内する。助けを求める人が入口を探さずに済む案内の道も必要だった。

警戒は続く。

(次話へ)

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