中央再建評議会
【本文】
三日を待たず、中央再建評議会の一斉放送が届いた。
『全ダンジョン所有者は二十四時間以内に氏名、所在地、能力、収容者名簿を登録せよ。未登録施設は公的保護および物資配給の対象外とする』
署名は御厨征士郎。放送には、登録された施設へ自衛部隊と物資を優先派遣すると説明が添えられていた。
避難所を把握できなければ支援を組めない。それ自体は間違っていない。しかし二十四時間という期限は、通信が途切れた地域や同意を集める時間を考えていなかった。
世界の声が放送へ重なる。
《行政陣営への施設登録を確認。未登録者は独立勢力として分類します》
湊たちは誰も登録操作をしていない。それでも選択肢は、服従か敵対かの二つに狭められていく。
朔が録音を巻き戻すと、背後に小さな保守音声があった。
《所有権は隔離機能の責任位置です。政治的所属を定義しません》
所有者という言葉を、中央と世界の声が支配者の意味へ書き換えている。
代表会議は中央命令を拒否と決めなかった。相馬を通じ、集計情報で仮登録できるか、所有者氏名を保護できるか、物資停止が医療患者にも適用されるかを質問する。
二十四時間の時計が、返答欄の上で減り始めた。
体育館では、登録すれば自衛部隊が守ってくれるという期待が広がった。拓郎は否定せず、派遣可能人数と到着経路が示されていないことも掲示する。地域網側には、登録した瞬間に物資を奪われるという噂が出た。朔は放送原文と、まだ不明な項目を並べて貼った。分からない部分を想像で埋めれば、期限より先に二つの避難所が割れる。
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