表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
世界の声が鳴る前に、俺たちは十のダンジョンを攻略していた――崩壊した日本で家族を守る高校生たちの拠点防衛記  作者: 竜太郎


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
126/360

橋の手前で渡す

【本文】

 物資の受け渡し地点は、崩落した県道橋の手前に決まった。

 県庁側の車両は南から、地域網側は北から来る。橋は車で渡れないが、歩道部分を点検すれば人と小荷物は通せる可能性がある。

 安西、岳、奈々、病院の薬剤師が向かった。湊は所有者だと特定される危険を避け、地域網に残る。

 奈々の確認では、歩道の床板も二か所浮いていた。ゴーレムへ先に歩かせず、荷重を変えた砂袋で試す。安全な場所へ白線を引き、一人ずつ渡る規則にした。

 南側へ現れたのは県職員二人と消防隊員三人だった。相馬は防護具の上から身分証を掲げ、箱の封印番号を読み上げる。

 薬剤師が薬の名称、期限、保管温度をその場で照合した。軽油は容器ごと計量し、受領量七十九・六リットル。数字の差も丸めず記録する。

 相馬は所有者に会わせてほしいと言わなかった。代わりに、中央の登録命令が三日後に強制形式へ変わる可能性を伝える。

 帰路、岳は物資より重い警告だと言った。

安西は頷き、橋の白線を振り返る。行政との道も同じだった。渡れる幅を測らず、一度に全員で進めば崩れる。

帰る前、双方は空箱にも封印を付けた。次回、地域網から検査器具や文書を渡す際に、途中で中身を足されていないと確認するためである。相馬は県庁の通信が途切れた場合の時刻も決めた。毎日正午、橋の南側に白布があれば文書あり。赤布なら道路危険。無線だけへ頼らない連絡線だった。岳は北側にも同じ印を準備すると約束した。

橋を使うたび、床板の亀裂幅も測る。昨日通れたことを、今日の安全証明にはしなかった。

(次話へ)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ