発電機の優先順位
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燃料備蓄は、節約しても十二日分まで減っていた。
発電機を止めれば、病院機器と通信が危ない。動かし続ければ、消防車と救急車の燃料が尽きる。
鉄平は発電機を一日中回す方式をやめた。蓄電池へ必要量だけ充電し、停止時間を作る。冷却はセレネ、送水はアクア、運搬はゴーレムへ一部を移す。
しかし迷宮設備にも炉熱とポイントが必要で、完全な代替ではない。
代表会議で、発電の優先順位を決める。医療、通信、水質検査、調理、生活照明。固定順位にせず、時間帯と状況で切り替える。
誠は娘の区画が暗くなることへ不安を示した。奈々は非常灯の位置と点灯時間を一緒に確認し、必要なら回路を戻せると説明する。
発電機停止の二時間、医療区画は蓄電池で動いた。通信も途切れない。
使用燃料は前日より三割減る。
十二日という残量表示は十四日へ伸びた。
増えたのではない。同じ燃料で二日長く保つ使い方を見つけただけだった。
蓄電池の残量表示も正確ではなかった。古い二台は、半分と表示してから急に停止する。奈々は表示値ではなく実測時間を記録し、医療回路には最も状態の良い二台を回した。劣化した物は生活照明へ使い、突然止まっても命へ影響しない場所に置く。新しい設備だけを増やさず、今ある機器の癖を知ることが二日分の燃料を生んだ。
節約で生まれた二日分は共同口座のように扱い、特定区画だけが照明時間を増やさないと代表会議で確認した。
さらに、燃料缶は発電用と車両用で札を分けた。残量が同じでも、救急搬送に必要な分を発電機へ入れないためである。消防車を動かす緊急度は毎日変わる。数字だけでなく用途を守って初めて、十四日という見通しが意味を持つ。使用のたび、二人が記録へ署名した。
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