↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
世界の声が鳴る前に、俺たちは十のダンジョンを攻略していた――崩壊した日本で家族を守る高校生たちの拠点防衛記  作者: 竜太郎


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
100/396

三つの寝台

【本文】

 瓦礫の下から救出された三人のうち、一人は胸部を圧迫され、呼吸が弱かった。もう一人は脚を骨折し、最後の一人は頭部に傷があるが意識はある。

 空き寝台は三つ。だが体育館には、天井崩落とは別に発熱した高齢者や妊婦もいた。

 小春は誰を地域網へ運ぶか、一人では決めなかった。体育館の医師と看護師、安西、本人や家族へ状態を説明する。

 胸部負傷者と、設備がなければ処置できない頭部負傷者を第七迷宮へ移す。骨折者は体育館に残り、固定と鎮痛を行う。三つ目の寝台は空けたままにした。

「余っているなら母を入れてくれ」

 発熱した高齢者の家族が訴える。

 小春は拒絶せず、体育館側でできる検査と治療を説明した。状態が変われば三つ目を使う。今は緊急搬送に備える。

 空き寝台は、誰にも使わない場所ではない。次に悪化する一人のための設備だった。

 湊は地域網へ二名の受け入れを連絡する。人数は百四十九人相当となる。

 残る避難者へは、水、非常食、毛布、簡易照明を物流路から送った。

 三人だけ連れ帰って終わるのではなく、残った人が今夜を越せる条件を体育館へ置いていった。

 骨折者には、地下へ行けない理由だけでなく体育館で受けられる処置を伝えた。固定具、鎮痛薬、二時間ごとの循環確認。家族が介助できることも由香が無線で教える。選ばれなかった人へ説明がなければ、残された場所は待つだけの場所になる。小春は次の診察時刻を三人分すべて書き、誰が見ても分かる位置へ貼った。

 三つ目の寝台には酸素、点滴台、毛布だけを置き、誰の名も書かなかった。空きではなく緊急用だと分かる札を付ける。


(次話へ)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。