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転生したら奴隷になりました[魔力を得て楽しく暮らます]  作者: アル治


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第49話  奴隷制度廃止

いつも読んでいただきありがとうございます。

小屋に戻ると、ジンとレイとオスカーはラックとブライを呼んだ。


オスカー

「ラック、ブライ。聞いているかもしれないが、奴隷制度が廃止になると思う」


ラック

「じゃあ! 俺達は自由になるのか?」


ブライ

「やったー! 自由だぁー! 仕事しないでいいんだぁー!」


ブライの言葉を聞いた瞬間、ジン、レイ、オスカー、ラックの顔色が変わる。


ラック

「ブライ……仕事はしないと……」


ブライ

「なんで? 奴隷じゃないんだよ! 仕事しないでいいんじゃん!」


レイ

「ブライ……奴隷の仕事はしないけど、仕事をしないと飯も寝る所もないぞ」


ブライ

「えっ? だって飯は魚とか蟹とかあるじゃん! 寝る所は……」


オスカー

「そうだ。ここを離れなきゃいけないかもしれないから、家がないんだ。確かに魚を食っていれば生きてはいけるが……」


ブライ

「……どうする……の?」


ラック

「現実が分かったか?」


オスカー

「この現場でも人は雇ってもらえるとは思うが、全員ではないと思う。看守達も仕事を追われるから、ここで働きたいって者も出ると思う」


ブライ

「ここで働けなかったら?」


ジン

「街で仕事を探すか、冒険者になるか……」


ブライ

「街の仕事……冒険者……」


レイ

「かなり厳しい状況だ。奴隷仕事しかしてない俺達と、街で暮らしてた人とじゃ、どっちが仕事が出来るか……。力仕事なら俺達だろうけど、それ以外は街の人を選ぶと思う……」


ブライ

「…………」


オスカー

「この場所で働けなかったら、仕事に就けるか分からんな。俺も含めてだが」


ブライ

「どうするんだよ! 俺達に死ねって事か?」


レイ

「ブライ! 落ち着け! ここで働けないと決まった訳ではない」


ブライ

「ダメだったらどうする?」


レイ

「…………」


ブライ

「そうだ! ジンの料理を売ろうよ! 美味いんだし!」


ジン

「それは……出来ない……」


ブライ

「えっ? なんで……?」


ジン

「トビーさんの売上を奪ってしまう……」


ブライ

「そんなのっ! …………出来ない……か……」


ジン

「うん。あんなにお世話になったのに、今の生活を奪う訳にはいかない」


ブライ

「…………」


オスカー

「まだ決定はしてない……。今のうちに考えよう」


5人で色々と考えた。


食材を売る。

店で働く。

兵士の試験を受ける。


そして最終的に、冒険者が一番可能性があるという話になった。


ジンの魔法を主軸にして魔物を狩り、その肉を売る。


これが一番現実的ではあった。


レイ

「冒険者……ジンが居なかったら成立しない……」


ラック

「ジンは出来るのか?」


ジン

「大丈夫だと思います……」


ジンの心には、まだスコトリュコスの恐怖が残っていた。


不安はある。


それでも、生きていくためには、それしかなかった。


オスカー

「俺達がジンの盾になるしかない! ジン以外タンクで、ジンの麻痺魔法に頼るしかないかもな」


ラック

「確かに。逃げるにしても、俺達がタンクならジンは確実に守れるな」


ジン

「ダメですよ!」


レイ

「ジン、よく考えろ。タンクなら防御に専念出来る。麻痺が通れば勝ち、ダメそうなら防御しながら撤退出来る。意外と良いパーティーかも」


ジン

「…………確かに……防御パーティー、ありかもしれませんね!」


その日は、冒険者になる話を夜遅くまで語り合った。


翌日。


準備を整え、檻に入るために歩いていると、看守から声を掛けられた。


看守

「お前達、今日は檻に行く前に集合だ」


ラック

「はい!」


看守に言われるまま待っていると、続々と奴隷達が集まってくる。


やがて、全奴隷が集まった。


看守

「お前達に伝える事がある」


奴隷達は、何も話さず、ただ看守の言葉を聞いていた。


看守

「先ほど国から連絡が入り、明日から奴隷制度は廃止となる!」


「今日の仕事を終え、一晩ここで過ごしたら、お前達は自由だ!」


奴隷達

「…………」


看守

「うん? 自由だぞ。ここで毎日働かなくていいんだ。家に帰りたい者は帰れるぞ」


奴隷

「……帰れるか?」


看守

「帰れる。明日、街に行く者は、檻になってしまうが送り届ける!」


奴隷

「か、帰れるんだー!」


奴隷

「やったー!」


奴隷

「自由、自由だぁー!」


奴隷達は、最初のブライと同じリアクションになる。


その気持ちは分かる。


先の事ではなく、今を喜ぶのは当たり前だ。


奴隷ではなくなる。


自由になれる。


それだけで、嬉しいに決まっている。


しかし、彼らは忘れていた。


何故、自分達が奴隷になったのかを。


金が無くて売られた者。


家族を守るために売られた者。


口減らしのために売られた者。


奴隷になった理由は、それぞれ違う。


そして、奴隷ではなくなれば、今まで暮らしていた場所に戻れるとは限らない。


家族が待っているとは限らない。


帰る場所があるとは限らない。


看守達とジン達は知っていた。


奴隷達が家に帰っても、そこに自分達の居場所がない者がいることを。


自由になった。


その言葉の裏側にある現実を、まだ誰も知らない。

今後もよろしくお願い致します。

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